「株式投資をしているけど、金にも投資したほうがいいの?」
「金と株って、そもそも何が違うの?」
金と株は、どちらも投資対象になりますが、利益を生み出す仕組みや値動きの特徴が大きく異なります。
株は企業の成長や利益をもとに価値が変化する金融資産です。
一方、金は企業のように商品やサービスを販売して利益を生み出す資産ではありません。
そのため、
株=企業の成長に期待する資産
金=株とは異なる値動きをする実物資産
というように考えると、違いが分かりやすくなります。
そして金の重要な役割の一つが、資産を分散するための選択肢になることです。
今回は、
- 金と株の基本的な違い
- 金はどうやって利益を生むのか
- 株はどうやって利益を生むのか
- 金をポートフォリオに入れる意味
- 金と株はどちらが優れているのか
- 会社員が考えるときのポイント
について、初心者向けに分かりやすく解説します。
金と株は何が違う?
まず、一番大きな違いから見てみましょう。
| 金 | 株 | |
|---|---|---|
| 投資対象 | 金という実物資産など | 企業 |
| 主な利益 | 価格上昇による売却益 | 値上がり益・配当 |
| 企業の利益 | 直接関係しない | 企業業績が重要 |
| 配当 | 基本的にない | 企業によってある |
| 価格変動 | 金利・為替・需給など | 業績・景気・金利など |
| 分散効果 | 株とは異なる値動きが期待される | 株同士では値動きが似る場合もある |
もちろん、実際の価格はさまざまな要因によって動くため、「金は必ず株と逆に動く」という意味ではありません。
重要なのは、
金と株は価格が動く理由が同じではない
ということです。
この違いが、資産分散を考えるときのポイントになります。
株は「企業」に投資する
まず株について考えてみましょう。
株式を購入するということは、基本的にはその企業の株主になるということです。
企業が商品やサービスを販売し、利益を増やしていけば、企業価値が高まる可能性があります。
その結果、株価が上昇すれば、株主は売却益を得られる可能性があります。
また、企業によっては利益の一部を株主に還元する配当金を出します。
つまり株式投資では、
企業の成長
↓
企業価値の向上
↓
株価上昇や配当
という形で利益を得ることが期待できます。
もちろん、企業の業績が悪化したり、景気が悪くなったりすれば、株価が下落する可能性もあります。
金は「企業」ではない
一方、金には企業のような利益や売上がありません。
金を購入しても、金そのものが商品を販売して利益を生み出すわけではありません。
そのため、株式のような配当金を生み出す仕組みは基本的にありません。
金への投資では、
金の価格が上昇したときに売却することで利益を得る
というのが基本的な考え方です。
以前の記事でも、金がなぜ価値を持つのかについて詳しく解説しました。
また、金がなぜ希少なのかについてはこちらです。
金は企業のように利益を生み出す資産ではありませんが、長い歴史の中で価値を持つ資産として利用されてきました。
株は「利益」を生み出すけど、金は生み出さない
ここは非常に重要です。
例えば企業が100億円の利益を出したとします。
企業はその利益を、
- 設備投資
- 新しい事業
- 従業員への還元
- 株主への配当
- 自社株買い
などに使うことができます。
つまり企業は、事業活動によって新しい価値や利益を生み出します。
一方、金そのものが企業のように利益を生み出すことはありません。
そのため、金への投資では基本的に、
「金の価格が今後どうなるか」
が重要になります。
これは株式と金を比較するときの大きな違いです。
では、なぜ金に投資するの?
ここで、
「利益を生み出さないなら、金を持つ意味はあるの?」
と思うかもしれません。
金を保有する理由の一つが、
株式などとは異なる値動きをする可能性があること
です。
金融庁も資産形成において、国内・海外、株式・債券など複数の資産に分散することで、価格変動をある程度抑え、安定的な運用を目指す考え方を紹介しています。
つまり、
全部を株にするのではなく、異なる特徴を持つ資産も組み合わせる
という考え方です。
金は、その選択肢の一つとして考えることができます。
「分散投資」って何?
