NISAで「成長株」に投資してみたい人へ
NISAで日本株を調べていると、
「配当金をもらうより、株価の成長を狙いたい」
「これから伸びそうな会社に投資したい」
と思うこともありますよね。
そんなときに候補になるのが、
成長株
です。
成長株とは一般的に、現在の業績だけではなく、
これから売上や利益が大きく成長することを期待されている企業
を指します。
ただし、
「成長株=必ず株価が上がる」
ではありません。
むしろ成長期待が高い企業ほど、期待が外れたときに株価が大きく下落することもあります。
そこで今回は、NISAで成長株を探す初心者向けに、注目したいポイントと具体的な日本企業5社を紹介します。
成長株を選ぶときに見るポイント
まず大切なのは、
「この会社はなぜ成長すると思うのか?」
を考えることです。
例えば、
- 市場そのものが成長している
- 売上が伸びている
- 利益が伸びている
- 新しい事業が伸びている
- 世界でシェアを拡大している
- 高い技術力を持っている
- AIなど新しい需要を取り込んでいる
などです。
単に、
「最近株価が上がっている」
だけでは成長株とは言えません。
今回紹介する成長株5社
今回は、成長テーマや業績の伸びを確認しやすい企業として、
- ソニーグループ
- 日立製作所
- 三菱重工業
- ディスコ
- レーザーテック
を比較します。
もちろん、
「この5社を買えば儲かる」
という意味ではありません。
あくまで、成長株を研究するときの具体例として見てください。
① ソニーグループ|エンタメ・IP・AIに注目
まずはソニーグループです。
ソニーと聞くと、
- PlayStation
- 音楽
- 映画
- カメラ
- 半導体
などを思い浮かべる人が多いでしょう。
ソニーは現在、
エンタテインメント・IP・コンテンツ・クリエイション技術
を成長の重要テーマとして位置付けています。
2026年度の経営方針でも、エンタテインメントへの注力とAIによる創造性の拡張を成長テーマとして掲げています。
ソニーを見るポイント
ソニーの面白いところは、
「モノを売る会社」だけではない
という点です。
例えば、
- ゲーム
- 音楽
- 映画
- アニメ
- IP
- イメージセンサー
- AI関連技術
など、複数の成長分野を持っています。
特にIPやコンテンツを世界中に展開できることは、ソニーの大きな特徴です。
ソニーの現在の成長戦略
ソニーは2026年度を第五次中期経営計画の最終年度と位置付け、エンタテインメントやIPへの注力を継続しています。
さらに、AIによってクリエイターを支援し、新たな体験やコンテンツを生み出す方向性も示しています。
ソニーの注意点
もちろんリスクもあります。
例えば、
- ゲーム事業の業績変動
- 映画・音楽作品のヒット・不振
- 半導体市場の変動
- 為替
- 海外市場の影響
などです。
つまり、
成長分野が多い一方、事業が多岐にわたるため業績を一つの指標だけでは判断しにくい
企業でもあります。
② 日立製作所|デジタル・エネルギー・社会インフラ
2社目は日立製作所です。
昔の「家電メーカー」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし現在の日立は、
- デジタル
- エネルギー
- モビリティ
- 産業
- 社会インフラ
などに重点を置いています。
日立の業績
2026年3月期の日立は、
売上収益10兆5,868億円
を計上。
調整後営業利益は、
1兆1,993億円
となり、前年から23.4%増加しました。
親会社株主に帰属する当期利益も30.3%増加しています。
かなり大きな数字ですが、重要なのは、
規模が大きい企業でも利益成長を実現している
という点です。
日立を見るポイント
日立は、
「デジタル×社会インフラ」
というところがポイントです。
例えば、
- エネルギー
- 鉄道
- デジタルシステム
- 産業設備
など、企業や社会に必要な分野で事業を展開しています。
AIだけではなく、
AIを活用するための社会インフラやデジタル基盤
という視点からも見ることができます。
日立の注意点
一方で、
- 大規模な事業投資
- 海外事業
- 景気
- 為替
- プロジェクト採算
などの影響を受ける可能性があります。
また、成長企業だからといって株価が割安とは限りません。
③ 三菱重工業|エネルギー・防衛・インフラ
3社目は三菱重工業です。
近年、特に注目されている日本企業の一つです。
三菱重工は、
- エネルギー
- 防衛・航空
- 宇宙
- 物流・インフラ
- 脱炭素関連
など幅広い分野で事業を展開しています。
三菱重工の業績
2025年度は、
受注高7兆6,536億円
売上収益4兆9,741億円
事業利益4,322億円
親会社所有者帰属利益3,321億円
となりました。
