「日本株を買ってみたいけど、何を見て銘柄を選べばいい?」
「PERやPBR、ROEって聞くけど、結局どう使うの?」
「有名な会社だから買う、ではダメなの?」
日本株への投資を始めると、こんな疑問が出てきます。
個別株を選ぶときに大切なのは、会社の名前や株価だけで判断しないことです。
売上や利益は伸びているのか。
利益を効率よく生み出せているのか。
株価は割高になっていないのか。
配当は無理なく出せているのか。
こうした情報を確認するのが「銘柄分析」です。
この記事では、日本株初心者がまず覚えておきたい、
- 売上高
- 営業利益
- EPS
- PER
- PBR
- ROE
- 配当
という7つの指標を中心に、実際にどんな順番で銘柄を見ればいいのかを分かりやすく解説します。
結論|銘柄分析は「数字の大きさ」より「変化」を見る
最初に結論です。
日本株の銘柄分析では、数字を一つだけ見て判断するのではなく、
①会社を知る
↓
②売上・利益を見る
↓
③EPSを見る
↓
④PER・PBRを見る
↓
⑤ROE・財務を見る
↓
⑥配当を見る
↓
⑦株価と将来性を考える
という流れで確認すると分かりやすくなります。
特に重要なのが、
「今の数字」だけではなく「過去からどう変化しているか」
を見ることです。
例えばPERが10倍でも、利益が減少している会社なら「安い」とは限りません。
逆にPERが25倍でも、利益が大きく成長している会社なら、市場が将来の成長を期待している可能性があります。
つまり、
良い会社かどうか
だけでなく、
その会社の価値に対して、現在の株価がどう評価されているのか
まで考えるのが銘柄分析です。
そもそも「銘柄分析」とは?
銘柄分析とは簡単に言えば、
「この会社はどんな会社で、どれくらい稼いでいて、株価は割高なのか?」
を調べることです。
例えば、
「トヨタだから有名だし買ってみよう」
ではなく、
- 売上は伸びている?
- 利益は増えている?
- EPSはどうなっている?
- PERは高い?
- PBRは?
- ROEは?
- 配当は安定している?
- 財務に問題はない?
- 今後も成長できそう?
というように、会社の中身を確認します。
個別株投資では、企業の業績・財務・株価水準などを複数の角度から見ることが重要です。
初心者がまず見る7つの指標
まずは、この7つを覚えておけばOKです。
| 指標 | 何が分かる? |
|---|---|
| 売上高 | 会社の事業規模 |
| 営業利益 | 本業でどれだけ稼いでいるか |
| EPS | 1株あたりどれだけ利益を生み出しているか |
| PER | 利益に対して株価が何倍か |
| PBR | 純資産に対して株価が何倍か |
| ROE | 自己資本をどれだけ効率よく使っているか |
| 配当 | 株主にどれだけ利益を還元しているか |
全部を最初から完璧に理解する必要はありません。
まずは、
「こういう数字を見るんだ」
くらいから始めれば大丈夫です。
① 売上高を見る
まず確認したいのが、
売上高
です。
売上高は、会社が商品やサービスを提供して得た売上の規模を表します。
例えば、
2024年:1兆円
↓
2025年:1.1兆円
↓
2026年:1.2兆円
となっていれば、売上は継続的に増えています。
これは企業の成長を見るうえで一つの材料になります。
ただし「売上が増えればOK」ではない
ここは初心者が注意したいポイントです。
売上が増えていても、
利益が増えているとは限りません。
例えば、
売上高
1,000億円 → 1,200億円
になった一方で、
営業利益
100億円 → 80億円
となっているかもしれません。
この場合、
「売上は増えたけど、利益を残す力は低下している」
可能性があります。
だから次に、
営業利益
を確認します。
② 営業利益を見る
営業利益は、
本業でどれくらい利益を稼いでいるか
を見るための重要な指標です。
例えば、
売上高1,000億円
営業利益100億円
なら、
営業利益率は10%
です。
計算式は、
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
です。
営業利益は「増えているか」も見る
例えば、
2024年:80億円
↓
2025年:100億円
↓
2026年:120億円
と増えていれば、利益が成長している可能性があります。
さらに、
売上高も増えている
+
営業利益も増えている
なら、企業の成長を見るうえで良い材料になります。
一方で、
売上高は増えている
↓
営業利益は減っている
という場合は、
「なぜ利益が減ったのか?」
を調べる必要があります。
③ EPSを見る
次は、
EPS
です。
EPSは「1株当たり利益」のことです。
会社全体の利益ではなく、
1株あたりどれくらいの利益を生み出しているか
を見る指標です。
基本的な考え方は、
EPS = 1株当たり利益
です。
例えばEPSが100円なら、1株あたり100円の利益を生み出していることになります。
EPSは「増えているか」を見る
例えば、
100円
↓
110円
↓
125円
↓
140円
と増えていれば、1株あたりの利益が成長していると考える材料になります。
ただし、株式分割や自社株買いなどでもEPSは変化します。
そのため、
EPSの数字だけで判断しない
ことが大切です。
④ PERを見る
ここから少し難しくなります。
でも、仕組みを理解すれば大丈夫です。
PERは、
株価が1株あたり利益の何倍まで評価されているか
を見る指標です。
計算式は、
PER = 株価 ÷ EPS
です。
例えば、
株価2,000円
EPS100円
なら、
PERは20倍です。
PERが高い=悪い会社?
