「三菱重工って、どんな会社?」
「防衛関連で注目されているけど、実際の業績はどうなの?」
「成長株として投資するなら、どこを見ればいい?」
そんな疑問を持っている方に向けて、今回は**三菱重工業(7011)**を初心者向けに分析してみます。
三菱重工業は、エネルギー、社会インフラ、航空・防衛・宇宙など、私たちの生活や産業を支える幅広い事業を展開しています。
また近年は、防衛需要や電力需要、脱炭素化などを背景に、成長企業として注目される機会も増えています。
ただし、個別株に投資するなら、
- 売上収益
- 事業利益
- 利益率
- ROE
- PER
- PBR
- 配当
- 成長性
- リスク
などを総合的に確認することが大切です。
そもそも「日本株をどうやって分析すればいいの?」という方は、以前の記事**「日本株の銘柄分析はどうする?PER・PBR・ROEなど7つの数字を簡単解説」**も参考にしてみてください。
三菱重工業ってどんな会社?
三菱重工業は1884年創立の歴史ある企業です。
現在は、
- エナジー
- プラント・インフラ
- 物流・冷熱・ドライブシステム
- 航空・防衛・宇宙
などの事業を展開しています。(mhi.com)
昔ながらの「大型機械を作る会社」というイメージだけではなく、現在はエネルギー・社会インフラ・防衛・宇宙などを支える総合エンジニアリング企業と考えると分かりやすいでしょう。
2025年度の売上収益は約4兆9,741億円で、その内訳を見るとエナジーが約2兆626億円、航空・防衛・宇宙が約1兆3,938億円となっています。(mhi.com)
三菱重工業の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 三菱重工業株式会社 |
| 証券コード | 7011 |
| 上場市場 | 東京・名古屋・札幌・福岡 |
| 決算期 | 3月 |
| 主な事業 | エナジー・インフラ・航空・防衛・宇宙など |
三菱重工業の証券コードは7011です。(mhi.com)
2025年度の業績を確認
まずは最新の通期業績から見てみましょう。
2025年度は、
受注高:約7兆6,536億円
売上収益:約4兆9,741億円
事業利益:約4,322億円
親会社の所有者に帰属する当期利益:約3,321億円
となりました。
前年度と比較すると、
- 受注高:+1兆2,484億円
- 売上収益:+6,130億円
- 事業利益:+772億円
- 当期利益:+866億円
となっており、増収増益となっています。(mhi.com)
特に注目したいのが受注高の大きさです。
三菱重工のように大型設備や社会インフラを扱う企業では、現在の売上だけでなく、
「これからどれだけ仕事を受注しているか」
を見ることも重要です。
営業利益率ならぬ「事業利益率」を見る
三菱重工では、業績を見るうえで事業利益という指標が使われています。
2025年度は、
売上収益:約4兆9,741億円
事業利益:約4,322億円
なので、事業利益率は約**8.7%**です。(mhi.com)
さらに2026年度は、
事業利益5,400億円
事業利益率10%
を会社側が見込んでいます。(mhi.com)
売上を増やすだけではなく、利益率を高めながら成長できるかが重要なポイントです。
ROEは12.2%
ROEは、
自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を生み出しているか
を見る指標です。
三菱重工の2025年度ROEは、
12.2%
でした。(mhi.com)
会社は2026年度についても**ROE12%**を見込んでいます。(mhi.com)
ROEだけで投資判断はできませんが、利益を伸ばしながら資本効率も意識している点はチェックしておきたいところです。
2026年度の業績予想は?
