住宅ローンは変動金利と固定金利どっちがいい?家計に合う選び方と返済額の違いを解説

住宅ローンは変動金利と固定金利どっちがいい?家計に合う選び方と返済額の違いを解説 金利

※情報の確認日:2026年10月19日。金利・金額の試算は仕組みを説明するための仮定で、実際の金融機関の提示条件や将来予測ではありません。契約条件は金融機関・商品・契約時期によって異なります。

「金利が低い変動にしたいけれど、上がったら不安」
「固定なら安心? 今から切り替えた方がいい?」

住宅ローンは金額が大きく、何十年も家計に関わる支出です。金利が少し違うだけでも、返済負担には差が出ます。

結論からいうと、変動金利と固定金利のどちらが有利かは、今後の金利だけでは決まりません。毎月の余裕、手元の貯蓄、教育費や退職の時期を踏まえ、無理なく返せる組み合わせを選ぶことが大切です。

この記事では、これから借りる人と返済中の人に向けて、仕組み・試算・見直しの順番を詳しく解説します。

1.最初に確認したい、住宅ローンの3つの金利タイプ

固定金利には「全期間固定」と「固定期間選択型」があります。この2つを分けて考えましょう。

金利タイプ金利が決まる期間主な特徴確認したい点
変動金利型契約に基づき定期的に見直し適用金利の変化で利息負担が変わる金利・返済額の見直し時期
全期間固定金利型原則、借入から完済まで借入時に将来の金利条件が決まる当初優遇終了後も含めた返済予定
固定期間選択型3年・5年・10年など一定期間固定期間終了後に金利条件を見直す終了後の金利・優遇幅・選択手続き

※全期間固定でも、当初の一定期間だけ金利を引き下げる商品などがあります。その場合も、借入時に決まった条件に沿って金利や返済額が段階的に変わります。

「固定」という言葉だけで判断せず、いつまで・どの条件が固定されるのかを確認してください。

金利の基本から確認したい人はこちら。
👉日銀の政策金利と、銀行の預金・ローン金利の違いを読む

2.変動金利は、今の返済額に加えて「上がった場合」も考える

変動金利は、適用金利が見直されるタイプです。同じ時期・条件で比べると固定より当初金利が低く設定される傾向がありますが、必ずそうなるとは限りません。

適用金利が下がれば利息負担が減り、上がれば利息負担が増えます。ただし、金利が変わる時期と、毎月の返済額が変わる時期は別の場合があります。

変動を検討する際は、次の点を確認しましょう。

  • 金利が上がった場合、毎月いくらまで追加負担できるか
  • 失業・病気・収入減に備える現金を残せるか
  • 教育費や車の買い替えなど、大きな支出と重ならないか
  • 金利・返済予定表を定期的に確認できるか

「上がったら何とかする」ではなく、金額で確かめておくことが大切です。

3.全期間固定は、長い返済計画を立てやすい

全期間固定は、借入時に返済期間全体の金利条件が決まるタイプです。

借入後に市場金利が上がっても、そのことを理由に契約済みの金利が上がるわけではありません。教育費が増える時期や、退職後も返済が残る場合など、将来の支出を見通したい家計にとって検討する価値があります。

一方、市場金利が下がっても、契約金利が自動的に下がるわけではありません。当初の返済額が変動より高くなる場合もあります。

固定を選ぶ意味は、結果的な最安値を保証してもらうことではなく、金利上昇による返済の不確実性を小さくすることです。

なお、ローンの金利を固定しても、食費・光熱費・修繕費などは変わります。固定で借りる場合も、家計に余裕を残しましょう。

4.「10年固定」は、30年返済なら残り20年も確認する

30年返済で10年固定を選んだ場合、当初の10年間は金利を固定できます。しかし、残り20年の金利まで同じとは限りません。

固定期間終了時には、次の点を確認する必要があります。

  • 変動へ移るか、再び固定を選べるか
  • 選択の手続きをしない場合、どう扱われるか
  • 当初と終了後で金利の引下げ幅が変わるか
  • 金利タイプ変更の手数料があるか
  • 終了時の返済額に、どのような見直しルールが適用されるか

特に、当初の優遇条件がそのまま続くとは限らない点に注意が必要です。

教育費がかかる期間だけ固定したいなど、目的が明確なら候補になります。ただし、その期間が終わった後の家計まで含めて判断しましょう。

5.3,000万円・30年なら、金利で返済額はどれくらい違う?

