「NISAで日本株を買ってみたいけど、どんな業種を選べばいい?」
「通信株って安定しているイメージがあるけど、何を見て選べばいい?」
「配当利回りが高い通信株を選べばいいの?」
NISAで個別株への投資を考えると、こんな疑問が出てくるのではないでしょうか。
通信株は、スマートフォンやインターネット、通信インフラなど、私たちの生活に身近なサービスを提供している企業が多い業種です。
そのため、長期保有を考える際に通信株を調べる人もいるでしょう。
一方で、
「通信株だから安定している」
「大手だから安心」
「配当利回りが高いからお得」
と考えてしまうのは注意が必要です。
同じ通信関連企業でも、事業内容や収益構造、成長戦略、株主還元、財務状況などには違いがあります。
そこでこの記事では、特定の通信株を「おすすめ」として順位付けするのではなく、
NISA成長投資枠で通信株を選ぶときに、どこを見ればいいのか
を初心者向けに解説します。
この記事でわかること
この記事では、以下のポイントを解説します。
- NISA成長投資枠で通信株を購入する仕組み
- 通信株が長期投資で注目される理由
- 通信株を選ぶときに見るポイント
- 配当利回りだけで選ばない理由
- 通信会社の業績を見るポイント
- 安定性と成長性の考え方
- 通信株を他の業種と組み合わせる方法
- NISAで通信株を購入するときの注意点
- 会社員・投資初心者が考えたい通信株の選び方
NISA成長投資枠で通信株を買える?
まず、NISAの基本から確認しておきましょう。
現在のNISAには、
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
の2つがあります。
成長投資枠では、一定の条件を満たす上場株式などが投資対象になっています。
年間投資枠は240万円、NISA全体の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円が上限です。対象となる上場株式等の売却益や配当等は、一定の条件のもとで非課税になります。
つまり、
NISA成長投資枠を利用して、日本の通信関連企業の株式を購入する
という方法も選択肢になります。
ただし、すべての上場株式がNISA成長投資枠の対象になるわけではありません。
実際に購入するときは、利用している証券会社などで対象商品かどうかを確認しましょう。
NISAの仕組み自体をもう一度確認したい方は、こちらも参考にしてください。
👉 NISAとは?初心者にもわかりやすい仕組み・メリット・毎月3万円の積立シミュレーションを解説
通信株が長期投資で注目される理由
通信株が注目される理由の一つが、私たちの生活との関係の深さです。
スマートフォンやインターネット、企業向け通信サービスなどは、現在の生活やビジネスに欠かせないインフラになっています。
そのため通信会社には、継続的な通信需要があることが特徴です。
ただし、
「通信需要がある=株価が安定する」
とは限りません。
通信会社も、
- 料金競争
- 設備投資
- 人件費
- 金利
- 技術革新
- 法規制
- 新規事業の成長
- 競合他社との競争
などの影響を受けます。
さらに現在の大手通信会社は、通信だけで事業を行っているわけではありません。
金融、DX、AI、データセンター、EC、法人向けサービスなど、通信以外の分野へ事業を広げている企業もあります。
そのため通信株を選ぶときは、
「通信会社だから安定」ではなく、「その会社がどんな事業で利益を生み出しているのか」
を見ることが重要です。
NISA成長投資枠で通信株を選ぶ5つのポイント
ここからがこの記事のメインです。
通信株を選ぶときは、次の5つを確認してみましょう。
- 本業の通信事業が安定しているか
- 通信以外の事業に成長余地があるか
- 配当を継続できる業績・財務状況か
- 株価が割高になっていないか
- 自分の投資目的に合っているか
一つずつ見ていきましょう。
① 通信事業が安定しているかを見る
まず確認したいのが、通信事業そのものです。
通信株を調べるなら、
- 契約者数
- 通信サービスの売上
- 通信事業の利益
- 料金収入
- 顧客基盤
- 市場シェア
などを確認してみましょう。
ただし、契約者数が多ければ必ず株価が上がるというわけではありません。
大切なのは、
「安定して利益を生み出せる事業基盤があるか」
という視点です。
例えばNTT、KDDI、ソフトバンクなどを調べる場合も、単純に知名度だけで比較するのではなく、通信事業の業績や利益の推移を確認してみましょう。
KDDIは2026年3月期に売上高6兆719億円、営業利益1兆991億円を計上し、2027年3月期についても増収・増益を見込んでいます。
また、NTTは2026年度の年間配当を1株5.4円と予想し、16期連続増配を予定しています。
こうした情報を見ながら、
「通信事業からどの程度の利益を生み出しているのか」
を確認することが重要です。
