「NTTの株って安定しているの?」
「配当が増えているけど、今後も期待できる?」
「通信会社なのにAIやデータセンターにも力を入れているって本当?」
そんな疑問を持っている方に向けて、今回は**NTT(9432)**を初心者向けに分析してみます。
NTTといえば、日本を代表する通信会社です。
しかし現在のNTTは、通信だけを中心とした企業ではありません。
**AI・データセンター・金融・海外事業・次世代通信「IOWN」**など、今後の成長につながる分野にも積極的に取り組んでいます。
一方で、NTTは巨大企業だからこその課題もあります。
そこで今回は、
- 業績
- 営業利益率
- ROE
- PER・PBR
- 配当
- 自社株買い
- 通信事業
- AI・データセンター
- AIOWN
- 成長性
- リスク
などをまとめて確認していきます。
なお、この記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。
NTTってどんな会社?
NTTは、日本を代表する通信・ICT企業です。
NTTグループでは、
- 総合ICT
- 地域通信
- グローバル・ソリューション
- 金融
- エネルギー
- 不動産
など、幅広い事業を展開しています。
「NTT=電話会社」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし現在は、通信インフラを土台として、企業向けITサービスやデータセンター、金融、AIなどへ事業領域を広げています。
NTTは2026年5月に中期経営戦略を一部見直し、AIを軸とした利益成長、データセンターを核とした海外事業、金融を中心としたパーソナル領域、そしてAIOWNへの転換を成長戦略として掲げています。
NTTの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | NTT株式会社 |
| 証券コード | 9432 |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム |
| 決算期 | 3月 |
| 主な事業 | 通信・ICT・金融・データセンターなど |
NTTの証券コードは9432です。
またNTTは2023年7月に、投資しやすい環境を整えることなどを目的として、1株を25株に分割しています。
そのため、現在の1株あたりの配当額などを見るときには、株式分割後の数字であることを確認しておきましょう。
NTTの2025年度業績を確認
まずは最新の通期業績を確認します。
2025年度のNTTは、
営業収益:14兆4,091億円
営業利益:1兆7,062億円
当期利益:1兆370億円
NTTに帰属する当期利益:1兆370億円
となりました。
営業収益は前年度の13兆7,047億円から増加し、営業利益も1兆6,496億円から1兆7,062億円へ増加しています。
NTTは非常に大きな企業なので、利益額も1兆円を超える規模です。
営業利益率は約11.8%
営業利益率は、
営業利益 ÷ 営業収益 × 100
で計算できます。
2025年度のNTTの場合、
1兆7,062億円 ÷ 14兆4,091億円
なので、営業利益率は約**11.8%**です。
前年度は12.0%だったため、営業利益率は少し低下しています。
ただし、売上規模そのものが大きく、営業利益も増加しています。
そのため、
「利益率が少し下がった=業績が悪い」
と単純に判断するのではなく、売上・利益・事業構成をまとめて確認することが大切です。
ROEは10.4%
ROEは、
自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を生み出しているか
を見る指標です。
2025年度のNTTのROEは**10.4%**でした。
前年度は10.0%だったため、改善しています。
ROEは高ければ必ず良いというものではありません。
借入金などを多く使えばROEが高くなる場合もあるため、
ROEだけではなく、利益・財務状況・キャッシュフローなどと一緒に確認する
ことが重要です。
2026年度の業績予想は?
NTTは2026年度について、
営業収益:15兆600億円
営業利益:1兆7,100億円
当期利益:9,800億円
EBITDA:3兆4,300億円
を予想しています。
営業収益は2025年度の14兆4,091億円から約6,509億円増加する計画です。
営業利益については1兆7,062億円から1兆7,100億円と、ほぼ横ばいの予想です。
一方、当期利益は1兆370億円から9,800億円へ減少する見込みです。
ここはNTTの株を分析するときに、ぜひ確認しておきたいポイントです。
売上が増える=最終利益も必ず増える
とは限りません。
今後は、増収をどれだけ利益成長につなげられるのかを見ていく必要があります。
NTTの成長性① AI
NTTの今後を考えるうえで、重要なテーマの一つがAIです。
生成AIの普及によって、
- AIを動かすGPU
- データセンター
- 高速通信
- 電力
- 冷却設備
- ネットワーク
などへの需要が増えています。
NTTはこうしたAI時代のインフラ需要を取り込もうとしています。
2026年5月に発表した新しい中期経営戦略では、国内外の法人事業や金融を中心とするスマートライフ事業で、AIを軸とした利益成長を加速する方針を示しています。
成長性② データセンター
AI需要の拡大によって、データセンターの重要性も高まっています。
NTTグループは日本全国47都道府県に160拠点以上のデータセンターを展開しており、国内市場でシェアNo.1としています。
さらに北米・欧州・インド・APACなどにも展開し、世界でも大きなデータセンター事業を持っています。
AIの普及が進めば、計算処理を行うためのデータセンター需要がさらに高まる可能性があります。
NTTにとっては、通信事業に続く成長分野として注目したいところです。
データセンターは今後さらに拡大予定
NTTは国内データセンターのIT電力容量を、現在の約300MWから2033年度には約1GWへ拡大する計画を示しています。
AI向けの高性能GPUでは発熱量が大きくなるため、従来の空調方式だけではなく液冷技術も重要になります。
NTTは液冷設備についても投資を進めており、AIデータセンター需要を取り込もうとしています。
成長性③ AIOWNとは?
