「NISAを始めたいけど、何から考えればいい?」
「NISAなら損しないの?」
「毎月いくら投資すればいい?」
「人気の投資信託を買っておけば大丈夫?」
NISAについて調べ始めると、こうした疑問が出てくるかもしれません。
NISAは、株式や投資信託などへの投資で得られる利益を一定の条件で非課税にできる便利な制度です。
一方で、NISAを利用したからといって投資のリスクがなくなるわけではありません。
この記事では、40代会社員がNISAで投資を始める前に知っておきたいポイントを、初心者向けに分かりやすく解説します。
そもそもNISAとは?
NISAは、
「少額投資非課税制度」
のことです。
通常、株式や投資信託などに投資して利益が出た場合、その売却益や配当・分配金には税金がかかります。
NISAでは、NISA口座で購入した金融商品から得られる一定の利益が非課税になります。
現在のNISAには、
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
の2つがあります。
そして、この2つは併用できます。
NISAの基本を表で確認
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 2つの枠の併用 | 可能 | 可能 |
| 年間合計 | 最大360万円 | |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円の範囲内 | 1,800万円のうち1,200万円まで |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 主な対象商品 | 長期・積立・分散向けの一定の投資信託 | 上場株式・投資信託など |
NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円で、合計最大360万円です。
また、生涯を通じた非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円が上限です。非課税保有期間は無期限です。
ただし、
「枠が大きいから、できるだけ使わなければ損」
と考える必要はありません。
ここは、この記事で特に覚えておきたいポイントです。
NISAで投資を始める前に知っておきたい7つの注意点
NISAを始める前に、次の7つを確認しておきましょう。
- NISAでも元本割れする
- 生活費まで投資しない
- 人気ランキングだけで商品を選ばない
- 投資する商品の中身を理解する
- 短期間で利益を出そうとしない
- 暴落したときのことを考えておく
- NISAの投資枠を無理に使い切らない
順番に解説します。
注意点①|NISAでも元本割れする
まず、最も重要なポイントです。
NISA=損をしない制度
ではありません。
NISAはあくまで、
「投資によって得られた利益を非課税にする制度」
です。
投資する商品そのものの価格が下がれば、NISA口座の評価額も下がります。
例えば、
100万円を投資
↓
株式市場が下落
↓
評価額が70万円
ということもあり得ます。
つまり、
NISAだから元本が保証されるわけではありません。
「非課税」と「安全」は別の話です。
NISAのメリット
投資による一定の利益が非課税になる。
NISAではないもの
元本保証制度ではない。
この違いは、NISAを始める前に必ず理解しておきましょう。
NISAで損をしたらどうなる?
もう一つ、初心者が知っておきたいポイントがあります。
NISA口座で発生した損失は、特定口座や一般口座で発生した利益などと損益通算できません。
また、NISA口座で発生した損失を翌年以降に繰り越して控除することもできません。
例えば、
NISA口座
→ 30万円の損失
特定口座
→ 30万円の利益
となったとしても、NISAの損失と特定口座の利益を相殺することはできません。
NISAには大きな非課税メリットがありますが、こうした制度上の特徴も理解しておくことが大切です。
注意点②|生活費まで投資しない
NISAを始めると、
「せっかくなら毎月できるだけ多く投資したい」
と思うかもしれません。
しかし、
生活に必要なお金まで投資するのは避けましょう。
例えば、
- 家賃
- 食費
- 光熱費
- 通信費
- 税金
- 急な医療費
- 車の修理費
- 数年以内に使う予定のお金
などです。
こうしたお金まで投資してしまうと、
相場が下落
↓
お金が必要になる
↓
安い価格で売却する
という状況になる可能性があります。
だからこそ、
「投資できるお金」と「投資してはいけないお金」を分ける
ことが重要です。
生活防衛資金を確保してから投資する
投資を始める前に考えたいのが、
生活防衛資金
です。
例えば、
「もし収入が一時的に減ったら?」
「急な出費が発生したら?」
と考えてみましょう。
すぐに使う可能性があるお金は現金で確保し、そのうえで長期間使う予定のない余裕資金を投資に回す、という考え方が分かりやすいでしょう。
貯金と投資の優先順位について詳しく知りたい方はこちら。
👉貯金と投資はどっちを優先?40代からのお金の分け方を初心者向けに解説
注意点③|人気ランキングだけで商品を選ばない
NISAについて調べていると、
- おすすめランキング
- 人気投資信託
- 今買うべき商品
- 初心者おすすめ
といった情報をたくさん見かけます。
もちろん、ランキングを参考にすること自体は問題ありません。
ただし、
「人気ランキング1位=自分に最適」
とは限りません。
例えば、
S&P500
→ 米国株を中心に投資
全世界株式
→ 複数の国・地域に分散
というように、そもそもの投資方針が違います。
大切なのは、
「みんなが買っているか」ではなく「自分の目的に合っているか」
です。
注意点④|投資する商品の中身を理解する
NISAを始めるときは、
「NISA口座を作ること」より「何に投資するか」
のほうが重要です。
特に投資信託を選ぶ場合は、
- 何に投資するのか
- どの指数に連動するのか
- 信託報酬などのコスト
- 純資産総額
- 投資対象の範囲
- NISAのどの枠で購入できるか
- どんなリスクがあるか
などを確認しましょう。
投資信託の選び方を詳しく知りたい方はこちら。
👉投資信託を選ぶときに確認したい7つのポイントを初心者向けに解説した記事はこちら
全世界株式とS&P500、どちらを選ぶ?
