【2026年10月17日時点】eWeLL(5038)の株を分析|訪問看護DXの成長性・業績・PER・配当・リスク

eWeLL(5038)の訪問看護DX事業と成長性、株価・配当・リスクを解説する記事のアイキャッチ。 日本株

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訪問看護をITで支える「eWeLL(イーウェル)」をご存じでしょうか。

訪問看護向け電子カルテ「iBow」を軸に、記録や情報共有、請求業務、AIを使った書類作成などを支援する会社です。訪問看護専用電子カルテ「iBow」

私の見方は、契約数の拡大と追加サービスの販売を追いかけたい成長企業。ただし、利益率の変化と株価に織り込まれた期待を確認して判断したい銘柄です。

2026年12月期上期は増収増益でした。一方で、利益率は前年同期から低下しています。「訪問看護の需要がある」「AIを使っている」という理由だけで投資判断を終わらせず、事業・決算・株価を順番に整理してみましょう。

情報確認日:2026年10月17日。株価は直近営業日である10月16日の東証終値を使用。業績は2026年8月14日公表の中間決算を中心に、実績・会社予想・筆者の考察を区別しています。TikTok画像は10月15日時点のため、ブログの株価基準日とは異なります。

eWeLLは何をしている会社?

項目内容
会社名株式会社eWeLL(イーウェル)
証券コード5038
上場市場東証グロース
決算期12月
主な顧客訪問看護ステーション
中心サービス訪問看護向け電子カルテ「iBow」

eWeLLは、訪問看護の現場にシステムや業務支援サービスを提供しています。現場の看護師が使う電子カルテから、請求・事務作業の支援へとサービスを広げています。

訪問看護では、利用者の自宅でケアを行うほか、日々の記録、関係者との情報共有、計画書や報告書の作成なども必要です。こうした仕事を支える仕組みが、サービスの土台になっています。

サービスの種類主な役割
iBow訪問看護の記録や情報共有を支援する電子カルテ
iBowレセプト医療・介護保険に関わる請求業務を支援
AI関連サービス計画書・報告書の作成や訪問予定・ルートづくりを支援
BPaaS自社システムと連携した事務管理代行などの業務支援

BPaaSは少し難しい言葉ですが、ここでは「システムに加えて、事務業務も支援するサービス」と考えると理解しやすいでしょう。訪問看護専用電子カルテ「iBow」

成長株として注目する理由

① 現場の継続的な仕事に関わるサービス

電子カルテや請求業務は、日々の運営に関わります。導入後も使い続けてもらえれば、継続的な収益につながります。

筆者としては、サービスの価値が一時的な話題だけに左右されにくい点に注目しています。ただし、継続課金の仕組みがあっても、競合への切り替えや顧客の閉鎖による解約は発生します。

投資家が確認したいのは、「導入先が増えたか」に加え、「継続利用されているか」「利用先の経営状況はどうか」です。

② 新規契約と追加サービスの両方で成長を狙える

成長の道筋は、大きく2つあります。

成長の方向具体例確認したい数字
顧客を増やす新しいステーションと契約する契約数・稼働数・新規獲得数
顧客への提供価値を増やす既存顧客にAIや事務支援も使ってもらう顧客単価・サービス利用状況・NRR

既存の顧客基盤があるため、新サービスを提案する接点を持っていることは強みと考えます。一方で、機能が増えても顧客が料金に見合う価値を感じなければ、売上にはつながりません。

③ 高い利益率を、どこまで維持できるか

上期の営業利益率は47.5%でした。売上高100円に対して、営業利益が約47.5円残る計算です。

ただし、これは会社全体の上期実績であり、サービスすべての利益率を示す数字ではありません。開発、サポート、業務代行、人材採用に必要な費用も含めて見ていく必要があります。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

2026年12月期上期の決算を確認

対象期間は2026年1月1日〜6月30日、非連結の累計実績です。

項目2025年上期2026年上期前年同期比
売上高16.03億円19.91億円+24.2%
営業利益7.88億円9.46億円+20.1%
経常利益7.91億円9.53億円+20.4%
中間純利益5.48億円6.63億円+21.1%
営業利益率49.2%47.5%低下

※金額は短信冒頭の百万円表示を億円に換算。利益率は会社説明資料の表示値です。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

売上も利益も前年同期を上回っています。ただし、売上の伸び率より営業利益の伸び率が低く、利益率は低下しました。

「増益」と「利益率の改善」は別の話です。

売上拡大によって利益額が増えていても、費用がそれ以上のペースで増えれば、利益率は下がります。

会社説明では、AIサービスの開発や無償提供に伴う先行コストにも言及しています。今後は、追加サービスの有料利用が広がり、費用に見合う売上を生み出せるかを確認したいところです。ログミーファイナンス