まずは金利と返済負担の関係を見てみましょう。

【試算条件】
借入額3,000万円/返済期間30年・360回/元利均等返済/毎月返済のみ/各金利が当初から完済まで一定。手数料・保証料・保険料・税制優遇などは含みません。

仮定の年利毎月返済額30年間の返済総額うち利息
1.0%約96,492円約3,474万円約474万円
1.5%約103,536円約3,727万円約727万円
2.0%約110,886円約3,992万円約992万円
3.0%約126,481円約4,553万円約1,553万円

※月利を年利÷12として計算。月額は円単位、総額は万円単位に四捨五入しています。総額は丸める前の月額を使っており、表示した月額×360回と一致しない場合があります。実際は端数処理や初回・最終回の返済額などで異なります。

年1.0%と年2.0%では、月額で約1万4,394円の差です。

ただし、これは異なる金利で最初から借りた場合の比較です。「変動が途中で1%上がると、この表の金額にそのまま変わる」という意味ではありません。

途中で金利が変わった場合は、その時点の残高・残り期間・契約上の見直しルールを使って計算します。

借入から5年後に金利が上がったら?

次の条件で、別の例を見てみましょう。

  • 当初3,000万円を30年返済・年1.0%で借りる
  • 60回目まで予定どおり返済する
  • その直後に金利が変わり、残り25年で返済額を再計算する
  • 以後はその金利が一定と仮定する
  • 5年ルール・125%ルールは反映せず、残高を完済するために必要な月額を計算する

このとき5年後の残高は約2,560万円です。

5年後からの仮定年利残り25年の毎月返済額当初月額との差
1.0%のまま約96,492円―
2.0%に上昇約108,521円約12,029円増
3.0%に上昇約121,414円約24,922円増

これは予測ではなく、家計の耐久力を確認するための仮定例です。実際の引落額がいつ・いくら変わるかは契約によって異なります。

6.5年ルール・125%ルールで、利息が安くなるわけではない

一部の変動金利・元利均等返済には、返済額の急な増加を抑えるルールがあります。

5年ルール:主に据え置かれるのは「返済額」

返済額を原則5年ごとに見直す仕組みです。金利が変わっても、次の見直しまで引落額が同じことがあります。

ただし、返済額の内訳は変わります。金利が上がれば利息の割合が増え、その分、元金の減り方が遅くなることがあります。

「5年間、金利が変わらない」という意味ではありません。

125%ルール:見直し時の月額に上限を設ける

見直し後の返済額を、従前の返済額の125%以内に抑える仕組みです。

仮に月10万円なら、その見直し時の上限は月12万5,000円となります。ただし、借入時の返済額を基準として永久に125%以内に収まるという意味ではありません。

また、利息や総返済額の上限でもありません。

金利が大きく上がると未払利息が生じる場合があり、契約によっては最終返済日に残った元金や未払利息をまとめて支払う取扱いもあります。自分の契約の最終回の扱いまで確認してください。

すべての住宅ローンにあるルールではない

例えば、SBI新生銀行は5年ルール・125%ルールを採用しないと案内しています。元利均等返済だから必ず付いているわけではありません。

ルールの有無だけで優劣を決めず、金利・返済額の見直し時期と、元金・利息の内訳をセットで確認しましょう。

7.家計に合う金利タイプを選ぶ、3つの確認

ここからは、当サイトが考える家計整理の目安です。特定のタイプを一律に勧めるものではありません。

① 毎月の余裕を「年単位の支出」まで含めて把握する

手取りから食費や光熱費を引いただけでは、家計の余裕を多く見積もりがちです。

固定資産税、火災保険、車検、家電の買い替え、マンションの管理費・修繕積立金や戸建ての修繕費なども考えます。

例えば、仮に今の収支で毎月3万円余る家計でも、年間24万円の支出への積立が必要なら、その準備に月2万円を使います。自由に使える余裕は月1万円です。

この家計では、月1万2,000円の返済増でも赤字になる可能性があります。ボーナスや昇給を確実なものとして組み込まないことも大切です。

② 貯蓄から、近く使うお金を分ける

貯金が300万円あっても、そのうち200万円を近く教育費や車の購入に使う予定なら、返済増への備えに使えるのは残りの部分です。

生活・収入減への備え、使途が決まったお金、返済負担への備えを整理しましょう。必要な現金額は、家族構成や収入の安定性によって変わります。

👉預金の金利と物価の関係、手元資金を持つ意味を確認する

③ 大きな支出と収入減の時期を重ねてみる

教育費が増える年、育休・時短勤務の予定、退職時の年齢とローン残高などを並べてみましょう。

家計の状況・重視すること検討の方向
返済増に対応できる現金と毎月の余裕がある変動も含めて比較する
教育費などと重なる時期の返済を見通したい全期間固定を比較する
一定期間の金利変動を避けたい固定期間選択型と、終了後の条件を確認する
現状でも返済に余裕がほとんどない借入額・物件予算・他の支出を先に見直す