これは違います。
PERが高い場合、
市場がその会社の将来の成長を期待している
可能性があります。
一方でPERが低い場合は、
利益に対して株価が低く評価されている
可能性があります。
ただし、
PERが低い=必ず割安
ではありません。
例えば、
「今後業績が悪化するかもしれない」
と市場が考えているため、株価が低くなっている可能性もあります。
PERは「同業他社」や「過去」と比較する
PERを見るときは、数字だけを見ないことが大切です。
例えば、
A社:PER10倍
B社:PER25倍
だったとしても、
A社のほうが必ず割安とは限りません。
業種によってPERの水準は違いますし、成長率や利益率、財務状況なども異なるからです。
そのため、
同じ業種の会社と比較する
ことが重要です。
さらに、
その会社の過去のPERと比較する
方法もあります。
⑤ PBRを見る
次は、
PBR
です。
PBRは、
株価が1株あたり純資産の何倍で評価されているか
を見る指標です。
計算式は、
PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産
です。
PBRを見ることで、
「会社が持っている純資産に対して、株価がどの程度評価されているのか」
を確認できます。
PBR1倍なら割安?
ここも注意が必要です。
PBR1倍は一つの目安として使われますが、
PBR1倍以下=必ずお買い得
というわけではありません。
会社がたくさんの資産を持っていても、その資産を使って十分な利益を生み出せていなければ、市場から低く評価されることがあります。
そのためPBRを見るときは、
PBR+ROE+利益成長
などをセットで考えることが大切です。
⑥ ROEを見る
ROEは、
自己資本利益率
です。
簡単に言えば、
株主から預かった自己資本を使って、どれくらい効率よく利益を生み出しているか
を見る指標です。
一般的な計算式は、
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
です。
ROEが高ければ、自己資本を効率よく使って利益を生み出している可能性があります。
ROEが高ければ必ず良い?
これも「必ず」ではありません。
例えば、
借入金が多い
↓
自己資本が小さくなる
↓
ROEが高く見える
というケースもあります。
そのため、
ROEだけを見るのではなく、自己資本比率や有利子負債なども確認する
ことが重要です。
⑦ 配当を見る
最後は、
配当
です。
高配当株を探している人にとっては特に重要な指標です。
配当利回りとは?