契約数だけでなく、稼働数と顧客単価も見る

2026年6月末のiBow契約ステーション数は3,736件で、前年同期比13.7%増でした。

指標数値対象・注意点
iBow契約ステーション数3,736件2026年6月末
iBow稼働ステーション数3,583件同月末、実際にサービス利用中の数
月間平均顧客単価9万900円2026年4〜6月、会社定義による
顧客単価の前年同期比+5.2%同四半期の比較
クラウドサービスNRR108.0%2025年6月と2026年6月の比較

契約数には、利用開始前の準備段階のステーションも含まれます。 3,736件すべてが、その時点で稼働しているわけではありません。

顧客単価は、継続的な月間収益を稼働ステーション数で割った会社の管理指標です。「iBowの基本料金が一律9万900円」という意味ではありません。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

NRR108%はどういう意味?

NRRは、前年からの既存顧客群が生む継続収益の維持・拡大を確認する指標です。

今回は、2025年6月に売上計上があった法人を対象に、2026年6月のクラウド継続収益を比べています。解約や追加利用、同じ法人のステーション追加などを含みます。

108.0%は、対象顧客群からの収益が前年の108%になったことを示します。全顧客の売上成長率や、契約の継続率そのものではありません。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

会社が示す2026年4〜6月のレベニューチャーンレートは0.20%ですが、こちらは収益ベースの解約指標です。

同期間に契約の解約も発生しているため、「顧客の99.8%が必ず残る」と読み替えないようにしましょう。ログミーファイナンス

次の成長材料はAIと顧客支援の広がり

AI訪問予定・ルートは2026年7月から課金開始

会社資料によると、AI訪問予定ルートは7月に246件で課金を開始し、契約累計は273件とされています。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

注目したいのは、話題性よりも利用の定着です。

予定づくりの負担軽減が顧客に評価され、料金を払って使い続けてもらえるか。そこから顧客単価や利益につながるかを見ていきたいと考えています。

なお、これは訪問予定や業務を支えるAIサービスであり、医療上の判断を自動で代替するものとして評価する話ではありません。

無料求人サイト「カエドキ」はどう見る?

2026年10月6日、会社は訪問看護ステーション専用求人サイト「カエドキ」の提供開始を発表しました。

求人掲載から採用まで、事業所・求職者とも利用料0円としています。株式会社eWeLL

そのため、利用が増えた分だけ求人掲載料が直接積み上がる、と考えるのは適切ではありません。

筆者は、採用面でも顧客を支援することで、顧客との接点やサービス全体の価値を高める可能性があると見ています。

ただし、それがiBowの新規契約や解約抑制、利益の増加にどれだけ結びつくかは、今後の確認事項です。

通期会社予想と中期計画

2026年12月期の会社予想

項目通期会社予想前期比
売上高42.77億円+26.1%
営業利益19.27億円+25.4%
経常利益19.37億円+25.3%
当期純利益13.29億円+22.2%
1株当たり利益(EPS)87.18円中間決算短信記載値

中間決算時点で通期予想は据え置きでした。上期の進捗率は、売上高46.6%、営業利益49.1%です。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

半年を経過して利益進捗が約半分というだけで、上方修正が確実とはいえません。

下期の課金効果と、人件費・開発費などの両方を確認する必要があります。

中期計画は達成状況を確認する目安

会社の中期計画では、2028年12月期に売上高61.49億円、営業利益27.85億円を目指しています。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

これらは会社の目標であり、確定した業績ではありません。

計画を評価する際は、契約数や顧客単価が実際に伸びているか、利益率が維持されているかと結びつけて考えたいところです。

株価・PER・PBR・ROE・配当を確認

2026年10月16日の東証終値は2,325円。通常の100株単位なら、購入代金は23万2,500円です。手数料等は別途考慮します。Yahoo!ファイナンス

指標数値基準・計算方法
株価2,325円2026年10月16日東証終値
時価総額約355.07億円同日、発行済株式数ベース
予想PER約26.67倍株価÷中間短信記載の予想EPS87.18円
実績BPS約233.77円2026年6月末自己資本÷自己株式を除く期末株式数
PBR約9.95倍株価÷上記BPS
ROE37.6%2025年12月期通期実績
自己資本比率81.4%2026年6月末実績
年間予想配当21円2026年12月期会社予想
予想配当利回り約0.90%21円÷2,325円

※市場価格の基準日はそろえ、財務数値は各期の公表実績を明示しています。ROEは過去の通期実績、EPS・配当は将来予想です。PER・BPS・PBR・利回りは記載した数値から筆者が計算しています。Yahoo!ファイナンス

※本記事のPERは会社短信のEPSを固定して計算しています。株価サイトではEPS87.61円・PER26.54倍などの表示もありますが、計算条件によって差が出るため、混在させていません。

※BPSは自己資本35億3,712万6,000円÷(発行済15,271,802株−自己株式140,942株)で算出しています。Yahoo!ファイナンス

PER約26.7倍をどう考える?