② 通信以外の事業に成長余地があるかを見る
現在の通信会社を見るとき、もう一つ重要なのが通信以外の事業です。
例えば、
- 金融
- AI
- DX
- データセンター
- 法人向けITサービス
- EC
- エネルギー
- コンテンツ
などです。
通信事業が安定していても、会社全体の成長が止まってしまえば、将来的な利益成長には限界があるかもしれません。
そこで、
「通信で安定した収益を確保しながら、次にどこで成長しようとしているのか?」
を見るわけです。
例えばKDDIは通信を基盤に金融やDXなどへ事業を広げています。ソフトバンクも通信だけでなく、法人向けサービスやAI・デジタル分野などを成長領域として掲げています。
ここで大切なのは、
「AIをやっているから成長する」
と単純に判断しないこと。
新規事業が実際に売上や利益へどの程度貢献しているのか、会社の決算資料などで確認しましょう。
③ 配当利回りだけで選ばない
通信株を調べていると、配当金に注目する人も多いと思います。
確かに、株式投資では配当金を受け取れることがあります。
NISAでは、対象となる上場株式等の配当も一定の条件を満たせば非課税になります。
ただし、
「配当利回りが高い=良い通信株」
とは限りません。
配当利回りを見るときは、同時に、
- 配当性向
- 利益の推移
- キャッシュフロー
- 財務状況
- 増配実績
- 配当方針
なども確認したいところです。
例えば、企業が利益以上に配当を出し続ければ、長期的にその水準を維持することが難しくなる可能性があります。
そのため、
「現在の配当利回り」だけでなく、「その配当を今後も維持できそうか」
を見ることが大切です。
高配当株についてさらに詳しく知りたい方はこちら。
👉 NISAで高配当株を選ぶなら?長期保有したい日本株5選を比較
④ 株価が割高になっていないか確認する
通信株を選ぶときに、意外と忘れやすいのが株価水準です。
どれだけ良い会社でも、
「今の株価が企業の価値や成長期待に対して高すぎないか」
は確認したいところです。
代表的な指標として、
- PER
- PBR
- 配当利回り
- EPS
- ROE
などがあります。
例えばPERは、株価が1株利益の何倍まで買われているのかを見る指標です。
ただし、
PERが低ければ必ず割安
というわけではありません。
成長性が低い企業ではPERが低くなることもありますし、将来の成長期待が高い企業ではPERが高くなることもあります。
そのため、PERだけで判断するのではなく、
業績・成長率・利益・配当・財務状況などと一緒に見る
ことが重要です。
⑤ 自分の投資目的に合っているか考える
最後は、企業ではなく自分自身について考えます。
通信株を選ぶとき、
「どの会社が一番いい?」
と考えたくなるかもしれません。
でも、本当に重要なのは、
「自分は何を目的に通信株を持つのか?」
です。
例えば、
配当を重視したい
配当実績や配当方針、配当性向などを見る。
安定した事業基盤を重視したい
通信事業の顧客基盤や利益の安定性を見る。
成長性を重視したい
AI、DX、データセンター、金融など通信以外の成長事業を見る。
長期的な資産形成をしたい
配当だけでなく、企業の成長性や財務状況、株価水準まで総合的に確認する。
このように、重視するポイントによって調べる企業や数字も変わってきます。
通信株は「安定性」と「成長性」のバランスを見る
通信株を選ぶときに迷いやすいのが、
安定性と成長性のどちらを重視するか
です。
通信インフラを中心に安定した収益を上げている企業もあれば、通信を基盤にAIやDX、金融などの新しい分野へ積極的に投資している企業もあります。
例えば、
NTT
なら通信インフラに加えてICTや次世代通信技術など。
KDDI
なら通信に加えて金融やDXなど。
ソフトバンク
なら通信に加えて法人向けITやAI・デジタルなど。
というように、同じ通信関連企業でも事業構造には違いがあります。
もちろん、これは「どの会社が優れている」という話ではありません。
自分がどんな企業に投資したいのかを考えるための比較材料
として見ることが大切です。
通信株だけに集中する必要はない
NISAで個別株を購入するときは、1つの業種だけに集中させる必要もありません。
例えば、
- 通信
- 半導体
- エネルギー
- 銀行
- 商社
- 食品
- インフラ
など、異なる業種を組み合わせる方法があります。
業種によって景気や金利、資源価格、為替などから受ける影響が異なるためです。
例えば、以前リライトした半導体株の記事では、半導体製造装置や検査、材料など、それぞれ異なる分野を見る方法を解説しています。
👉 NISA成長投資枠で半導体株を選ぶには?成長性・業績・株価・リスクの見方を初心者向けに解説
また、通信とは異なる特徴を持つエネルギー株についてはこちら。
👉 NISAで買いたいエネルギー株おすすめ5選|安定性・配当・成長性を比較
「通信株を買うかどうか」だけではなく、自分のポートフォリオ全体でどの業種を持つのかという視点も持っておきましょう。