配当利回りは、
株価に対して年間配当がどれくらいあるか
を見る数字です。
例えば、
株価1,000円
年間配当50円
なら、
配当利回りは5%です。
ただし、配当利回りは株価が下がるだけでも高く見えることがあります。
そのため、
「利回りが高いから買い」
と単純に考えるのは危険です。
配当性向も確認しよう
配当性向は、
会社が稼いだ利益のうち、どれくらいを配当に回しているか
を見る指標です。
例えば、
利益100億円
配当30億円
なら、
配当性向は30%です。
配当を見るときは、
- 配当利回り
- 配当性向
- 過去の配当推移
- 業績
- キャッシュフロー
などを合わせて確認しましょう。
高配当株について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
👉NISAで高配当株を選ぶなら?長期保有したい日本株5選を比較
「今の数字」より「数字の変化」を見る
銘柄分析で特に覚えておきたいのが、
数字の大きさだけではなく、変化を見る
ということです。
例えば、
売上高
→ 増加
営業利益
→ 増加
EPS
→ 増加
ROE
→ 改善
配当
→ 増加
となっていれば、
企業の収益力が改善している可能性があります。
反対に、
売上高
→ 増加
営業利益
→ 減少
EPS
→ 減少
となっていれば、
「売上は増えているのに、利益につながっていないのでは?」
と考えるきっかけになります。
このように、
数字の現在地+過去からの変化
を見ることが大切です。
「良い会社」と「良い株」は違う
これは個別株投資でかなり重要なポイントです。
例えば、
ものすごく優秀な会社
でも、
すでに株価が高く評価されているなら、
「良い会社=今買えば必ず良い投資になる」
とは限りません。
逆に、
業績が改善しているのに、まだ株価に十分反映されていない企業もあります。
だからこそ、
企業分析+株価分析
の両方が必要です。
PERだけで買わない
初心者がやりやすい失敗が、
「PERが10倍だから安い!」
という判断です。
しかしPERが低い理由が、
業績悪化への懸念
かもしれません。
例えば、
「来年は利益が大幅に減るかもしれない」
と市場が考えているなら、PERが低くても不思議ではありません。
だから、
PERを見る
↓
なぜこのPERなのか考える
という習慣をつけましょう。
PBRだけでも買わない
PBRも同じです。
「PBR0.8倍だからお買い得!」
とは限りません。
会社が多くの資産を持っていても、
その資産を使って十分な利益を生み出せていない
可能性があります。
PBRを見るときは、
PBR+ROE+利益成長
をセットで確認しましょう。
ROEだけでも買わない
ROEが高い会社も魅力的に見えます。
しかし、
借入金が多い
↓
自己資本が小さい
↓
ROEが高く見える
という場合もあります。
そのため、
- ROE
- 自己資本比率
- 有利子負債
- キャッシュフロー
なども合わせて確認すると、企業の状態をより理解しやすくなります。
初心者が銘柄分析するときの順番
最初から全部調べる必要はありません。
おすすめはこの順番です。
STEP1|どんな会社なのか確認
まずは会社の事業内容を確認します。
「何を売っている会社なのか?」
「どんな市場で事業をしているのか?」
を理解しましょう。
↓
STEP2|売上・利益を見る
売上高や営業利益を確認します。
過去数年間で、
増えているのか、減っているのか
を見ます。
↓
STEP3|EPSを見る
1株あたり利益がどう変化しているか確認します。
↓
STEP4|PER・PBRを見る
現在の株価が、利益や純資産に対してどの程度評価されているかを確認します。
↓
STEP5|ROE・財務を見る
ROEだけでなく、
- 自己資本比率
- 有利子負債
- キャッシュフロー
なども確認します。
↓
STEP6|配当を見る
配当利回りだけでなく、
- 配当性向
- 配当の推移
- 業績
も確認します。
↓
STEP7|最後に株価と将来性を考える
最後に、
「この会社の将来性に対して、今の株価はどうなのか?」
を考えます。
この順番なら、
「株価が安そうだから買う」
という判断になりにくくなります。
実際の企業で銘柄分析をやってみよう
ここまで読んだら、実際の企業を分析してみるのがおすすめです。
例えばトヨタ自動車については、
- 営業利益率
- EPS
- ROE
- PER
- PBR
- 配当
- 自己株式取得
- 為替
- 自動車市場
などを確認しながら分析しています。
👉【初心者向け】トヨタの株を分析してみた|PER・PBR・ROE・配当から見る日本株
こうした個別企業の記事を読みながら、
「売上はどうなっている?」
「利益は増えている?」
「PERはどう評価されている?」
と実際に数字を追っていくと、銘柄分析の感覚がつかみやすくなります。
成長株を分析するときは何を見る?
