「日立って家電の会社じゃないの?」
そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。
実は現在の日立製作所は、デジタル・エネルギー・鉄道・産業など、社会インフラを支える幅広い事業を展開しています。
今回は、以前「成長株」として紹介した銘柄の中から、**日立製作所(6501)**を初心者向けに分析してみます。
株式投資では、
- 売上高
- 営業利益
- 利益率
- ROE・ROIC
- PER
- PBR
- 配当
- 成長性
- リスク
などを総合的に見ることが大切です。
銘柄分析でどんな数字を確認すればいいか分からない方は、まずこちらの記事からどうぞ。
👉 「日本株の銘柄分析はどうする?PER・PBR・ROEなど7つの数字を簡単解説」
日立製作所ってどんな会社?
日立製作所は、デジタル技術と社会インフラを組み合わせて、さまざまな社会課題の解決を目指している企業です。
主な事業には、
- デジタルシステム&サービス
- エナジー
- モビリティ
- コネクティブインダストリーズ
などがあります。
特に近年の日立を理解するうえで重要なのが、**Lumada(ルマーダ)**です。
Lumadaは、日立が持つデジタル技術やデータを活用して、企業や社会の課題を解決する事業・サービスの総称です。
つまり現在の日立は、昔ながらの「家電メーカー」というより、
デジタル×社会インフラ
を強みにする企業へ変化していると考えると分かりやすいでしょう。
日立製作所の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社日立製作所 |
| 証券コード | 6501 |
| 上場市場 | 東京・名古屋 |
| 決算期 | 3月 |
| 主な事業 | デジタル・エネルギー・モビリティ・産業など |
日立製作所の証券コードは6501です。
まずは2026年3月期の業績
2026年3月期の日立製作所は、
売上収益:約10兆5,868億円
調整後営業利益:約1兆1,993億円
となりました。
前年の2025年3月期と比較すると、
- 売上収益:+8.2%
- 調整後営業利益:+23.4%
と、増収増益になっています。
売上高だけでなく、利益の伸びが大きいところがポイントです。
営業利益率も改善
2026年3月期の調整後営業利益率は、
11.3%
でした。
2025年3月期は9.9%だったので、利益率も改善しています。
これは、
売上を増やすだけでなく、より効率的に利益を生み出せるようになっている
という見方につながります。
ROEは12.9%
ROEは、
自己資本を使ってどれだけ効率的に利益を生み出しているか
を見る指標です。
日立製作所の2026年3月期ROEは、
12.9%
でした。
2025年3月期の10.7%から改善しています。
ROEだけで投資判断することはできませんが、資本効率が改善していることは注目ポイントです。
日立はROICも重視している
日立を分析するなら、ROEだけでなくROICにも注目したいところです。
ROICは、企業が事業に投じた資本を使って、どれだけ効率よく利益を生み出しているかを見る指標です。
日立は経営計画「Inspire 2027」で、
2027年度ROIC 12~13%
を目標に掲げています。
単純に「売上を増やす」だけではなく、
利益率や資本効率を高めながら成長する
ことを目指しているのが特徴です。
最新の2027年3月期第1四半期は?
ここは今回の記事でぜひ押さえておきたいところです。
2026年7月29日に発表された2027年3月期第1四半期では、
売上収益:約2兆7,096億円
調整後営業利益:約2,943億円
となりました。
前年同期比では、
売上収益+20.0%
調整後営業利益+39.5%
と大きく伸びています。
さらに調整後営業利益率も、
9.3% → 10.9%
へ改善しました。
これは日立の成長性を見るうえで、かなり注目したい数字です。
通期予想も上方修正
日立は第1四半期決算で、2027年3月期の業績予想を上方修正しています。
会社予想は、
- 売上収益:11兆7,000億円
- 調整後営業利益:1兆4,080億円
- Adjusted EBITA:1兆5,200億円
- 親会社株主に帰属する当期利益:9,000億円
となっています。
調整後営業利益は前期比で17.4%増を見込んでいます。
日立の成長性を支える「Lumada」
日立の成長を考えるうえで外せないのが、
Lumada
です。
Lumadaでは、企業が持つデータやデジタル技術を活用して、
- 業務効率化
- 生産性向上
- 社会インフラの改善
- データ分析
- AI活用
などの課題解決を目指しています。
日立は2027年度に、Lumada事業の売上収益比率を50%、Adjusted EBITA率を**18%**とする目標を掲げています。
今後の日立を考えるなら、
「Lumadaがどれだけ成長するか」
は重要なポイントになりそうです。
エネルギー事業にも注目
もう一つ注目したいのがエネルギー分野です。
世界的に、
- 電力需要
- データセンター
- 再生可能エネルギー
- 電力網の強化
- 脱炭素
などへの需要が高まっています。
日立は電力網などのエネルギー関連事業を展開しており、こうした社会インフラ需要を取り込める可能性があります。
2026年6月のInvestor Dayでも、エナジー事業を含む各事業の成長戦略が示されています。
鉄道事業も日立の強み
日立は鉄道関連事業でも世界的に展開しています。
鉄道車両だけでなく、
信号・運行管理などの鉄道システム
も手掛けています。
鉄道インフラは一度導入されると長期間使われるケースが多く、継続的なサービス収益につながる可能性があります。
配当はどう?