2026年度は、
売上収益5兆4,000億円
事業利益5,400億円
親会社所有者帰属利益3,800億円
を見込んでいます。
三菱重工を見るポイント
特に注目したいのが、
エネルギー・社会インフラ・防衛
です。
世界的なエネルギー転換や安全保障環境の変化などによって、関連分野への投資が続く可能性があります。
三菱重工自身も、
エナジートランジション・社会インフラのスマート化・サイバーセキュリティ
などを重要分野として掲げています。
三菱重工の注意点
ただし、
- 防衛政策
- 政府予算
- エネルギー価格
- 為替
- 大型プロジェクト
など、外部環境の影響も受けます。
「防衛関連だから上がる」と単純に考えるのではなく、実際の受注・利益・キャッシュフローを見ることが大切です。
④ ディスコ|半導体製造を支える精密加工技術
4社目はディスコです。
ここから少し専門的になります。
ディスコは、
半導体を加工するための精密加工装置やツール
を手掛ける企業です。
半導体そのものを作っているわけではありません。
しかし、半導体を製造する工程で必要となる装置・ツールを提供しています。
ディスコの最新業績
2027年3月期第1四半期では、
売上高1,143億円
前年同期比で、
27.1%増
営業利益は、
490億円
で、
42.2%増
となりました。
営業利益率は42.9%です。
かなり高い利益率ですね。
ディスコの成長テーマ
ディスコの業績を支えている要因の一つが、
生成AI・データセンター関連の半導体需要
です。
会社資料でも、生成AIの需要拡大を背景にデータセンター向け投資が継続し、先端ロジックやHBM向け需要が高水準だったと説明しています。
ディスコの注意点
ただし、ここは重要。
半導体関連企業は、
業績の変動が大きくなりやすい
という特徴があります。
ディスコ自身も、顧客の設備投資意欲が短期間で大きく変動するため、長期の業績予想を開示することが難しいと説明しています。
つまり、
成長性が高い可能性がある一方、値動きも大きくなりやすい
企業です。
⑤ レーザーテック|半導体の進化を支える検査技術
5社目はレーザーテックです。
レーザーテックも半導体関連企業ですが、ディスコとは事業内容が異なります。
主に、
半導体関連の検査・計測装置
を手掛けています。
レーザーテックの成長テーマ
現在の半導体市場では、
- AI
- データセンター
- IoT
- 5G・6G
- 高性能半導体
などの需要拡大が期待されています。
レーザーテックは、こうした市場の成長を背景として、2030年6月期を最終年度とする中期経営計画を進めています。
同社は中期経営計画で、
売上高4,000~5,000億円
営業利益率35%以上
を財務目標として掲げています。
レーザーテックの注意点
レーザーテックは成長性を見るうえで非常に面白い企業ですが、
期待が大きい企業ほど株価も期待を織り込みやすい
という点に注意が必要です。
また、
- 半導体設備投資
- 顧客の投資計画
- 半導体市場
- 為替
- 技術革新
などの影響を受けます。
5社を比較してみよう
| 企業 | 主な成長テーマ | 注目ポイント | 主なリスク |
|---|---|---|---|
| ソニーG | エンタメ・IP・AI | 世界的IP・コンテンツ | ヒット・市場変動 |
| 日立 | デジタル・社会インフラ | 高い利益成長 | 海外・大型案件 |
| 三菱重工 | エネルギー・防衛 | 受注・社会インフラ | 政策・景気・為替 |
| ディスコ | 半導体・生成AI | 高い利益率・需要 | 半導体サイクル |
| レーザーテック | 半導体検査 | 技術力・市場成長 | 設備投資・期待先行 |
「成長株」と「高配当株」の違い
29記事目では高配当株を紹介しました。
今回は成長株です。
簡単に比較すると、
高配当株
利益の一部を配当として受け取りながら保有する
という考え方。
成長株
利益を事業へ再投資して、将来的な売上・利益の拡大を期待する
という考え方。
もちろん、企業によっては、
成長+配当
の両方を目指す場合もあります。
成長株は「配当が少ない=悪い」ではない
成長企業の場合、
「利益を配当に回す」
よりも、
新しい工場を作る
「研究開発に使う」
「海外へ進出する」
「新しいサービスを開発する」
などに資金を使うことがあります。
その結果、
今の配当は少ないけれど、将来的な利益成長を目指している
企業もあります。
そのため、
配当利回りだけで成長株を判断しない
ことが重要です。
成長株を見るなら「売上」と「利益」
成長株を探すなら、
まず、
売上高が伸びているか
を確認しましょう。
そして、
利益も伸びているか
を見ます。
売上だけが増えて利益が増えていない場合、
「成長しているように見えるけど、利益につながっていない」
