こどもNISAと学資保険を徹底比較! 毎月1万円でいくらになる? 教育費のための選び方まで解説

こどもNISAと学資保険の仕組み・金額・選び方を徹底比較する記事のアイキャッチ。 NISA・iDeCo

※この記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。
※制度・サービスの情報は2026年10月3日時点で確認した公式案内に基づきます。 こどもNISAは2027年1月開始の制度です。 申込受付と実際に非課税で投資できる時期は異なります。

「子どもの教育費を準備するなら、学資保険とこどもNISA、どちらがいいの?」

「学資保険の返戻率110%と、投資の年利5%はどう比べたらいい?」

「投資の方が増えそうだけど、大学に入る直前に値下がりしたら困る……」

教育費は、使う時期を先延ばししにくいお金です。 だからこそ、増える金額だけで選ぶと、必要な時に資金が足りなくなる可能性があります。 一方で、安心を優先するあまり、長く運用できるお金まで同じ方法で準備する必要もありません。

この記事では、こどもNISAと学資保険の仕組み、保障、引き出し、税金、受取金額をまとめて比較します。 毎月1万円を18年間積み立てる計算に加え、過去18年間の株式投資を参考にした再現計算も掲載しました。

読み終わったら、「わが家では何を、いくら、どの方法で準備するか」まで決められるよう、順番に整理していきましょう。

  1. 1.結論:必要な時期に確保したい金額と、値下がりを受け入れられる金額で選ぶ
  2. 2.商品を選ぶ前に「いつ、いくら必要か」を決めよう
  3. 3.こどもNISAと学資保険は、そもそも仕組みが違う
    1. こどもNISAは、投資の利益を非課税にする制度
    2. 学資保険は、教育資金の準備と保障を組み合わせた保険
  4. 4.こどもNISAと学資保険の違いを一覧で比較
  5. 5.元本割れとインフレのリスクを、両方から考える
    1. こどもNISAは、長く続けても元本割れの可能性がある
    2. 学資保険は、満期まで続ける場合と途中解約を分けて考える
    3. 金額が増えても、お金の購買力が増えるとは限らない
  6. 6.親に万一のことがあった時は、学資保険の保障が判断材料になる
  7. 7.積立を止められることと、お金を自由に引き出せることは違う
    1. こどもNISAは、積立停止と払出しを分けて考える
    2. 学資保険は、受取額だけでなく受取日を確認する
  8. 8.手数料と税金は「非課税」「控除」だけで判断しない
    1. こどもNISAでも、投資信託のコストはかかる
    2. NISAの非課税と、子どもへの贈与税は別の話
    3. 学資保険の税金は、実際に払う人と受け取る人で変わる
  9. 9.「返戻率110%」と「年利5%」は、同じ種類の数字ではない
  10. 10.毎月1万円を18年間積み立てると、いくらになる?
      1. 計算方法
  11. 11.大学進学の直前に値下がりしたらどうなる?
  12. 12.過去18年間、毎月1万円で全世界株やS&P500に投資していたら?
      1. 再現計算の条件
  13. 13.家庭別に考える、こどもNISAと学資保険の選び方
    1. 子どもが小さく、生活の予備資金と死亡保障がある家庭
    2. 値下がりが心配で、受取計画を決めておきたい家庭
    3. 親の死亡保障が不足している家庭
    4. 進学まで数年で、支払期限が近い家庭
    5. きょうだいがいる家庭
  14. 14.併用するなら、配分は目標額から逆算する
    1. ステップ1:生活の予備資金を別にする
    2. ステップ2:親の万一への備えを確認する
    3. ステップ3:期限までに確保する金額を決める
    4. ステップ4:長く運用できる資金を決める
    5. ステップ5:毎年確認し、支払時期が近づいたら現金化する
  15. 15.すでに学資保険に入っているなら、解約前に「これから」を比較する
  16. 16.こどもNISAと学資保険のよくある質問
    1. Q.こどもNISAだけで教育費を準備してもいい?
    2. Q.学資保険はもう必要ない?
    3. Q.返戻率が高い学資保険を選べばいい?
    4. Q.全世界株式とS&P500なら、どちらを選べばいい?
    5. Q.親のNISAで教育費を準備する方法もある?
    6. Q.2026年に投資した分を、後からこどもNISAへ移せる?
    7. Q.途中で金融機関を変えられる?
    8. Q.投資を始めるなら月5万円を目指すべき?
  17. 17.最後に確認したい、わが家の教育資金チェックリスト
    1. 出典・計算に使用した資料

