「NISAで日本株に投資したいけど、銀行株ってどうやって選べばいい?」
「金利が上がると銀行株に有利って聞くけど、本当?」
「銀行株なら高配当の会社を選べばいいの?」
NISAの成長投資枠で個別株を探していると、こんな疑問が出てくることがあります。
銀行株は、金利の動きと関係が深く、配当や株主還元が注目されることもあります。
ただし、
「金利が上がる=銀行株ならどれでもいい」
というわけではありません。
銀行によって、
- 国内中心なのか海外にも展開しているのか
- 個人向けが強いのか法人向けが強いのか
- 証券・信託などの事業を持っているのか
- どのくらい利益を稼いでいるのか
- 株主還元をどう考えているのか
などが異なるからです。
この記事では、NISA成長投資枠で銀行株を検討する初心者に向けて、金利・収益力・配当・銀行のタイプ・リスクなど、銀行株を選ぶときに確認したいポイントを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
この記事では、
- 銀行株とはどんな株なのか
- なぜ銀行株は金利と関係するのか
- 金利上昇が銀行に与える影響
- 銀行株を選ぶときの5つのポイント
- メガバンクと地方銀行の違い
- 配当や自社株買いを見るポイント
- NISAで銀行株を買うときの注意点
- 初心者が銀行株を調べるときの手順
について解説します。
1.NISA成長投資枠で銀行株を選ぶメリット
現在のNISAでは、成長投資枠を利用して一定の上場株式などに投資できます。
成長投資枠の年間投資上限額は240万円、NISA全体の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。
NISA口座で取得した対象商品の配当等や売却益は、一定の条件のもとで非課税になります。
そのため、銀行株を長期的な資産形成の候補として検討することもできます。
銀行株の特徴として知っておきたいのが、金利環境の影響を受けやすいことです。
銀行は預金を集め、企業や個人などに資金を貸し出すビジネスを行っています。
そのため、
金利がどう動くのか
は銀行の収益環境を考えるうえで重要な要素になります。
ただし、銀行株を選ぶときは金利だけを見るのではなく、その銀行そのものの収益力や事業構造を見ることが大切です。
2.そもそも銀行株とは?
銀行株とは、その名のとおり銀行を中心とした企業の株式です。
銀行の基本的なビジネスを簡単にすると、
預金を集める
↓
企業や個人などに貸し出す
↓
貸出などから収益を得る
という仕組みです。
ただし、現在の大手金融グループでは、銀行業務だけを行っているとは限りません。
例えば、
- 銀行
- 証券
- 信託
- クレジットカード
- リース
- 資産運用
- 海外金融
など、さまざまな金融サービスを展開している企業もあります。
そのため、
「銀行株=銀行だけを見る」
ではなく、
「その金融グループ全体で何をしているのか」
を見ることも重要です。
3.なぜ銀行株は金利と関係が深いの?
銀行株を理解するうえで、避けて通れないのが金利です。
金利環境が変化すると、
- 貸出金利
- 預金金利
- 資金調達コスト
- 貸出需要
- 債券運用
などに影響する可能性があります。
そのため、
「金利が変わると銀行の収益環境も変わる可能性がある」
ということです。
特に銀行では、貸出によって得られる金利収入と、預金などに支払う金利の差が収益を考えるうえで重要になります。
だからこそ、
「金利が上昇すると銀行にプラスになる場合がある」
という話が出てくるわけです。
ただし、ここで注意したいのが、
金利上昇=銀行株に必ずプラス
ではないことです。
4.「金利上昇=銀行株にプラス」と単純に考えない
金利上昇には、銀行にとってプラスになり得る面だけではありません。
例えば、
プラスになり得る要因
金利上昇
↓
貸出金利などの上昇
↓
収益環境が改善する可能性
という流れがあります。
一方で、
注意したい要因
金利上昇
↓
企業や個人の借入負担が増える
↓
景気や貸出需要に影響する可能性
という反対方向の影響も考えられます。
さらに、
- 預金金利の上昇
- 信用コスト
- 債券価格の変動
- 海外事業の状況
- 景気動向
なども銀行の業績に関係します。
つまり、
「利上げだから銀行株を買う」
だけでは、銀行株を十分に分析したことにはなりません。
重要なのは、
「金利の変化が、その銀行の利益にどう影響するのか?」
と考えることです。
5.銀行株を選ぶときに見る5つのポイント
ここからが、この記事で一番知っておきたい部分です。
銀行株を比較するときは、次の5つを確認してみましょう。
① 金利だけで判断しない
まずは、
「金利が上がるか下がるか」だけで銀行株を選ばない
ことです。
確認したいのは、
- 貸出金の状況
- 預金の状況
- 貸出金利
- 預金金利
- 信用コスト
- 手数料収入
- 海外事業
- 債券などの運用状況
などです。
例えば、金利が上昇しても、その銀行の貸出が伸びなかったり、預金金利の上昇によって調達コストが増えたりすれば、単純に利益が増えるとは限りません。
だから、
金利を見る
→ その銀行の収益への影響を見る