三菱重工は2026年度について、
- 受注高:6兆8,000億円
- 売上収益:5兆4,000億円
- 事業利益:5,400億円
- 当期利益:3,800億円
を見込んでいます。(mhi.com)
売上収益は5兆円を超える規模となり、事業利益も2025年度の4,322億円から5,400億円へ増加する計画です。
つまり、
「今後も売上と利益を伸ばしていけるか」
が三菱重工を成長株として見るうえで重要になります。
三菱重工の成長性① 防衛・宇宙
三菱重工を語るうえで、現在特に注目されやすいのが防衛・宇宙事業です。
防衛関連では、
- 防衛航空機
- ミサイル・飛昇体
- 艦艇
- 防衛システム
などに関わっています。
2025年度は防衛・宇宙分野の受注が高水準となり、2026年度も防衛・宇宙の売上増加を見込んでいます。(mhi.com)
日本の防衛力強化が進む中で、今後の需要が注目される分野です。
ただし、防衛関連だからといって業績が永遠に伸びるわけではありません。
受注額や利益率、政府の予算などを継続的に確認することが大切です。
成長性② エネルギー
三菱重工のもう一つの大きな柱がエナジー事業です。
2025年度のエナジー事業の売上収益は約2兆626億円で、グループ全体でも非常に大きな割合を占めています。(mhi.com)
特に、
- ガスタービン
- 原子力
- 発電設備
- 脱炭素関連
- エナジートランジション
などが重要な分野です。
データセンターと電力需要にも注目
AIの普及によってデータセンターの建設が増えると、当然ながら大量の電力が必要になります。
そのため、
AI・データセンター → 電力需要 → 発電・電力インフラ
という流れで、エネルギー関連企業への需要が高まる可能性があります。
三菱重工はこうしたエネルギー供給側の需要を取り込める可能性がある企業の一つです。
成長性③ 脱炭素・エナジートランジション
世界的に脱炭素化が進む中で、
「安定した電力供給」と「CO₂削減」
を両立することが重要になっています。
三菱重工はエナジートランジションを成長領域の一つとして位置付けています。(mhi.com)
今後、既存の発電設備だけでなく、脱炭素関連の技術やサービスをどれだけ成長させられるかにも注目です。
成長性④ 航空・宇宙
三菱重工は航空・宇宙分野にも強みを持っています。
航空機関連では民間航空機、防衛分野では航空機や関連システム、宇宙分野ではロケットなどに関わっています。
2025年度の航空・防衛・宇宙セグメントの売上収益は約1兆3,938億円でした。(mhi.com)
防衛だけではなく、航空・宇宙という複数の成長分野を持っていることも特徴です。
配当はどう?
三菱重工は近年、配当を増やしています。
年間配当は、
- 2022年度:13円
- 2023年度:20円
- 2024年度:23円
- 2025年度:25円
- 2026年度:29円(予定)
となっています。(mhi.com)
2026年度は、
中間14円+期末15円=年間29円
を予定しています。
また、三菱重工はDOE4%以上を目安に、利益成長に応じた増配と安定的な配当を目指す方針を掲げています。(mhi.com)
そのため、三菱重工は成長性だけでなく、株主還元にも注目したい銘柄です。
三菱重工は高配当株?
配当は増えていますが、三菱重工を単純に「高配当株」と考えるより、
成長性+株主還元
の両方を見る銘柄と考えるほうが分かりやすいでしょう。
配当利回りだけではなく、
利益が増えているから配当も増えているのか
を見ることが重要です。
PER・PBRはどう見る?
個別株を分析するときには、PERとPBRも確認します。
PER
PERは、
株価 ÷ 1株あたり利益
で計算されます。
現在の利益に対して、株価が何倍まで評価されているのかを見る指標です。
PBR
PBRは、
株価 ÷ 1株あたり純資産
で計算されます。
企業が持つ純資産に対して、株価がどの程度評価されているのかを見る指標です。
ただし、PER・PBRは株価によって変化します。
また、三菱重工のように成長期待が高い企業の場合、
「将来の利益が増える」という期待
が株価に織り込まれている可能性があります。
そのため、
PERが高い=必ず割高
とは限りません。
逆にPERが低くても、今後の業績が悪化すれば株価が下落することもあります。
三菱重工の強み① 大型案件を受注できる技術力
三菱重工の大きな強みは、
大型の社会インフラやエネルギー設備を手掛けられる技術力
です。
発電設備や航空・防衛関連などは、簡単に他社へ置き換えられるものではありません。
長年培ってきた技術や実績が、競争力につながっています。
強み② 幅広い事業ポートフォリオ
三菱重工は、
エネルギーだけ、防衛だけ