成長株を探す場合は、
- 売上成長率
- 利益成長率
- 営業利益率
- EPS成長
- ROE
- 市場の成長性
- 競争力
- PERなどの株価水準
などを確認します。
例えば、
「AI」
「半導体」
「防衛」
「データセンター」
などのテーマが注目されていても、
その市場が成長する=その企業の株価が必ず上がる
わけではありません。
重要なのは、
「その成長市場から、その会社がどれだけ利益を得られるのか?」
です。
成長株について詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
👉NISAで成長株を選ぶなら?これからの成長に期待したい日本株5選
NISAで日本株を買う場合も銘柄分析は必要
NISAを利用すると、NISA口座で購入した金融商品から得られる売却益や配当・分配金が非課税になるメリットがあります。
現在のNISAでは、
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
を併用できます。
成長投資枠では上場株式などへの投資が可能です。非課税保有期間は無期限です。
ただし、
NISAだから損をしない
わけではありません。
株価が下落すれば、NISA口座で保有している株も値下がりします。
NISAは、
投資の利益に対する税制上のメリットを提供する制度
であって、
企業の成長や株価上昇を保証する制度ではありません。
だからこそ、NISAで日本株を買う場合でも、
「なぜこの会社に投資するのか?」
を考えることが大切です。
NISAで長期保有する日本株を探している方はこちらも参考にしてください。
👉NISAで長期保有したい日本株5選|注目企業を比較してみた
銘柄分析に証券会社の情報機能を活用する
企業の決算資料を一から探して分析するのは、初心者には少し大変です。
そこで便利なのが、証券会社などが提供している銘柄情報です。
例えば松井証券のマーケット情報では、銘柄ごとにEPS、PER、PBR、ROE、自己資本比率、有利子負債などを確認できます。
ただし、
証券会社の画面だけで投資判断を完結させる必要はありません。
最終的には、
- 企業の公式IR
- 決算短信
- 決算説明資料
- 中期経営計画
- 最新の業績予想
なども確認しましょう。
大切なのは、
「この数字になっている理由」
を理解することです。
日本株を実際に購入するなら証券会社も比較しよう
銘柄分析をして、
「この会社の株を買ってみたい」
と思ったら、証券口座が必要になります。
証券会社を選ぶときは、
- 日本株の手数料
- NISAへの対応
- 取扱商品
- 銘柄情報
- 分析ツール
- アプリの使いやすさ
などを比較しましょう。
例えばDMM株では、NISAの国内株式取引に対応しており、公式サイトではNISAの国内株式・米国株式の取引手数料が無料と案内されています。
👉日本株も米国株もNISAも!ポイントを貯めながらアプリで取引!【DMM 株】
また、松井証券では銘柄ごとのPER・PBR・ROEなどを確認できるマーケット情報も提供されています。
銘柄分析をしながら日本株を探したい人は、こうした情報機能も証券会社選びの一つのポイントになります。
👉株式、先物、投資信託など豊富な投資サービスを取り扱う老舗ネット証券【松井証券】
※手数料やサービス内容は変更される可能性があるため、口座開設前に各証券会社の公式情報をご確認ください。
銘柄分析で一番大切なのは「理由」
ここまで7つの指標を紹介しました。
でも、数字を覚えること自体が目的ではありません。
例えば、
「売上が伸びている」
「営業利益も増えている」
「EPSも伸びている」
「ROEも高い」
という会社があれば、
「なぜこの会社は成長しているんだろう?」
と考えてみます。
逆に、
「PERが低い」
という会社なら、
「なぜ市場はこの会社を低く評価しているんだろう?」
と考えます。
この「なぜ?」を調べることが銘柄分析の本当の目的です。
まとめ|銘柄分析は「数字を見る→理由を考える」
日本株の銘柄分析では、まず次の7つを確認してみましょう。
- 売上高
- 営業利益
- EPS
- PER
- PBR
- ROE
- 配当
ただし、
一つの数字だけで投資判断をしない
ことが重要です。
「PERが低いから買う」
「PBRが1倍以下だから買う」
「ROEが高いから買う」
「配当利回りが高いから買う」
という単純な判断ではなく、
業績・財務・株価・配当・将来性をまとめて考える
ようにしましょう。
初心者なら、まずは、
①この会社は何をしている?
↓
②売上と利益は伸びている?
↓
③EPSはどうなっている?
↓
④PER・PBRはどう?
↓
⑤ROEや財務は大丈夫?
↓
⑥配当は無理なく出せている?
↓
⑦今の株価は将来性を織り込んでいない?
という順番で見ていけばOKです。
最初から全部理解する必要はありません。
少しずつ数字に慣れていけば、
「なんとなく有名だから買う」
から、
「この会社にはこういう強みがあり、この数字を見て投資を検討している」
という判断に変わっていきます。
それが、個別株投資の大きな一歩です🌱
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※この記事は特定の銘柄や証券会社の購入・利用を推奨するものではありません。株式投資には元本割れの可能性があります。PER・PBR・ROE・株価・配当などは変動するため、投資を検討する際は最新の決算資料、IR情報、証券会社の公式情報などを確認し、ご自身の判断で投資を行ってください。


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