「NISAで日本株に投資したいけど、どの業種を選べばいい?」
そんな人から注目されているテーマの一つが、半導体関連株です。
半導体は、スマートフォンやパソコンだけでなく、自動車、通信機器、データセンター、AIなど、さまざまな分野で使われています。
特にAIやデータセンターの発展によって、高性能な半導体への需要が注目されるようになっています。
一方で、半導体関連株はすべて同じ値動きをするわけではありません。
製造装置、検査、加工、材料など、企業によって関わっている分野が大きく異なります。
そこで今回は、日本の半導体関連企業の中から、NISAで長期保有を検討する候補として注目したい5銘柄を比較します。
「半導体株ならどれでもおすすめ」という考え方ではなく、それぞれの企業がどのような事業をしているのかを中心に見ていきましょう。
NISAで半導体株に投資するメリット
NISAでは、投資によって得られる売却益や配当・分配金が非課税になることが大きなメリットです。
現在のNISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、成長投資枠では上場株式などへの投資が可能です。個別の銘柄が実際にNISAの対象となるかは、利用する金融機関などで確認する必要があります。
そのため、個別の半導体株を長期保有したい場合には、成長投資枠を利用する方法があります。
NISAについてまだ詳しくない方は、まず**「NISAとは?初心者向けに仕組みとメリットを解説」**も参考にしてください。
ただし、NISAを利用すれば必ず利益が出るわけではありません。
株価が下落すれば損失が発生する可能性もあるため、NISAだからという理由だけで銘柄を選ばないことが重要です。
半導体株おすすめ5選
今回紹介する5銘柄はこちらです。
- 東京エレクトロン
- アドバンテスト
- ディスコ
- レーザーテック
- 信越化学工業
この5社は、同じ「半導体関連企業」でも事業内容がかなり違います。
その違いを理解してから比較してみましょう。
1.東京エレクトロン
証券コード:8035
東京エレクトロンは、半導体を製造するための装置を手掛ける企業です。
半導体そのものを作る企業ではなく、半導体メーカーが製造工程で使用する装置を提供しています。
東京エレクトロンは、成膜、リソグラフィ、エッチング、洗浄など、複数の半導体製造工程に関わる製品を展開しています。
半導体の高性能化や微細化が進むことで、製造工程にも高度な技術が求められます。
そのため、半導体市場の設備投資が企業業績に影響する点が、この銘柄を見るうえで重要なポイントです。
東京エレクトロンの注目ポイント
- 半導体製造装置を手掛ける
- 複数の半導体製造工程に関わる
- 半導体メーカーの設備投資の影響を受けやすい
- 半導体市場の成長を装置側から取り込む企業
「半導体そのものではなく、半導体を作るための装置に投資したい」
という人なら、比較候補に入れやすい銘柄です。
2.アドバンテスト
証券コード:6857
アドバンテストは、半導体のテストを行う装置を手掛ける企業です。
半導体は製造して終わりではありません。
設計どおりに動作するか、性能や品質に問題がないかなどを検査する必要があります。
アドバンテストは、半導体テスタを中心に、半導体の設計・評価から量産、最終検査など幅広いテスト工程に関わる製品・サービスを提供しています。
半導体の高性能化・複雑化によって、テストの重要性も高まっています。
アドバンテストの注目ポイント
- 半導体テスト分野を手掛ける
- 半導体の品質・性能確認に関わる
- 高性能・複雑化する半導体との関係が深い
- テスト工程という独自のポジションを持つ
「半導体製造装置」だけではなく、半導体の検査・テスト分野に注目したい人に向いている銘柄です。
3.ディスコ
証券コード:6146
ディスコは、半導体や電子部品などの製造工程で使用される精密加工装置や精密加工ツールを手掛けています。
代表的な技術が、
「切る・削る・磨く」
という精密加工です。
ディスコは、ダイシングソーやグラインダ、ポリッシャなどの精密加工装置に加え、それらに使用する精密加工ツールも提供しています。
半導体の小型化や高性能化が進むほど、製造工程では高い加工精度が求められます。
ディスコの注目ポイント
- 精密加工装置を手掛ける
- 精密加工ツールも提供
- 「切る・削る・磨く」に強み
- 半導体製造工程との関係が深い
半導体業界の中でも、加工技術に注目して投資したい人にとって興味深い企業です。
4.レーザーテック
証券コード:6920
レーザーテックは、半導体関連装置を中心に、検査・計測分野の製品を手掛けています。
同社は、半導体関連装置、FPD関連装置、レーザー顕微鏡などの開発・製造・販売・サービスを行っています。
半導体の微細化が進む中では、製造工程における検査・計測の重要性も高まります。
レーザーテックは、マスクブランクスやフォトマスク、ウェハなどの検査・計測装置を展開しています。
レーザーテックの注目ポイント
- 半導体関連検査装置を手掛ける
- 光応用技術を活用
- 最先端半導体の製造工程と関係が深い
- 検査・計測という専門性の高い分野に強み
ただし、成長期待が高い企業ほど、株価に将来の成長が織り込まれている可能性があります。
購入を検討するときは、事業内容だけでなく、現在の株価や業績、バリュエーションも確認しましょう。
5.信越化学工業
証券コード:4063
信越化学工業は、ここまで紹介した企業とは少しタイプが異なります。
同社は半導体製造装置ではなく、半導体の製造に必要な材料を手掛けています。
電子材料事業では、シリコンウエハー、化合物半導体、半導体封止材、フォトレジスト、マスクブランクス、合成石英製品などを展開しています。
つまり、
「半導体を作る装置」
ではなく、
「半導体を作るために必要な材料」
という立場から半導体市場に関わっています。
また、半導体関連だけに事業が集中しているわけではなく、生活環境基盤材料や機能材料など、複数の事業を展開している点も特徴です。
信越化学工業の注目ポイント
- 半導体材料を手掛ける
- シリコンウエハーなどを展開
- 半導体以外にも複数の事業を展開
- 装置メーカーとは異なる視点から半導体市場に投資できる
「半導体関連株に投資したいけれど、製造装置メーカーだけに集中したくない」という場合に、比較候補となる企業です。
5銘柄を比較するとどう違う?