NISA初心者が迷いやすいのが、
「S&P500と全世界株式、どっちがいい?」
という問題です。
ざっくり比較すると、
| 比較項目 | S&P500 | 全世界株式 |
|---|---|---|
| 主な投資対象 | 米国 | 複数の国・地域 |
| 分散 | 米国企業の中で分散 | 国・地域も分散 |
| 投資方針 | 米国への集中度が高い | 世界全体へ幅広く投資 |
| 向いている考え方 | 米国を重視したい | 世界に幅広く分散したい |
どちらが絶対に正解というわけではありません。
重要なのは、
「自分はどの地域に、どの程度投資したいのか」
を考えることです。
全世界株式の選び方について詳しく知りたい場合は、こちらも参考にしてください。
👉全世界株式を選ぶときに確認したい7つのポイントを詳しく解説しています
注意点⑤|短期間で結果を求めない
NISAを始めると、
「1年でどれくらい増える?」
「半年で利益が出る?」
と気になるかもしれません。
しかし、株式市場は短期間で大きく動くことがあります。
今年は上昇していても、
翌年には下落する
ということもあります。
そのため、
「1年で増えたかどうか」だけで投資を判断しない
ことが大切です。
特に40代から資産形成を考えるなら、数か月・数年だけではなく、老後など将来の使い道まで含めて投資期間を考えてみましょう。
長期・積立・分散を意識する
資産形成では、
長期・積立・分散
という考え方があります。
長期
短期間の値動きだけに振り回されず、長い期間で資産形成を考える。
積立
一度にすべて投資するのではなく、定期的に一定額を購入する。
分散
複数の国・地域や資産などに分けて投資する。
これらは、投資の値動きを抑えることを目指す考え方の一つですが、
長期・積立・分散をすれば損失がなくなるわけではありません。
あくまで投資を続けるうえでの基本的な考え方として理解しておきましょう。
注意点⑥|暴落したときのことを考えておく
投資を始める前に、
「もし資産が30%下がったら、自分はどうする?」
と考えておくのも大切です。
例えば、
100万円
↓
80万円
↓
70万円
と評価額が減る可能性もあります。
そのとき、
「怖いから全部売ろう」
と感情的に判断してしまうと、損失を確定させることになります。
もちろん、
- 生活資金が必要になった
- 投資方針が変わった
- 商品を見直す必要が出てきた
などの場合には、売却を検討することもあります。
重要なのは、
「相場が下がった」という理由だけで慌てて判断しないこと
です。
暴落時の具体的な考え方はこちらの記事でも解説しています。
👉株価が暴落したときに慌てないための7つの考え方を初心者向けに解説しています
40代からNISAを始めるのは遅い?
「40代からNISAを始めても遅いのでは?」
と考える人もいるでしょう。
しかし、例えば65歳まで20年間あるなら、
20年間という投資期間
を考えることができます。
もちろん、
「20年間投資すれば必ず利益が出る」
という意味ではありません。
株式市場は将来どう動くか分からないからです。
それでも、
短期的な値動きだけを見るのではなく、長期的な資産形成を考える
という視点は大切です。
40代から投資を始める場合でも、自分の投資期間とリスク許容度に合わせて無理のない計画を立てましょう。
注意点⑦|NISAの投資枠を無理に使い切らない
NISAには大きな非課税枠があります。
年間では最大360万円、非課税保有限度額は1,800万円です。
すると、
「せっかくのNISA枠だから、できるだけ使わないと損」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、
NISAの枠を使い切ること自体が目的になってはいけません。
例えば、
生活費を削る
↓
投資額を増やす
借金をして投資する
↓
NISA枠を埋める
必要なお金まで投資する
↓
急落時に売却する
という状態では、本末転倒です。
NISAは、
「使えるだけ使う制度」ではなく「自分の家計に合わせて活用する制度」
と考えましょう。
毎月いくらNISAに投資すればいい?