可能性があります。
営業利益率にも注目
成長株を見るときは、
営業利益率
も参考になります。
例えば、
売上1,000億円
営業利益100億円
なら、
営業利益率10%
です。
売上が伸びるだけでなく、
利益率まで改善している企業
なら、企業としての稼ぐ力が強くなっている可能性があります。
ただし、業種によって利益率の水準は大きく違うので、同業他社との比較が重要です。
ROEも確認しよう
27記事目でも紹介した、
ROE
も成長株を見る材料になります。
ROEが高いということは、株主資本を使って効率よく利益を生み出している可能性があります。
ただし、
ROEだけで企業を判断するのはNG
です。
売上・利益・財務・キャッシュフローなどと一緒に確認しましょう。
成長株は「割高」になっていないかも重要
成長株投資で特に注意したいのが、
株価の期待が高くなりすぎているケース
です。
「この会社はすごく成長しそう!」
という期待が高まると、株価も上昇します。
その結果、
実際の企業価値以上に株価が高くなっている
可能性があります。
そこで、
- PER
- PBR
- PEGレシオ
- ROE
- EPS成長率
などを確認する方法があります。
「良い会社」と「良い株」は違う
これはかなり重要です。
例えば、
ものすごく良い会社
でも、
株価がすでに高く評価されているなら、
良い投資先とは限りません。
逆に、
市場からあまり評価されていないけれど、業績が改善している企業があるかもしれません。
つまり、
企業の良さ+株価の水準
の両方を見る必要があります。
成長株は値動きが大きくなりやすい
成長株には、
大きく上昇する可能性
がある一方、
大きく下落する可能性
もあります。
例えば、
「利益が予想より伸びなかった」
「新製品が期待ほど売れなかった」
「半導体需要が減速した」
などのニュースだけで、株価が大きく動くことがあります。
NISAで成長株を買うときの注意点
NISAを使っても、
株価下落のリスクはなくなりません。
むしろ、
「NISAだから長期で持たないと」
と考えて、明らかに投資理由がなくなった銘柄を持ち続けるのはおすすめできません。
NISAはあくまで、
税制上のメリットを提供する制度
です。
企業の成長を保証してくれる制度ではありません。
成長株への投資を始めるなら
成長株を実際に購入するには証券口座が必要です。
NISAの成長投資枠では国内株式などへの投資ができるため、成長株への投資を考えている方は、手数料や取扱商品、サービス内容などを比較して、自分に合った証券会社を選びましょう。
成長株は「未来」を買う投資
高配当株では、
現在の配当
を重視することが多いです。
一方、成長株では、
未来の利益
を考える必要があります。
例えば、
「今は利益が小さいけど、市場が10倍になる可能性がある」
「今後AI需要が拡大すれば、この会社の製品需要も増える」
などです。
だからこそ、
その会社が成長すると考える理由
を自分で説明できることが重要です。
初心者なら「テーマ」だけで買わない
「AI」
「半導体」
「防衛」
「データセンター」
など、魅力的なテーマはたくさんあります。
でも、
テーマが成長する=その企業の株価が必ず上がる
わけではありません。
重要なのは、
その会社がその成長市場からどれだけ利益を得られるのか
です。
5社から学ぶ成長株の見方
今回の5社を見ると、
ソニー
→ エンタメ・IP・AI
日立
→ デジタル・社会インフラ
三菱重工
→ エネルギー・防衛・インフラ
ディスコ
→ 半導体・生成AI
レーザーテック
→ 半導体検査
というように、それぞれ違った成長テーマがあります。
だからこそ、
「どのテーマが伸びるか」
だけではなく、
「その市場で、この会社が勝てるのか?」
を見ることが大切です。
まとめ|成長株は「これから」を考えて選ぶ
今回紹介した成長株の候補は、
- ソニーグループ
- 日立製作所
- 三菱重工業
- ディスコ
- レーザーテック
です。
ただし、
「この5銘柄がおすすめ」という意味ではありません。
成長株を選ぶなら、
- 売上が伸びているか
- 利益が伸びているか
- 利益率が改善しているか
- 市場そのものが成長しているか
- 競争力があるか
- 将来の成長余地があるか
- 株価が割高になっていないか
を確認しましょう。
そして、
「なぜこの会社が成長すると考えるのか?」
を自分の言葉で説明できることが大切です。
成長株は高いリターンを狙える可能性がある一方、期待が外れた場合には大きく値下がりすることもあります。
NISAを利用しても元本保証ではありません。
無理のない金額で、企業の成長性と株価水準の両方を確認しながら投資を検討しましょう。


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