「金に投資してみたいけど、まとまったお金が必要なのでは?」
そんな人にとって選択肢の一つになるのが、純金積立です。
純金積立は、毎月など決めた金額や量で金を少しずつ購入していく投資方法です。
金地金を一度に購入する方法と比べて、少額から始めやすく、毎月コツコツ金を購入できるのが特徴です。
前回の記事では、金への投資方法として、金地金・金貨、純金積立、金ETF、金関連の投資信託、金鉱株について紹介しました。
今回はその中でも「純金積立」に絞って、
- 純金積立とは何か
- どのような仕組みなのか
- メリット
- デメリット
- どんな人に向いているのか
- 始める前に確認したいポイント
を初心者向けに分かりやすく解説します。
純金積立とは?
純金積立とは、金を定期的に少しずつ購入していく方法です。
例えば、毎月一定額を設定して、その金額分の金を購入します。
金価格が高いときには購入できる金の量が少なくなり、金価格が安いときには同じ金額でも多くの金を購入できます。
そのため、毎回同じ金額で購入する方法では、購入する金の量が毎回同じになるわけではありません。
ここが、純金積立を理解するうえで重要なポイントです。
純金積立はどうやって金を買うの?
純金積立の基本的な流れはシンプルです。
一般的には、
- 純金積立のサービスを選ぶ
- 積立金額などを設定する
- 指定した方法で資金を用意する
- 定期的に金を購入する
- 購入した金をサービス側で管理する
という流れになります。
ただし、具体的な購入方法や最低金額、手数料、保管方法などはサービスによって異なります。
そのため、申し込み前に利用するサービスの条件を確認することが大切です。
純金積立のメリット
ここからは、純金積立のメリットを見ていきましょう。
① 少額から始めやすい
純金積立の大きなメリットが、一度に大きな金額を用意しなくても始めやすいことです。
金地金をまとまった量購入する場合、ある程度まとまった資金が必要になります。
一方、純金積立なら毎月一定額を設定して、少しずつ金を購入していく方法があります。
そのため、
「いきなり大きな金額を金に投資するのは不安」
という初心者でも検討しやすい方法です。
② 毎月コツコツ購入できる
純金積立では、定期的に金を購入できます。
例えば、
「毎月1万円」
のように購入金額を決めておけば、毎回購入タイミングを自分で判断する必要がありません。
もちろん、積立だから利益が保証されるわけではありません。
金価格が下落すれば、保有している金の評価額も下がります。
それでも、毎月一定額を購入する仕組みは、長期的にコツコツ投資したい人にとって分かりやすい方法です。
③ 金価格が高いときだけ一括購入するのを避けやすい
金を一度に購入すると、その時点の金価格の影響を大きく受けます。
例えば、金価格が高いタイミングでまとまった金額を投資すると、その後に価格が下落した場合、大きな含み損を抱える可能性があります。
純金積立なら、複数のタイミングに分けて購入するため、購入価格を分散させることができます。
このように、購入時期を分散する考え方は、一般的にドルコスト平均法と呼ばれます。
ただし、ドルコスト平均法を使えば必ず利益が出るわけではありません。
金価格が長期間下落すれば、積立を続けていても評価額が下がる可能性があります。
④ 金を資産の一部として持ちやすい
金には、株式や債券とは異なる特徴があります。
ワールド・ゴールド・カウンシルも、金には分散効果や流動性などの特徴があり、長期的なポートフォリオの一部として活用できる資産だとしています。
金そのものの特徴については、以前の記事でも詳しく解説しています。
また、金の価値を支える希少性についてはこちらです。
純金積立は、こうした金を毎月少しずつ保有していく方法の一つです。
純金積立のデメリット
メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解しておきましょう。
① 元本保証ではない
最も重要なのがこれです。
純金積立は元本保証の商品ではありません。
金価格は日々変動するため、購入したときより価格が下がれば、保有している金の評価額も下がります。
田中貴金属も、金・プラチナ・銀について元本保証ではなく、価格変動によって購入価格を下回る場合があると説明しています。