分散投資とは、簡単にいうと、
一つの資産に集中させないこと
です。
例えば、
「自分の資産を全部1社の株に投資する」
とします。
その企業に大きな問題が発生すれば、資産全体が大きな影響を受ける可能性があります。
そこで複数の企業に分散したり、株式以外の資産も組み合わせたりします。
例えば、
- 日本株
- 米国株
- 投資信託
- 債券
- 金
などです。
ただし、単純に種類を増やせばいいわけではありません。
値動きの特徴が異なる資産を組み合わせること
が重要です。
株と金を組み合わせる意味
例えば、株式だけを保有しているとします。
景気が悪化したり、企業業績への不安が高まったりすると、株式市場全体が下落する可能性があります。
そのとき、金も必ず下落するとは限りません。
金には、
- 金利
- 為替
- インフレ
- 地政学的リスク
- 需給
- 投資家心理
など、株式とは異なる要因が価格に影響します。
そのため、
株式+金
という組み合わせによって、資産全体の値動きを分散できる可能性があります。
ただし、
「株が下がれば必ず金が上がる」わけではありません。
ここは非常に大切です。
金も価格変動するため、金を持っていれば損失を防げるという意味ではありません。
金と株は逆の値動きをする?
よく、
「株が下がると金が上がる」
と言われることがあります。
しかし、これは絶対的なルールではありません。
金と株は、ある局面では逆方向に動くことがありますが、同じ方向に動くこともあります。
例えば、世界的な金融市場で急激なリスク回避が起きれば、複数の資産が同時に売られる場合もあります。
そのため、
金=株が下がったときに必ず上がる保険
と考えるのは適切ではありません。
金を保有する意味は、
株とは異なる値動きをする可能性がある資産を組み合わせる
というところにあります。
金価格は何で動く?
金と株の違いを理解するためには、金価格が何によって動くのかを知っておくことも重要です。
金価格には、
- 金利
- 為替
- インフレ
- 世界情勢
- 金の需給
など、さまざまな要因が影響します。
例えば金利との関係です。
金そのものは利息を生みません。
そのため、金利が上昇すると、利息を生む資産との比較で金の魅力が相対的に低下する場合があります。
逆に金利低下が金の支援材料になる場合もあります。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
また、ドルと円の関係も重要です。
日本国内で見る金価格は、国際的な金価格だけでなく為替の影響も受けます。
金価格が上がったり下がったりする理由については、こちらも参考になります。
株価は何で動く?
一方、株価には企業に関する情報が大きく影響します。
例えば、
- 売上高
- 営業利益
- 今後の業績予想
- 新商品
- 市場シェア
- 景気
- 金利
- 為替
- 投資家心理
などです。
特に長期投資では、
企業が将来どれだけ利益を生み出せるのか
という視点が重要になります。
そのため株式投資では、企業の業績や事業内容を確認することが大切です。
金と株では「利益の考え方」が違う
ここまでの内容を整理すると、次のようになります。
株
企業が利益を生み出す
↓
企業価値が高まる可能性
↓
株価上昇・配当
↓
投資家の利益
金
金そのものは利益を生み出さない
↓
金の需要や金利・為替などによって価格が変動
↓
価格上昇時に売却
↓
投資家の利益
この違いを理解しておくと、
「金と株、どっちを買えばいい?」
という単純な比較ではなく、
「それぞれを何のために持つのか?」
と考えられるようになります。
金と株、どちらが優れている?