という順番が大切です。
② 本業の収益力を見る
次に確認したいのが、
「その銀行はどれくらい利益を稼ぐ力があるのか?」
です。
銀行は一般企業とはビジネスモデルが違うため、製造業などと同じ指標だけで判断するのではなく、銀行に適した指標を見る必要があります。
例えば、
- 経常収益
- 経常利益
- 親会社株主に帰属する当期純利益
- ROE
- 資金利益
- 手数料収入
などを確認します。
特に初心者なら、まずは
「利益が過去と比べてどう推移しているのか」
を見るところから始めると分かりやすいでしょう。
③ 配当利回りだけで選ばない
銀行株を探していると、
「配当利回りが高い銀行株がいい」
と考える人もいるでしょう。
もちろん配当は重要なチェックポイントです。
ただし、
高配当=安心
とは限りません。
例えば、
株価が下落
↓
配当利回りが上昇
ということもあります。
そのため、
- 配当金の推移
- 配当性向
- 配当方針
- 利益の推移
- 株主還元方針
- 自社株買い
などをまとめて確認しましょう。
特に銀行株では、配当だけではなく自社株買いなども含めた株主還元を見ることが重要です。
高配当株の選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
👉 NISAで高配当株を選ぶなら?配当・業績・財務の見方を解説
④ メガバンクと地方銀行の違いを見る
銀行株を比較するときは、
「どんな銀行なのか」
も確認しましょう。
メガバンク
メガバンクは大規模な顧客基盤を持ち、国内だけでなく海外にも事業を展開しているケースがあります。
また、
- 証券
- 信託
- カード
- 資産運用
など、銀行以外の金融サービスを持つグループもあります。
地方銀行
地方銀行は特定の地域を基盤として、
- 地域企業への融資
- 個人向け金融
- 地域経済との関係
などが特徴です。
そのため地方銀行を見るときは、
その地域の人口や企業活動、貸出需要など
も確認したいポイントになります。
⑤ 銀行以外の金融事業・海外事業も確認する
現在の大手金融グループでは、銀行以外の事業も重要になっています。
例えば、
銀行+証券+信託+カード+海外
というように、複数の収益源を持つ企業があります。
この場合、
「銀行の貸出だけ」
を見るのではなく、
グループ全体でどんな収益源を持っているのか
を確認することが重要です。
また、海外事業を大きく展開している金融グループなら、海外の金利や景気、為替などが業績に影響する可能性もあります。
つまり、
同じ銀行株でも事業構造はかなり違う
ということです。
6.銀行株を比較するときは「タイプ」から考える
銀行株を調べるときは、最初から株価や配当だけを見るのではなく、まず銀行のタイプを確認すると整理しやすくなります。
| タイプ | 主な特徴 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| メガバンク | 大規模・海外展開 | 金利・海外事業・総合金融 |
| 地方銀行 | 地域密着 | 地域経済・人口・貸出需要 |
| ネット銀行系 | デジタル中心 | 預金・決済・IT戦略 |
| 総合金融グループ | 銀行以外にも展開 | 証券・信託・カードなど |
もちろん、実際の企業はこの表にきれいに分類できるとは限りません。
あくまで、
「銀行株にもいろいろなタイプがある」
と理解するための整理です。
7.NISAで銀行株を買うときの注意点
NISAには税制上のメリットがありますが、
投資のリスクがなくなるわけではありません。
株価が下落すれば、NISA口座でも損失が発生します。
また、NISA口座で発生した上場株式等の損失は、課税口座の利益などとの損益通算や繰越控除の対象になりません。
そのため、
「NISAだから銀行株を長期保有すれば安心」
とは考えないようにしましょう。
配当金の受け取り方法にも注意
銀行株をNISAで保有して配当を受け取る場合、配当金の受取方法にも注意が必要です。
国内上場株式の配当をNISAで非課税にするには、原則として株式数比例配分方式を選択する必要があります。
銀行株をNISAで購入するなら、購入前に証券会社の配当金受取方法も確認しておきましょう。
8.銀行株だけに集中する必要はない
銀行株について調べていると、
「金利上昇が銀行にプラスなら、銀行株をたくさん買おう」
と考えてしまうかもしれません。
でも、銀行株には銀行株特有のリスクがあります。
例えば、
- 金利
- 景気
- 信用コスト
- 債券価格
- 為替
- 海外金融市場
などです。
そのため、他の業種にも目を向けることができます。
例えば、会社員マネー戦略室では、NISAで業種別に日本株を見る記事も作っています。
半導体株については、
通信株については、
エネルギー株については、
で、それぞれの業種の特徴や選び方を解説しています。
半導体は成長性、通信は安定性、エネルギーはインフラ・資源、銀行は金利・金融というように、業種によって業績を左右する要因は異なります。
だからこそ、複数の業種を比較しながら、自分の投資方針に合うものを考えることが大切です。
9.会社員・投資初心者なら銀行株をどう調べる?