今回紹介した5社を簡単に整理すると、次のようになります。
| 銘柄 | 証券コード | 主な分野 | どんな企業? |
|---|---|---|---|
| 東京エレクトロン | 8035 | 半導体製造装置 | 半導体を作るための装置 |
| アドバンテスト | 6857 | 半導体テスト | 半導体の性能・品質をテスト |
| ディスコ | 6146 | 精密加工 | 半導体などを「切る・削る・磨く」 |
| レーザーテック | 6920 | 検査・計測 | 半導体製造工程を検査・計測 |
| 信越化学工業 | 4063 | 半導体材料 | 半導体製造に必要な材料 |
このように見ると、同じ半導体関連株でも、
装置
→ テスト
→ 加工
→ 検査
→ 材料
と、それぞれ違う場所で半導体産業を支えていることが分かります。
NISAで半導体株を選ぶときのポイント
半導体株をNISAで長期保有するなら、単純に「人気があるから」という理由だけで選ぶのは避けたいところです。
① その会社は何で稼いでいる?
まず確認したいのが事業内容です。
「半導体関連」という言葉だけで判断するのではなく、
- 製造装置
- テスト装置
- 精密加工
- 検査・計測
- 半導体材料
など、どの工程に関わっている企業なのかを確認しましょう。
個別株そのものの選び方については、**「日本株の選び方を初心者向けに解説」**もあわせて読むと理解しやすくなります。
② 半導体市場が成長しても、すべての企業が同じように成長するわけではない
ここは重要です。
半導体市場全体が拡大したとしても、個別企業の業績が同じように伸びるとは限りません。
競争環境、製品シェア、設備投資、為替、顧客企業の動向など、さまざまな要因によって業績は変化します。
そのため、
「半導体市場が伸びる=この株も上がる」
とは考えないようにしましょう。
③ 株価が割高になっていないか確認する
成長性の高い企業は投資家から人気を集めやすくなります。
その結果、企業の将来成長に対する期待が株価へ大きく織り込まれていることがあります。
PERやPBRなどの指標だけで判断する必要はありませんが、現在の株価が企業の業績や成長期待に対してどの程度評価されているのかは確認しておきたいところです。
④ 配当だけで選ばない
半導体株を選ぶ場合、配当利回りだけを見るのもおすすめできません。
成長投資を優先する企業もあるため、
「配当利回りが高い=優良銘柄」
とは限りません。
NISAで長期保有を考えるなら、配当だけでなく、売上や利益の成長性、競争力なども確認しましょう。
高配当株にも興味がある方は、**「高配当株おすすめ5選」**もチェックしてみてください。
⑤ 1つの業種に集中しすぎない
半導体株には成長性が期待できる一方、業界の設備投資や景気、為替などの影響を受ける可能性があります。
そのため、NISAの資金を半導体株だけに集中させるのではなく、異なる業種や資産を組み合わせる考え方もあります。
金融庁も資産形成において「長期・積立・分散」の考え方を紹介しています。
「どの半導体株を買うか」だけではなく、「ポートフォリオの中で半導体株をどれくらい持つか」まで考えることが大切です。
結局、どの半導体株がいい?
今回紹介した5銘柄は、それぞれ得意分野が違います。
半導体製造装置なら東京エレクトロン
半導体テストならアドバンテスト
精密加工ならディスコ
検査・計測ならレーザーテック
半導体材料なら信越化学工業
というように、自分がどの分野の成長に期待するのかによって候補は変わります。
ただし、この記事だけで「この銘柄を買えばいい」と判断するのはおすすめしません。
実際に購入する場合は、最新の決算や株価、PER、PBR、配当、業績予想などを確認し、現在の株価が企業の成長期待に対して割高ではないかをチェックしましょう。
また、NISAの成長投資枠で購入する場合は、実際にその銘柄が対象になっているかを購入前に確認することも忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は、NISAで長期保有を検討する際の候補として、代表的な半導体関連株を5銘柄紹介しました。
- 東京エレクトロン
- アドバンテスト
- ディスコ
- レーザーテック
- 信越化学工業
半導体業界はAI、データセンター、自動車、通信など幅広い分野と関係しており、今後の成長を考えるうえで注目されるテーマの一つです。
一方で、半導体関連株は企業によって事業内容が大きく異なり、株価も大きく変動する可能性があります。
そのため、
「成長性」だけでなく「業績」「株価水準」「リスク」まで含めて比較すること
が大切です。
NISAを活用する場合も、一つの業種に資金を集中させるのではなく、複数の業種や資産を組み合わせ、ポートフォリオ全体のバランスを考えていきましょう。
そして、半導体株だけでなく、通信・エネルギー・銀行・商社などにも目を向けることで、自分に合った投資先を探しやすくなります。
次回は、半導体株とは違った特徴を持つ**「通信株」**を比較していきます。
「安定性や配当を重視するなら、通信株ではどの企業が候補になるのか?」
という視点から、NISAでの長期投資との相性を見ていきます。


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