NTTの成長戦略を語るうえで欠かせないのが、
AIOWN
です。
AIOWNは、AI時代に必要となる、
GPU・ネットワーク・電力
などを最適化し、エッジまで含めて統合的に運用する次世代インフラ構想です。
簡単に言えば、
AIを効率よく動かすための通信・コンピューティング・電力インフラをまとめて進化させよう
という取り組みです。
IOWNからAIOWNへ
NTTはこれまで「IOWN」を次世代通信基盤として進めてきました。
2026年には、AI需要の急速な拡大を背景として、AIネイティブな次世代インフラであるAIOWNへの転換を打ち出しています。
さらにIOWN APNについては、2027年度までに県庁所在地へ展開し、2030年には全国への面的拡大を目指しています。
この技術がどこまで実際のビジネスとして収益につながるのかは、今後の重要なチェックポイントです。
成長性④ 金融事業
NTTは通信だけでなく、金融などのパーソナル領域にも力を入れています。
NTTグループは、金融を中心としたスマートライフ事業を成長分野の一つとして位置付けています。
通信サービスを利用している顧客との接点を活用し、
通信+金融+デジタルサービス
のように複数のサービスを組み合わせていくことができれば、通信以外の収益源を育てることにもつながります。
NTTの強み① 通信インフラ
NTT最大の強みは、やはり巨大な通信インフラです。
通信は現代社会にとって欠かせないインフラです。
スマートフォン
インターネット
企業ネットワーク
データ通信
クラウド
IoT
など、私たちの生活や企業活動には通信が必要です。
そのため、NTTには非常に大きな顧客基盤と通信インフラがあります。
強み② 安定したキャッシュを生み出しやすい
通信事業は、景気が悪くなったからといって突然すべての人がスマートフォンやインターネットを使わなくなるわけではありません。
もちろん競争や料金改定の影響はありますが、
「生活に必要なサービス」
であることはNTTの大きな強みです。
その安定した事業基盤を使って、AIやデータセンターなどの成長分野へ投資できる点もNTTの魅力でしょう。
強み③ 株主還元
NTTは株主還元にも力を入れています。
2026年度の年間配当は、
5.4円
を予定しています。
2025年度は5.3円だったため、0.1円の増配予定です。
これにより、NTTは16期連続増配予定となっています。
自社株買いも実施
NTTは2026年5月に、2,000億円を上限とする自己株式取得を決議しました。
取得期間は2026年5月11日から2027年3月31日までです。
自社株買いには、
- 1株あたり利益の改善
- 株主還元
- 資本効率の向上
などにつながる可能性があります。
ただし、自社株買いをしたから株価が必ず上がるわけではありません。
業績や株価水準と合わせて見ることが大切です。
NTTは高配当株?
NTTは連続増配を続けているため、配当株として注目されやすい企業です。
ただし、投資判断をするときには、
「配当金が増えているか」だけではなく、「配当利回りが何%なのか」
も確認する必要があります。
配当利回りは株価によって変化します。
そのため、この記事を読んでいる時点の株価を確認して、
年間配当5.4円 ÷ 株価 × 100
で計算すると、その時点の配当利回りを確認できます。
PER・PBRはどう見る?