固定を選んでも返済が重すぎれば安心にはつながりません。これから借りる人は、金融機関の「借りられる額」と家庭の「無理なく返せる額」を分けて考えましょう。

8.返済中の人は、いきなり借り換えず比較材料をそろえる

まず返済予定表や銀行アプリで、次の項目を確認してください。

確認する項目見るポイント
現在の適用金利広告の新規向け金利ではなく、自分の契約金利
ローン残高今後、利息がかかる元金
残りの返済期間完済予定年齢と残り回数
返済方法元利均等か、元金均等か
見直しルール金利・返済額がいつ変わるか
固定期間の終了日終了後の優遇条件と手続き
団体信用生命保険現在の保障内容と上乗せ金利

そのうえで、現在の銀行で金利タイプを変更する方法と、別の金融機関への借り換えを比較します。変更できるタイプや時期、手数料は契約によって異なります。

借り換えは「金利差」だけで決めない

借り換えでは、融資手数料、保証料、登記関係の費用、司法書士報酬、現在のローンの完済手数料などを確認します。商品によって必要な費用は違います。

概算の考え方は、次のとおりです。

現在の契約を続けた場合の残りの支払額 − 借り換え後の支払額 − 借り換え諸費用

比較期間や費用の扱いをそろえ、費用を新しい借入額に含めるなら、その分にかかる利息も計算します。

仮に諸費用60万円、毎月の負担減が5,000円なら、単純計算の回収期間は120か月、約10年です。ただし、返済期間・将来金利・残高の差などを無視した目安にすぎません。

また、期間を延ばして月額を下げた場合、利息が増える可能性があります。月額、完済時期、総支払額を一緒に比較しましょう。

団信の保障条件や加入時の告知・審査も確認が必要です。今の保障をそのまま引き継げるとは限りません。

住宅ローン控除も確認する

国税庁は、一定の要件を満たす借り換えでは、住宅ローン控除を引き続き受けられると説明しています。ただし、借り換えによって控除期間が延長されるわけではありません。

諸費用などを含めて借入額が増えると、控除対象の年末残高に調整が必要になる場合もあります。控除を利用中なら、借り換え後の条件も確認してください。

9.よくある疑問

金利が上がってから固定に変えればいい?

必ず有利に切り替えられるとは限りません。固定金利は長期金利の動きなどの影響を受け、変動金利とは異なるタイミングで動くことがあります。切り替える時点の固定金利が、今と同じとも限りません。

切り替えの条件・時期・費用を、余裕があるうちに確認しておきましょう。

繰上返済すれば安心?

残高を減らせば、将来の利息を減らす効果が期待できます。ただし、生活費や教育費まで返済に回すと、急な支出への備えが不足します。

手数料、控除への影響、返済後に残る現金も含めて判断してください。

返済増への備えを、投資で増やしておけばいい?

投資は、必要な時期に値下がりしている可能性があります。近い将来の返済資金を、株式などの期待リターンだけに頼る計画は避けたいところです。

生活と返済に必要なお金を確保し、長期で使わない余裕資金の運用は分けて考えましょう。

10.まとめ|金利予想より、家計が耐えられるかを確かめる

変動金利には金利低下の恩恵を受けられる可能性があり、全期間固定には返済計画を立てやすい特徴があります。固定期間選択型は、期間終了後まで確認することが大切です。

これから借りる人も返済中の人も、まずは次の3つを確認してみてください。

  1. 現在の適用金利・残高・残り期間を把握する
  2. 金利が上がった場合の返済負担を試算する
  3. 教育費や退職後も含め、家計に余裕が残るか確認する

今の金利の低さに加えて、将来も生活を守りながら返せるか。 その視点で、住宅ローンを選び、見直していきましょう。


参考資料

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