日立製作所の2026年3月期の年間配当は、
1株50円
でした。
内訳は、
- 中間配当:23円
- 期末配当:27円
です。
2025年3月期の年間43円から増配となっています。
2027年3月期については、中間配当28円が予想されていますが、期末配当は現時点で未定です。
そのため、年間配当については今後の会社発表を確認する必要があります。
日立は高配当株?
日立は配当を増やしてきていますが、
「高配当株」というより成長性も重視した銘柄
として考えるほうが分かりやすいでしょう。
配当だけを目的にするのではなく、
業績成長+株主還元
の両方を見る銘柄です。
PER・PBRはどう見る?
個別株を分析するときは、
PER
PBR
も確認します。
PERは、
株価 ÷ 1株利益
で計算されます。
「現在の株価が利益の何倍まで評価されているか」を見る指標です。
PBRは、
株価 ÷ 1株純資産
で計算されます。
ただし、PERやPBRは株価によって毎日変化します。
また、日立のように成長が期待される企業では、
現在の利益だけではなく、将来の利益成長への期待
も株価に反映されます。
そのため、
PERが高い=割高
とは限りません。
日立の強み① デジタルと社会インフラ
日立の大きな強みは、
デジタル技術だけでも、インフラだけでもない
ところです。
デジタル技術と、
- エネルギー
- 鉄道
- 産業
- 社会システム
などの現場を組み合わせることで、独自のサービスを提供できます。
これは日立ならではの強みと言えるでしょう。
日立の強み② グローバル展開
日立は日本だけではなく、世界各地で事業を展開しています。
社会インフラやデジタル分野の需要が世界で拡大すれば、それを取り込める可能性があります。
一方で、海外展開が大きい分、為替や海外経済の影響を受ける点には注意が必要です。
日立の強み③ 事業ポートフォリオの変化
日立は長年にわたって事業構造を見直してきました。
現在は、
「何でも作る総合電機メーカー」
から、
「社会インフラ×デジタル」に強い企業
へ変わってきています。
この事業ポートフォリオの変化が、近年の利益率改善にもつながっていると考えられます。
日立製作所のリスク
もちろん、日立にもリスクがあります。
① 海外経済の影響
世界各地で事業を行っているため、海外景気の悪化などの影響を受ける可能性があります。
② 為替リスク
海外売上が大きいため、円高・円安による影響があります。
③ 大型案件のリスク
社会インフラ関連では大型案件を扱うこともあり、プロジェクトの遅延やコスト増加などが利益に影響する可能性があります。
④ 株価の期待値
業績が好調な企業ほど、将来の成長期待が株価に織り込まれている可能性があります。
そのため、決算が良くても市場予想を下回れば株価が下落することがあります。
日立製作所は成長株?
ここまでを見ると、日立製作所は、
成長性を期待できる日本企業の一つ
と考えられます。
特に、
- Lumada
- デジタル
- エネルギー
- 鉄道
- 社会インフラ
など、今後の需要拡大が期待される分野を持っています。
さらに2027年3月期第1四半期では、売上収益が前年同期比20.0%増、調整後営業利益が39.5%増となり、通期予想も上方修正されています。
ただし、
成長株だから必ず株価が上がるわけではありません。
株価がすでに高い期待を織り込んでいる可能性もあるため、PER・PBR・業績・成長率などを合わせて考えることが重要です。
日立の株を買うなら証券会社選びも重要
日立製作所のような日本株への投資を考えるなら、証券会社選びも重要です。
手数料やNISAへの対応、取引画面の使いやすさなどを比較して、自分に合った証券会社を選びましょう。
DMM株や松井証券など、複数の証券会社を比較してみるのも一つの方法です。
まとめ|日立製作所の株を分析してみた
今回は日立製作所について、
- 業績
- 営業利益
- 営業利益率
- ROE
- ROIC
- PER
- PBR
- 配当
- Lumada
- 成長性
- 強み
- リスク
を分析しました。
日立は昔の「家電メーカー」というイメージだけではなく、
デジタル×社会インフラ
を軸に成長を目指している企業です。
2026年3月期は増収増益となり、2027年3月期第1四半期も大幅な増収増益となりました。さらに通期予想も上方修正されています。
一方で、海外経済・為替・大型案件・株価の期待値などのリスクもあります。
そのため、
「日立だから買う」
ではなく、
業績・株価・成長性・配当・リスク
を総合的に確認することが大切です。
日立製作所の株が気になっている方は、今回紹介した数字を一つずつ確認しながら、自分なりに企業の将来性を考えてみてください。


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