NTTのような大型株を分析するときには、PER・PBRも確認しておきたいところです。
PER
PERは、
株価 ÷ 1株あたり利益
で計算します。
株価が現在の利益に対して何倍まで評価されているのかを見る指標です。
NTTの場合、利益成長への期待が高まればPERが上昇する可能性があります。
一方、成長期待が低下すればPERが低下することもあります。
PBR
PBRは、
株価 ÷ 1株あたり純資産
で計算します。
企業が保有する純資産に対して、株価がどの程度評価されているかを見る指標です。
NTTの2025年度末の1株あたり株主資本は119.47円でした。
ただし、PER・PBRは単独で判断するのではなく、同業他社や過去の水準、今後の利益成長などと比較することが重要です。
NTTのリスク① 通信事業の競争
NTTには、
- KDDI
- ソフトバンク
- 楽天グループ
などの競合企業があります。
通信料金やサービスの競争が激しくなれば、利益率に影響する可能性があります。
特に通信事業は成熟市場でもあるため、
「通信契約者が増えれば簡単に利益が増える」
という市場ではありません。
そのため、通信以外の成長分野を育てられるかが重要になります。
リスク② 大型投資
AIやデータセンターなどは大きな成長機会がある一方で、多額の設備投資も必要になります。
データセンター
GPU
ネットワーク
電力設備
液冷設備
などへの投資が増えれば、短期的にはキャッシュフローに負担がかかる可能性があります。
つまり、
「AI需要が伸びる=NTTの利益がそのまま増える」
とは限りません。
投資した金額を上回る利益を将来的に生み出せるかが重要です。
リスク③ AIOWNの事業化
AIOWNはNTTにとって大きな成長テーマですが、研究開発や技術開発だけでなく、
実際にどれだけ収益を生み出せるか
が重要です。
NTT自身もAIOWNを本格的なビジネス展開につなげる方針を示しています。
そのため、今後は「技術がすごいか」だけではなく、
契約数・導入企業・売上・利益への貢献
などを見る必要があります。
リスク④ 海外事業
NTTは海外でもデータセンターやITサービスなどを展開しています。
海外事業が成長すれば新たな収益源になりますが、
- 為替
- 景気
- 法規制
- 地政学
- 海外企業との競争
など、日本国内だけで事業を行う場合とは異なるリスクがあります。
NTTは成長株?高配当株?安定株?
NTTを一言で表すなら、
「安定した通信事業を土台に、成長分野へ投資している大型株」
と考えると分かりやすいでしょう。
通信事業には安定性があります。
一方で、
AI・データセンター・金融・海外事業・AIOWN
などを成長分野として育てようとしています。
さらに、16期連続増配予定や自己株式取得など、株主還元にも積極的です。
そのため、
「高配当だけを狙う銘柄」
というより、
安定性+株主還元+中長期の成長
をまとめて考える銘柄と言えるでしょう。
NTTの株を買うなら証券会社選びも重要
NTTのような日本株への投資を考えるなら、証券会社選びも重要です。
特に、
- 日本株の売買手数料
- NISAへの対応
- 取引画面
- ポイントサービス
- IPOや投資信託などの取り扱い
などを比較して、自分に合った証券会社を選びましょう。
初心者の方は、DMM株や松井証券なども比較対象にしてみるといいでしょう。
まとめ|NTTの株を分析してみた
今回はNTTの株について、
- 業績
- 営業利益率
- ROE
- PER
- PBR
- 配当
- 自社株買い
- 通信事業
- AI
- データセンター
- AIOWN
- 金融事業
- 成長性
- リスク
を分析しました。
2025年度のNTTは、
営業収益14兆4,091億円
営業利益1兆7,062億円
という非常に大きな業績となりました。
2026年度については営業収益15兆600億円、営業利益1兆7,100億円を予想しています。
また、年間配当5.4円、16期連続増配予定に加えて、2,000億円を上限とする自己株式取得も予定しています。
そして今後の注目ポイントは、
AI・データセンター・AIOWN
です。
通信という安定した事業基盤を持ちながら、AI時代のインフラ企業へ変化できるか。
ここがNTTの中長期的な成長を見るうえで重要なポイントになるでしょう。
ただし、AIやAIOWNへの投資が必ずしも利益につながるとは限りません。
また、通信市場の競争、大型設備投資、海外事業などのリスクもあります。
そのため、
「NTTだから安心」
と決めつけるのではなく、
業績・利益率・ROE・PER・PBR・配当・成長投資・リスク
を総合的に確認して、自分に合った投資判断をすることが大切です。
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日本株の銘柄分析を始めたばかりの方は、まず**「日本株の銘柄分析はどうする?PER・PBR・ROEなど7つの数字を簡単解説」**を読むと、今回のNTTの分析もより理解しやすくなります。
また、NTTと同じ通信関連企業として**「KDDIの株を分析してみた|PER・PBR・ROE・配当・成長性を解説」**もおすすめです。
通信会社でも、事業内容や成長戦略には違いがあります。
さらに、これまで紹介した成長株の分析として、ソニーグループ・日立製作所・三菱重工業の記事も合わせて読むと、それぞれの成長分野や事業構造を比較できます。
「成長株をどう選べばいい?」という方は、**「成長株5選」**の記事も参考にしてみてください。
※この記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。業績・株価・PER・PBR・配当利回りなどは変動するため、投資を検討する際は最新の決算資料・IR情報を確認し、ご自身の判断で投資を行ってください。


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