「積立だから安全」
「金だから絶対に損をしない」
ということではありません。
ここは必ず理解しておきましょう。
② 手数料などのコストがかかる
純金積立では、サービスによってさまざまなコストが設定されています。
例えば、
- 購入時の手数料
- 売却時の手数料
- 年会費
- 口座管理料
- 金を引き出す際の手数料
- 購入価格と売却価格の差
などです。
すべてのサービスに同じ手数料がかかるわけではありません。
だからこそ、純金積立を始める前には、**「毎月いくら積み立てるか」だけではなく「どんなコストがかかるのか」**を確認することが大切です。
③ 配当金や利息はない
金そのものは、株式の配当金や預金の利息のような定期的な収入を生みません。
ワールド・ゴールド・カウンシルも、金は定期的なキャッシュフローを生まないことを金の特徴の一つとして説明しています。
純金積立も同じです。
金を積み立てているだけで毎月お金が入ってくるわけではありません。
基本的には、金価格が上昇した場合の値上がり益が利益の中心になります。
④ 金価格が下落する可能性がある
純金積立では、金価格が上昇することだけを考えてはいけません。
金価格は、
- 金利
- 為替
- インフレ
- 地政学的リスク
- 投資家の需要
- 世界経済
など、さまざまな要因によって動きます。
そのため、積立を始めたあとに金価格が下落することもあります。
金価格がなぜ動くのかについては、以前の記事でも解説しています。
また、金利との関係についてはこちらです。
⑤ 短期間で大きな利益を狙う方法ではない
純金積立は、毎月少しずつ金を購入していく方法です。
そのため、
「短期間で大きく儲けたい」
という目的とは相性がよくありません。
金価格が短期間で大きく上昇すれば利益が出る可能性はありますが、逆に大きく下落することもあります。
純金積立を考えるなら、短期的な値動きだけを見るのではなく、長期的に資産の一部として金を保有するという考え方も重要になります。
純金積立と金地金の違い
「純金積立」と「金地金」は、どちらも金に投資する方法ですが、使い方はかなり違います。
純金積立
- 少額から始めやすい
- 定期的に購入できる
- 自分で金を保管する必要がないサービスがある
- 手数料などを確認する必要がある
金地金
- 実物の金を保有できる
- まとまった資金が必要になる場合がある
- 保管方法を考える必要がある
- 購入・売却時のコストを確認する必要がある
「実物を持ちたい」のか、
「毎月少しずつ金を購入したい」のか。
この違いを考えると、自分に合った方法を選びやすくなります。
純金積立と金ETFの違い
金ETFも金投資の代表的な方法です。
金ETFは証券取引所に上場している商品を証券口座から売買する方法です。
一方、純金積立は金を定期的に購入していく仕組みです。
大まかに比較すると、
| 純金積立 | 金ETF | |
|---|---|---|
| 購入方法 | 定期的に金を購入 | 証券取引所で売買 |
| 少額投資 | しやすいサービスがある | 商品による |
| 保管 | サービス側で管理する場合がある | 自分で保管しない |
| 売買タイミング | 積立設定に合わせて購入 | 市場で売買 |
| 主なコスト | サービスによって異なる | 売買手数料・信託報酬など商品による |
どちらが優れているということではありません。
「毎月コツコツ買いたい」なら純金積立。
「証券口座で市場を見ながら売買したい」なら金ETF。
というように、自分の投資スタイルから考えると分かりやすいでしょう。
純金積立はNISAでできる?
ここは初心者が間違えやすいポイントです。
「純金積立だからNISAで買える」わけではありません。
NISAでは、制度上の対象商品が決められています。
金融庁はNISAのつみたて投資枠について対象商品を公表しており、成長投資枠についても対象商品が定められています。
そのため、
「金に投資したい」
「純金積立をしたい」
というだけでNISAが利用できると考えるのではなく、実際に購入する商品・サービスがNISAの対象なのかを個別に確認する必要があります。
NISAについては、今後の商品選びでも非常に重要なポイントになります。
純金積立はどんな人に向いている?