NISAで通信株を買うときの注意点
通信株は比較的身近な企業が多いからこそ、注意したいポイントもあります。
NISAでも株価下落のリスクはある
NISAは税金を優遇する制度であって、損失を防ぐ制度ではありません。
通信株をNISAで購入しても、株価が下落する可能性はあります。
また、NISA口座で生じた損失は、通常の課税口座にある株式などの利益との損益通算ができません。
そのため、
「NISAだから安全」ではない
ということは覚えておきましょう。
配当金を非課税で受け取るには注意が必要
NISAで国内上場株式を保有している場合でも、配当金の受取方法によっては非課税にならないケースがあります。
NISAで配当金を非課税にするには、原則として株式数比例配分方式を選択して、証券口座で受け取る必要があります。
せっかくNISAで通信株を保有するなら、ここは購入前に確認しておきたいポイントです。
証券会社を選ぶときも「NISA+日本株」で考える
通信株を実際に購入する段階になったら、証券会社の使いやすさや取引条件も確認しておきましょう。
例えば、
- 日本株の売買手数料
- NISAの取引条件
- アプリの使いやすさ
- 投資情報
- IPOなどの取扱い
- ポイントサービス
- サポート体制
などです。
NISAで日本株を購入するための証券口座をこれから用意するなら、サービス内容を確認してから選びましょう。
👉 NISAで日本株を購入するなら、取引条件を確認しておきたいDMM株
複数の投資サービスをまとめて比較したい場合は、松井証券のサービス内容を確認する方法もあります。
※口座開設・取引の前に、各証券会社の最新の手数料・サービス内容・NISA対象商品などをご確認ください。
会社員・投資初心者なら通信株をどう考える?
会社員がNISAで通信株を検討する場合は、いきなり銘柄を決めるのではなく、
① 自分の投資目的を決める
↓
② 通信株の候補を探す
↓
③ 業績を見る
↓
④ 配当・財務を見る
↓
⑤ 株価水準を見る
↓
⑥ NISA成長投資枠の対象か確認する
という順番で考えると整理しやすくなります。
さらに、
「通信株にいくら投資するのか」
も重要です。
NISAの成長投資枠が年間240万円あるからといって、無理に使い切る必要はありません。
投資額は、自分の収入や貯金、生活費、将来の予定などを考えて決めましょう。
投資額そのものについて悩んでいる場合はこちらも参考になります。
👉 投資は毎月いくらから?初心者が無理なく続けられる積立額の決め方
通信株を選ぶときのチェックリスト
最後に、実際に通信株を調べるときに使えるチェックリストをまとめます。
事業について
□ 通信事業の収益は安定しているか?
□ 契約者や顧客基盤はどうなっているか?
□ 通信以外にどんな事業を展開しているか?
□ 新規事業が利益につながっているか?
配当について
□ 配当利回りはどのくらいか?
□ 配当性向は高すぎないか?
□ 過去の配当推移はどうなっているか?
□ 配当方針は明確か?
業績・財務について
□ 売上・利益は伸びているか?
□ 営業キャッシュフローは安定しているか?
□ 有利子負債はどうなっているか?
□ 今後の業績予想はどうなっているか?
株価について
□ PERはどのくらいか?
□ PBRはどのくらいか?
□ 過去と比べて株価が割高になっていないか?
□ 配当利回りだけで判断していないか?
NISAについて
□ 成長投資枠の対象か?
□ 配当金の受取方法を確認したか?
□ NISAの投資枠を無理に使おうとしていないか?
まとめ|通信株は「安定性・配当・成長性」を総合的に見る
NISA成長投資枠で通信株を選ぶなら、単純に、
「大手通信会社だから」
「配当利回りが高いから」
という理由だけで決めるのではなく、企業の中身を見ることが大切です。
今回のポイントをまとめると、
- 通信事業の安定性を見る
- 通信以外の成長事業も確認する
- 配当利回りだけで判断しない
- 配当性向やキャッシュフローを見る
- PER・PBRなどで株価水準を確認する
- 自分の投資目的に合っているか考える
- 通信株だけに集中しすぎない
- NISAの対象商品か確認する
- 配当金の受取方法を確認する
ということです。
通信株には、NTT、KDDI、ソフトバンクなど身近な企業があります。
ただし、同じ通信関連企業でも、事業内容や成長戦略、配当方針には違いがあります。
だからこそ、
「どの通信株がおすすめ?」ではなく、「自分はどんな通信株を選びたい?」
という視点で企業を調べてみましょう。
NISAは長期的な資産形成に活用できる制度ですが、株価下落のリスクがなくなるわけではありません。
焦って購入するのではなく、業績・配当・財務・株価・成長性を一つずつ確認しながら、自分に合った投資先を考えていきましょう。


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