の会社ではありません。
エナジー
↓
プラント・インフラ
↓
物流・冷熱・ドライブ
↓
航空・防衛・宇宙
と幅広い事業を持っています。(mhi.com)
一つの事業だけに依存していないことは、長期投資を考えるうえでメリットの一つです。
強み③ 受注残の大きさ
三菱重工のような大型設備企業では、
受注 → 売上 → 利益
という流れで業績が進んでいきます。
そのため、受注が積み上がっていることは、将来の売上を考えるうえで重要です。
2025年度の受注高は約7兆6,536億円と、売上収益約4兆9,741億円を大きく上回りました。(mhi.com)
この受注の積み上がりが、今後の業績を支えるかどうかは重要なチェックポイントです。
三菱重工のリスク
もちろん、三菱重工にもリスクがあります。
① 大型案件のリスク
大型プロジェクトでは、
- コスト増加
- 工期遅延
- 設計変更
- 原材料価格の変動
などによって利益が変動する可能性があります。
② 景気・設備投資の影響
企業の設備投資や世界経済が悪化すれば、一部の事業で需要が減少する可能性があります。
③ 為替リスク
海外事業の規模が大きいため、円高・円安などの為替変動が業績に影響する可能性があります。
④ 防衛需要への期待
防衛事業は成長分野として注目されていますが、政府の予算や政策による影響を受けます。
そのため、
「防衛関連だからずっと成長する」
と決めつけるのは危険です。
⑤ 株価の期待値
三菱重工は成長期待が高い銘柄の一つなので、
期待が株価にかなり織り込まれている可能性
にも注意が必要です。
業績が伸びても、市場の期待を下回れば株価が下落することがあります。
三菱重工業は成長株?
ここまで分析してみると、三菱重工業は、
成長性を期待できる日本企業の一つ
と考えられます。
特に、
- 防衛
- 宇宙
- エネルギー
- データセンター向け電力需要
- 脱炭素
- 社会インフラ
など、今後の需要拡大が期待される分野を複数持っています。
2025年度は受注高・売上収益・事業利益・当期利益が増加し、2026年度も事業利益5,400億円を会社側が見込んでいます。(mhi.com)
一方で、大型案件・為替・景気・政策・株価の期待値などのリスクもあります。
そのため、
「三菱重工だから買う」
ではなく、
業績・受注・利益率・PER・PBR・ROE・配当・成長性・リスク
をまとめて確認することが大切です。
三菱重工の株を買うなら証券会社選びも重要
三菱重工のような日本株への投資を考えるなら、証券会社選びも重要です。
手数料やNISAへの対応、取引画面の使いやすさなどを比較して、自分に合った証券会社を選びましょう。
DMM株や松井証券など、複数の証券会社を比較してみるのも一つの方法です。
まとめ|三菱重工業の株を分析してみた
今回は三菱重工業について、
- 業績
- 事業利益
- ROE
- PER
- PBR
- 配当
- 防衛
- エネルギー
- 航空・宇宙
- 成長性
- 強み
- リスク
を分析しました。
三菱重工は、単なる重工メーカーではなく、
エネルギー・社会インフラ・防衛・航空・宇宙などを支える企業
へと事業を展開しています。
2025年度は受注高約7兆6,536億円、売上収益約4兆9,741億円、事業利益約4,322億円となり、いずれも大きな規模となっています。(mhi.com)
さらに2026年度は売上収益5兆4,000億円、事業利益5,400億円を会社側が見込んでいます。(mhi.com)
防衛・エネルギー・脱炭素・社会インフラなど、今後の成長が期待される分野を複数持っていることも魅力です。
ただし、株式投資には元本割れのリスクがあります。
「成長株だから買う」ではなく、自分がその会社の将来性に納得できるかを考えることが大切です。
📌 あわせて読みたい
日本株の銘柄分析を始めたい方は、まず**「日本株の銘柄分析はどうする?PER・PBR・ROEなど7つの数字を簡単解説」**を読むと、今回の三菱重工の分析もより分かりやすくなります。
また、今回の三菱重工と同じ「成長株」として紹介したソニーグループや日立製作所も、それぞれ個別に分析しています。
さらに、トヨタ自動車やKDDIの銘柄分析も合わせて読むと、製造業・通信・エンターテインメントなど、業種による違いを比較できます。
以前紹介した成長株についてまとめて確認したい方は、**「成長株5選」**の記事も参考にしてみてください。
※この記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。業績・株価・PER・PBR・配当などは変動するため、投資を検討する際は最新の決算資料やIR情報を確認し、ご自身の判断で行ってください。


コメント