純金積立は、例えば次のような人が検討しやすいでしょう。
少額から金投資を始めたい人
まとまった資金を用意するより、毎月少しずつ購入したい人。
長期的に金を保有したい人
短期売買ではなく、資産の一部として長期的に金を保有したい人。
購入タイミングを分散したい人
一度にまとまった金額を投資するのではなく、購入時期を分散したい人。
実物の保管をしたくない人
金地金を自宅などで保管するのではなく、サービスを利用して管理したい人。
ただし、これらに当てはまっていても、純金積立が必ず適しているとは限りません。
手数料や金価格の変動などを理解したうえで、自分の資産状況に合うか考えることが大切です。
純金積立が向いていない可能性がある人
逆に、
- 短期間で大きな利益を狙いたい
- 値下がりに耐えられない
- 定期的な配当や利息が欲しい
- 手数料などのコストをできるだけ抑えたい
- 金そのものに投資する必要性を感じていない
という人は、純金積立以外の投資方法も含めて考えたほうがよいでしょう。
投資は「人気があるから」「安全そうだから」という理由だけで選ぶものではありません。
純金積立を始める前に確認したい5つのポイント
最後に、サービスを選ぶ前に確認しておきたいポイントをまとめます。
① 最低積立金額
毎月いくらから始められるのかを確認しましょう。
② 手数料
購入時、売却時、管理時などにどのようなコストがかかるのか確認します。
③ 保管方法
購入した金がどのように管理されるのか確認しましょう。
サービスによって保管方法や契約内容が異なります。
④ 現物として引き出せるか
サービスによっては、一定条件のもとで購入した金を現物として引き出せる場合があります。
ただし、条件や手数料はサービスごとに異なるため、事前確認が必要です。
⑤ 解約・売却方法
「売りたい」と思ったときに、どのような手続きになるのか確認しておきましょう。
会社員が純金積立を考えるなら
会社員の場合、毎月の給与から一定額を投資に回す方法と純金積立は相性を考えやすい組み合わせです。
例えば、
「毎月決まった金額を金に回す」
という方法なら、投資額を管理しやすくなります。
ただし、金だけに資産を集中させる必要はありません。
前回の記事でも説明したように、金は株式などとは異なる特徴を持つ資産です。
そのため、
株式などを中心とした資産形成に、金を一部組み合わせる
という考え方もできます。
金をどのくらい保有するかについて、すべての人に共通する正解があるわけではありません。
収入、資産、生活防衛資金、投資期間、リスク許容度などを踏まえて考えることが重要です。
純金積立は「コツコツ買えば必ず儲かる」わけではない
純金積立について、もう一つ覚えておきたいことがあります。
それは、
「毎月積み立てれば必ず利益が出るわけではない」
ということです。
積立によって購入時期を分散することはできます。
しかし、金価格そのものが下落すれば、保有資産の評価額も下がります。
また、長期間保有する場合でも、手数料などのコストが積み重なる可能性があります。
純金積立は「損をしない仕組み」ではなく、金を定期的に購入するための方法の一つと考えることが大切です。
まとめ|純金積立は「少しずつ金を持ちたい人」の選択肢
純金積立とは、金を定期的に少しずつ購入していく方法です。
主なメリットは、
- 少額から始めやすい
- 毎月コツコツ購入できる
- 購入タイミングを分散しやすい
- 金を資産の一部として保有しやすい
といった点です。
一方で、
- 元本保証ではない
- 金価格が下落する可能性がある
- 配当金や利息がない
- 手数料などのコストがかかる
- サービスによって条件が違う
というデメリットもあります。
だからこそ、純金積立を始めるときは、
「金だから安全」
ではなく、
「自分はなぜ金を持ちたいのか?」
を考えることが大切です。
金投資には、現物、純金積立、金ETF、投資信託などさまざまな方法があります。
その中から、自分の投資目的や資産状況に合った方法を選びましょう。
会社員マネー戦略室では、金・株式・NISA・iDeCoなど、会社員が知っておきたいお金と投資の基本を初心者向けに解説しています。
ぜひ、これまでの金シリーズの記事もあわせてチェックしてみてください。
※この記事は純金積立に関する一般的な情報を提供するものであり、特定の商品・サービス・証券会社を推奨するものではありません。金には価格変動リスクがあり、元本が保証されているわけではありません。手数料、保管方法、現物引き出しの条件、NISAの対象可否などはサービスや商品によって異なります。実際に利用する際は最新の公式情報をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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