結論から言うと、
どちらが優れているとは一概に言えません。
そもそも目的が違うからです。
株式は、企業の成長や利益を通じて資産の成長を目指すことができます。
金は、株式とは異なる特徴を持つ資産として、ポートフォリオの分散を考えるときに利用できます。
そのため、
株か金か
ではなく、
株を中心にしながら、金をどのように組み合わせるか
という考え方もできます。
金を持ちすぎるのも注意
ここも初心者が注意したいところです。
「分散投資が大切なら、金をたくさん買えばいい」
というわけではありません。
金にも価格変動があります。
金は配当や利息を生み出さないため、資産の大部分を金にすると、企業の成長による利益や配当を受け取る機会を減らすことにもつながります。
また、金価格が長期間にわたって上昇するとは限りません。
そのため、
金を持つ目的を明確にすること
が重要です。
金と株を組み合わせるときの考え方
具体的に、
「金を何%、株を何%にすればいいの?」
と思う人もいるでしょう。
しかし、すべての人に当てはまる正解はありません。
例えば、
- 年齢
- 収入
- 貯金
- 生活防衛資金
- 投資期間
- リスク許容度
- 今後の資金需要
などによって適切な資産配分は変わります。
そのため、
「金は○%が正解」
と決めつけるのではなく、自分の資産全体を見て考えることが大切です。
会社員が金と株を考えるなら
会社員の場合、毎月の給与から少しずつ資産形成をしていく人も多いでしょう。
その場合、
株式を長期的な資産形成の中心にする
という考え方があります。
企業が成長すれば、その恩恵を株主として受けられる可能性があるからです。
一方で、資産の一部を金にすることで、株式とは異なる値動きをする資産を組み入れるという考え方もできます。
金融庁も長期・積立・分散を資産形成の基本的な考え方として紹介しています。
もちろん、金を組み入れるかどうかは個人の考え方次第です。
株式投資を始めるなら証券口座が必要
株式を購入するには、基本的に証券口座が必要です。
また、金ETFなどを購入する場合も証券口座を利用します。
例えばDMM株では国内株式に加えて国内ETFなどを取り扱っており、NISAにも対応しています。
また、松井証券でもNISAの成長投資枠で日本株や一定のETFなどを取り扱っています。個別銘柄については、最終的に取引画面などで確認するよう案内されています。
これから株式やETFへの投資を始めるなら、証券会社の取扱商品や手数料、NISAへの対応状況などを比較して、自分に合った証券会社を選ぶことが大切です。
金ETFなら株と一緒に管理できる
前回の記事では、金ETFについて詳しく解説しました。
金ETFは証券取引所に上場しているため、証券口座から株式などと一緒に管理できます。
そのため、
株式+金ETF
という形で資産を管理することもできます。
一方、
「金そのものを保有したい」
のであれば、金地金などの現物を選ぶ方法もあります。
また、
「毎月コツコツ金を購入したい」
のであれば、純金積立という選択肢もあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の投資目的に合わせて選びましょう。
金と株を組み合わせるときに注意したいこと
最後に、いくつか注意点を確認しておきましょう。
① 金は元本保証ではない
金価格が下落すれば、金への投資でも損失が発生します。
「安全資産」という言葉だけを見て、値下がりしないと考えないようにしましょう。
② 株も元本保証ではない
株式も同様です。
企業業績や市場環境によって株価は大きく変動します。
③ 分散しても損失がゼロになるわけではない
金と株を組み合わせても、資産全体が下落する可能性はあります。
分散投資は損失をなくす方法ではなく、資産全体の値動きの偏りを抑えることを目指す方法です。
④ 短期の値動きだけで判断しない
金が上がったから買う。
株が下がったから全部売る。
このような短期的な判断だけで資産配分を変えると、投資方針が安定しなくなる可能性があります。
長期投資を考えるなら、
「なぜこの資産を持っているのか」
を明確にしておくことが重要です。
まとめ|金と株は「どちらを選ぶか」ではなく「役割」で考える
金と株は、どちらも投資対象ですが、その性質は大きく異なります。
株は、
企業の成長や利益を通じて資産の成長を目指す資産
です。
一方、金は、
株式とは異なる値動きをする可能性がある資産
として、分散投資の選択肢になります。
金は配当や利息を生み出さない一方、株式とは違った価格変動要因を持っています。
だからこそ、
「金と株のどちらが優れているか」
ではなく、
「自分の資産の中で、それぞれにどんな役割を持たせるのか」
と考えることが大切です。
会社員が長期的な資産形成を考える場合も、
株式を中心に資産を成長させながら、必要に応じて金を組み合わせる
という考え方があります。
ただし、金を何%組み入れるべきかという正解はありません。
自分の収入、資産状況、投資期間、リスク許容度などを考えながら、無理のない資産配分を考えていきましょう。
これまでの金シリーズもチェック
金そのものについて知りたい方は、
金の希少性については、
金価格の変動については、
金利との関係は、
純金積立については、
金ETFについては、
もぜひ参考にしてください。
※この記事は金と株の特徴や資産分散について一般的な情報を解説したものです。特定の金融商品や証券会社、投資行動を推奨するものではありません。金・株式はいずれも価格変動があり、元本が保証されているわけではありません。実際に投資する際は、ご自身の資産状況やリスク許容度などを考慮し、最新の公式情報をご確認ください。


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