「銀行株を調べたいけど、決算資料を見るのは難しい……」
という場合は、次の順番で確認してみましょう。
STEP1|どんな銀行なのか確認する
メガバンク?
地方銀行?
ネット銀行?
総合金融グループ?
まずは事業の特徴を確認します。
STEP2|何で利益を稼いでいるかを見る
銀行業務だけなのか、
- 証券
- 信託
- カード
- 海外金融
なども含めて確認します。
STEP3|金利変化の影響を考える
金利が上昇・低下した場合、
この銀行の利益にはどう影響するのか?
を考えます。
STEP4|利益の推移を見る
経常利益や純利益などが、
過去と比べてどう変化しているのか
を確認します。
STEP5|ROEなどの収益性を見る
利益をどれだけ効率よく生み出しているのかを見る材料として、ROEなどを確認します。
STEP6|配当・自社株買いを見る
配当利回りだけではなく、
- 配当の推移
- 配当方針
- 配当性向
- 自社株買い
などを確認します。
STEP7|株価水準を見る
PERやPBRなどを確認して、
「現在の利益や純資産に対して、株価がどのように評価されているのか」
を考えます。
STEP8|最後にリスクを見る
そして最後に、
「この銀行が抱えているリスクを理解したうえで、自分の資産形成に組み入れたいか?」
を考えます。
この順番なら、最初から「おすすめ銘柄」を探すよりも、企業そのものを理解しながら比較できます。
10.投資金額は無理なく決めよう
NISA成長投資枠には年間240万円という上限がありますが、
「240万円まで使わなければいけない」というわけではありません。
個別株への投資を始める場合も、
「NISA枠を全部使おう」
と考えるのではなく、
生活費や貯金とのバランスを考えて、無理なく続けられる金額
を決めることが大切です。
投資額について迷っている方は、
👉 投資は毎月いくらから?初心者が無理なく続けられる積立額の決め方
も参考にしてください。
毎月の生活を圧迫しない範囲で、長く続けられる金額を考えることがポイントです。
11.NISAで銀行株を買うなら証券会社選びも確認
NISAで個別株を購入するには、NISAに対応した証券会社を利用する必要があります。
証券会社を比較するときは、
- NISAへの対応
- 日本株の取扱い
- 売買手数料
- 取引ツール
- 情報サービス
- サポート体制
などを確認しましょう。
例えば、日本株やNISAでの取引環境を確認したい場合は、
という方法があります。
また、株式だけでなく投資信託なども含めて幅広い投資サービスを比較したい場合は、
という選択肢もあります。
※実際に利用する場合は、最新の手数料・取扱商品・NISA対応状況などを各社の公式情報で確認してください。
12.まとめ|銀行株は「金利+収益力+株主還元」で考えよう
今回は、NISA成長投資枠で銀行株を選ぶときの考え方を解説しました。
銀行株を見るときに、
「金利が上がるから銀行株」
と単純に考える必要はありません。
大切なのは、
① 金利変化が利益にどう影響するのか
② どんな事業で利益を稼いでいるのか
③ 本業の収益力はどうなのか
④ 配当や自社株買いはどうなっているのか
⑤ メガバンク・地方銀行など、どんなタイプなのか
⑥ 海外事業や証券・信託などの収益源はあるのか
⑦ 株価水準はどうなのか
⑧ どんなリスクがあるのか
というポイントです。
銀行株は金利の影響を受けやすい一方、金利だけで業績が決まるわけではありません。
だからこそ、
「どの銀行株がおすすめ?」
から考えるのではなく、
「自分はどんな銀行に投資したいのか?」
という視点で企業を調べてみましょう。
NISAには税制上のメリットがありますが、株価下落などの投資リスクがなくなるわけではありません。
企業の決算資料やIR情報を確認しながら、自分の投資目的や資産全体とのバランスを考えていくことが大切です。
関連記事
👉 NISAで高配当株を選ぶなら?配当・業績・財務の見方を解説


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