1.結論:必要な時期に確保したい金額と、値下がりを受け入れられる金額で選ぶ

先に結論をお伝えすると、受取額と受取時期を決めて備えたいなら学資保険、長期運用で増やす可能性を求めるならこどもNISAが候補になります。

ただし、教育費をどちらか一方だけで準備する必要はありません。 預貯金も含め、目的に合わせて組み合わせる方法があります。

家庭の状況・希望検討したい準備方法判断のポイント
入学時に必要な金額を決めて準備したい預貯金・学資保険を中心に検討受取日が支払期限に間に合うか、満期まで継続できるか
使うまで長く、値下がりへの備えもあるこどもNISAでの積立投資を検討不足時に補える現金と、売却計画があるか
親の万一に備えた教育資金の保障もほしい学資保険、または死亡保障と積立投資の組み合わせ現在の死亡保障と重複せず、家計に合うか
増やしたいが、すべて投資するのは不安預貯金・学資保険とこどもNISAを併用必要額のうち、価格変動にさらす金額を限定できるか
進学まで数年で、資金に余裕が少ないまず必要額を預貯金で確保直前の値下がりに耐えられるか

迷った時は、「必ず用意したいお金」と「長く運用できるお金」を分けるところから始めると、選びやすくなります。

2.商品を選ぶ前に「いつ、いくら必要か」を決めよう

教育費といっても、大学の入学金、毎年の授業料、受験費用、自宅外通学の家賃など、支出の時期はさまざまです。

たとえば「大学進学までに300万円」という目標でも、300万円すべてを入学日に使う家庭と、入学前から卒業までに分けて使う家庭では、必要な準備方法が変わります。

まずは、次のような表を家庭ごとに作ってみてください。

時期考えておきたい支出準備の考え方
進学の前年〜入学前受験料、入学金、前期授業料、引っ越しなど支払期限に間に合う現金を確保する
入学後の1〜4年授業料、教材費、生活費など年ごとの必要額と、家計から出せる額を整理する
進路変更・留学など追加の学費、渡航費など余裕資金として別に考える

目標額は、子どもの希望、学校の費用、通学方法、家計の余力に合わせて決めます。 以下の数字は全国平均ではなく、積立額を考えるための例です。

18年後までに用意する目標額運用益を見込まず216回で準備する場合の月額
300万円約1万3,900円
500万円約2万3,200円
800万円約3万7,100円

毎月1万円の積立元本は18年間で216万円です。 「投資で増えれば500万円になるかもしれない」という期待だけで、不足額を解決したことにはできません。

目標と積立額に差がある時は、今ある貯蓄を回す、ボーナスから追加する、進学後の収入から支払う金額を決めるなど、具体的な資金計画を作りましょう。

3.こどもNISAと学資保険は、そもそも仕組みが違う

こどもNISAは、投資の利益を非課税にする制度

こどもNISAは、対象となる投資信託を子ども名義の口座で積み立て、運用益などについて非課税の扱いを受ける制度です。

松井証券の公式案内では、2027年1月開始、対象年齢は0〜17歳、年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は取得金額で600万円とされています。 非課税保有期間は無期限で、成人NISAへの移行があります。 [1]

年60万円は、月額にすると5万円です。 ただし、制度の上限まで積み立てる必要はありません。 家計に合う金額で考えましょう。

**NISAという名前自体に、元本保証や利回り保証はありません。 **実際に増えるか減るかは、購入する投資信託と市場の動きによって決まります。

なお、松井証券では対象の投資信託の積立購入となり、個別株やETFを購入する仕組みではありません。 [2]