ここも初心者が悩みやすいポイントです。
結論からいうと、
「毎月○万円が正解」という金額はありません。
収入や支出、貯金、家族構成、住宅費、投資期間などによって変わります。
例えば、
| 毎月の積立額 | 1年間の積立額 | 20年間の元本 |
|---|---|---|
| 1万円 | 12万円 | 240万円 |
| 2万円 | 24万円 | 480万円 |
| 3万円 | 36万円 | 720万円 |
| 5万円 | 60万円 | 1,200万円 |
※運用益を含まない単純計算です。
この表を見ると、
「毎月5万円でなければ意味がない」わけではない
ことが分かります。
毎月1万円でも、長期間続ければ積み立てた元本は積み上がっていきます。
大切なのは、
生活を圧迫せず、長期間続けられる金額
にすることです。
NISAを始める前に「家計」を確認しよう
NISAを始める前に、
「どの商品を買うか?」
ばかり考えてしまう人もいます。
しかし、その前に確認したいのが、
自分の家計です。
チェックしたいのは、
- 毎月の手取り収入
- 家賃・住宅費
- 食費
- 通信費
- 保険
- ローン・借入
- 毎月の貯金額
- 現在の預貯金
- 投資に回せる金額
などです。
投資を始める前の準備についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
👉投資を始める前に確認しておきたい家計・投資額・目標の決め方はこちら
NISAの口座はどこで作る?
NISAを利用するには、銀行や証券会社などでNISA口座を開設する必要があります。
NISA口座は1人1口座が基本で、金融機関は年単位で変更できます。
証券会社を選ぶときは、
- NISAで購入できる商品
- 投資信託の品ぞろえ
- 日本株・米国株の取り扱い
- 手数料
- 積立設定
- ポイントサービス
- アプリやWeb画面の使いやすさ
などを比較してみましょう。
NISAで投資信託や株式を始める場合は、証券会社のサービス内容を確認してから選ぶことが大切です。
👉NISAで投資を始める証券会社を検討している方は、松井証券のサービス内容もチェックしてみてください。
NISAを始める前のチェックリスト
最後に、これだけは確認しておきましょう。
☑ ① NISAの仕組みを理解した
NISAは元本保証ではなく、利益を非課税にする制度。
☑ ② 生活防衛資金を確保した
急な出費があっても生活できる現金を確保している。
☑ ③ 投資額を決めた
生活を圧迫しない金額になっている。
☑ ④ 投資する商品を理解した
何に投資して、どんなリスクがあるのか確認した。
☑ ⑤ 投資期間を考えた
いつ頃まで使わないお金なのかを考えた。
☑ ⑥ 暴落時のことを考えた
資産が大きく下落しても、冷静に判断できる金額になっている。
☑ ⑦ NISA枠を無理に使おうとしていない
「枠を使い切ること」ではなく「無理なく資産形成すること」を優先している。
NISAで失敗しにくくするための考え方
ここまでを一度整理してみましょう。
| 考えること | ポイント |
|---|---|
| 目的 | 老後資金・資産形成など目的を決める |
| 家計 | 毎月いくら余裕があるか確認 |
| 生活防衛資金 | 投資とは別に現金を確保 |
| 投資額 | 無理なく続けられる金額 |
| 商品 | 中身・コスト・リスクを確認 |
| 投資期間 | 短期ではなく長期で考える |
| 暴落 | 値下がりする可能性を理解する |
| NISA枠 | 無理に使い切らない |
この順番で考えると、
「とりあえずNISAを始めよう」
という状態から、
「自分に合った方法でNISAを活用しよう」
という考え方に変わります。
NISAは「始めること」より「続け方」が大切
NISA口座を開設することは、資産形成のスタート地点です。
本当に大切なのは、
自分の家計に合った金額で、無理なく続けること。
そして、
自分が投資している商品を理解していること。
です。
「人気だから買った」
ではなく、
「自分はこういう理由で、この商品を選んでいる」
と言える状態を目指しましょう。
まとめ|NISAは便利だけど万能ではない
NISAは、長期的な資産形成を考えるうえで便利な制度です。
ただし、
NISAを使えば必ず儲かるわけではありません。
投資する商品が値下がりすれば、NISA口座でも損失が発生する可能性があります。
NISAを始める前には、
- NISAでも元本割れする
- 生活費まで投資しない
- 人気ランキングだけで商品を選ばない
- 投資する商品の中身を理解する
- 短期間で結果を求めない
- 暴落したときのことを考えておく
- NISAの投資枠を無理に使い切らない
この7つを覚えておきましょう。
特に40代会社員の場合、
「NISAの枠をどれだけ使うか」より、「生活を守りながら、何年続けられるか」
を考えることが大切です。
投資は無理をして続けるものではありません。
生活に必要なお金を確保したうえで、余裕資金から少しずつ始める。
そして、自分が選んだ商品を理解しながら長期的に続けていく。
これが、NISAを資産形成に活用するときの基本的な考え方です。
※本記事はNISAや資産形成についての情報提供を目的としたもので、特定の金融商品や証券会社を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。NISAの制度や対象商品、各金融機関のサービス内容は変更される場合があるため、実際に利用する際は金融庁や各金融機関の最新情報、目論見書などをご確認ください。


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