筆者としては、継続的な利益成長への期待を含む価格と考えます。

ただし、PERに一律の適正値はありません。成長の持続性や競争力、金利環境などでも市場の評価は変わります。

例えば、将来のEPSが20%増えても、市場が付けるPERが26.67倍から20倍へ下がれば、理論上の株価は下がり得ます。

今回のEPS87.18円を出発点にすると、20%増は約104.62円。そのEPSにPER20倍を掛けた値は約2,092円です。

これは予測や目標株価ではなく、「利益が増えても株価が下がることがある」と理解するための仮定の計算です。

PBR約9.95倍・ROE37.6%の読み方

PBRを見ると、純資産に対して高い評価が付いています。一方、ROEは自己資本からどれだけ利益を生んだかを示し、2025年通期は高い水準でした。

ソフトウェア企業では、開発力や顧客基盤などの価値が純資産だけでは捉えにくい面があります。

それでも、高PBRを無条件に正当化できるわけではありません。今後も利益を生み続けられるかが重要です。

各指標の意味から確認したい方は、**日本株の銘柄分析で見るPER・PBR・ROEなど7つの指標**も参考にしてください。

財務とキャッシュフローにも注意を向けたい

2026年6月末の自己資本比率は81.4%で、現金及び現金同等物は約28.12億円です。

上期の営業キャッシュフローは約5.32億円のプラス。前年同期も約5.31億円で、利益ほど大きく伸びているわけではありません。

税金の支払いや売掛金の増加などが影響するため、利益と現金の動きは分けて確認します。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

投資キャッシュフロー約マイナス0.34億円と合わせると、単純合計は約プラス4.98億円でした。

これは筆者が計算した値で、会社が独自に定義・公表するフリーキャッシュフローではありません。

上期は自己株式取得や配当による支出もありました。現金残高が減ったという事実だけで事業悪化と決めつけず、使途を確認することが大切です。finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp

投資前に確認したい5つのリスク

リスク確認したいこと
株価評価の低下業績が伸びても、市場の期待が後退すると株価は下がり得る
競争・顧客の閉鎖他社への切り替えやステーション閉鎖が契約数に与える影響
開発費・人件費売上の拡大に対して利益率を維持できるか
医療・介護制度顧客の収益環境やシステム対応費用への影響
情報管理・システム品質障害、情報漏えい、AI出力の品質に関わる対応と信頼

これらは今後起こり得るリスクとして整理したもので、個別の不祥事や障害が発生したと指摘するものではありません。

特に注意したいのは、新サービスの先行費用が増えた一方で、有料利用が想定ほど伸びないケースです。

売上成長だけでなく、サービスの定着と収益性を合わせて確認したいと考えています。

会社員が投資候補にするなら、どう見る?

筆者は、配当収入を主目的にするより、利益成長とその持続性を評価する銘柄として考えます。

予想利回り約0.90%のため、配当だけで値下がりを十分に補えると考えるのは難しいでしょう。

また、100株なら約23万円という金額です。生活費や近い将来の支出に必要なお金を分けたうえで、個別株が資産全体に占める割合を考える必要があります。

次の決算で見る項目確認する理由
契約数と稼働数契約が実際の利用につながっているか
顧客単価とNRR追加サービスが継続収益に貢献しているか
AIの有料利用課金開始後の定着が進んでいるか
営業利益率先行投資を吸収できているか
営業キャッシュフロー利益が現金の獲得につながっているか
通期予想と会社説明成長の見通しや前提に変化がないか

確認する項目を先に決めておくと、株価の上げ下げだけに判断を振り回されにくくなります。

日本株を調べるための証券口座を比較したい方は、**松井証券のサービス・取引条件を確認する**こともできます。

口座を作ることと、すぐにこの銘柄を買うことは分けて考え、手数料や利用できるサービスは公式案内で確認してください。

eWeLLを評価するときの軸

eWeLLでは、訪問看護の現場を支えるサービスが、契約拡大や追加利用につながっています。上期は増収増益を確保し、利益率や財務にも注目できる数字があります。

一方で、株価には将来の成長への期待も含まれます。利益率の低下や競争、先行投資の回収を見ずに、成長テーマだけで判断することは避けたいところです。

私は、契約数・稼働数・顧客単価が伸び、その成果が利益と現金に表れているかを確かめながら、投資候補として追いたいと考えています。

企業としての魅力を理解したうえで、その成長に対していくら払うかを考える。eWeLLも、この2つをセットで確認していきましょう。

※本記事は情報提供を目的とするもので、特定銘柄の売買を推奨しません。会社予想や中期計画は将来の実現を保証するものではありません。投資判断は最新の開示とご自身の資金計画を確認して行ってください。

主な参考資料

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