制度の基本と口座の準備については、こちらでも詳しく解説しています。

👉こどもNISAの投資枠・払出し条件・松井証券の事前受付について確認する

学資保険は、教育資金の準備と保障を組み合わせた保険

学資保険は、契約に沿って保険料を支払い、進学時の祝金や満期保険金などを受け取る保険です。 大学入学時の一括受取や、在学期間に分けた受取など、商品・契約によって設計が異なります。

契約者の死亡など所定の条件で、以後の保険料の支払いが免除される仕組みを持つ商品もあります。 ただし、保障を厚くした契約などでは、受取総額が払込保険料を下回る場合もあります。 [3]

「学資保険なら必ず元本以上」「どの商品も返戻率110%」と考えず、実際の見積書で受取額と保障を確認しましょう。

4.こどもNISAと学資保険の違いを一覧で比較

比較項目こどもNISAでの積立投資学資保険
仕組み投資の運用益等を非課税にする制度教育資金の積立と保障を組み合わせた契約
将来の受取額市場価格によって変動契約条件に沿って決まる
元本割れ売却時の価格によって起こる途中解約や、満期の受取設計によって起こる
増える可能性長期の成長を取り込む可能性がある契約で定めた金額が基本
親の死亡時の積立継続制度として保険料払込免除に相当する保障はない所定の条件で払込免除がある商品がある
積立・支払の変更積立設定は変更・停止を検討できる減額等の可否や影響は契約による
引き出し年齢・用途などの条件がある受取日前は解約等の手続きが必要になる
コストの見方信託報酬などを確認払込総額、受取総額、保障内容を確認
税金の見方運用益等の非課税と贈与税を分けて考える保険料の実際の負担者・受取人・受取方法で変わる
管理の負担商品選び、価格変動への対応、売却計画が必要支払継続、契約確認、請求手続きなどが必要

比較で大切なのは、「投資の期待できる収益」と「保険の保障付きの契約」を、同じ利回りの商品として扱わないことです。

5.元本割れとインフレのリスクを、両方から考える

こどもNISAは、長く続けても元本割れの可能性がある

全世界株式やS&P500に連動する投資信託でも、株価の下落は起こります。 為替ヘッジのない海外株式型の商品では、円高によって円換算の評価額が下がることもあります。

積立投資は購入時期を分散できますが、将来の売却価格を保証する方法ではありません。 18年間続けたとしても、「必要な日に必ず利益が出ている」とは言えません。

投資に回す金額は、評価額が下がった時でも生活費を圧迫せず、慌てて売らずに済む範囲で考えましょう。

学資保険は、満期まで続ける場合と途中解約を分けて考える

受取総額が払込総額を上回る契約でも、途中解約では解約返戻金が払込保険料を下回ることがあります。

毎月の保険料を無理なく払い続けられるかは、返戻率と同じくらい大切です。 育休、転職、住宅購入、きょうだいの誕生など、将来の家計変化も考えておきましょう。

また、保険会社の信用リスクもゼロではなく、預金と同じ保証の仕組みでもありません。 「安心できる受取計画」を立てるために、契約条件を確認する必要があります。

金額が増えても、お金の購買力が増えるとは限らない

学資保険で18年後の受取額を決められても、授業料や生活費がそれ以上に上がれば、用意したお金で賄える範囲は小さくなります。 これは預貯金にも共通するリスクです。

一方、株式投資には企業の成長を取り込む可能性がありますが、物価上昇を必ず上回るわけではありません。

どちらを選んでも、年に一度は進路の希望と目標額を見直すことが大切です。

6.親に万一のことがあった時は、学資保険の保障が判断材料になる

学資保険の魅力の一つが、契約者に万一のことがあった場合の保険料払込免除です。

たとえば、子どもが小さい時に契約者である親が亡くなり、契約上の免除条件を満たした場合、その後の保険料を払わなくても、予定した学資金を受け取れる契約があります。 免除となる死亡・障害等の範囲や受取内容は、商品ごとの確認が必要です。 [3][4]

こどもNISAには、親の死亡によって将来の積立額が補われる制度上の保障はありません。 親からの積立が止まれば、それまでに積み立てた資産をどう使うか考えることになります。

ただし、すでに死亡保険や収入保障保険などで教育費まで備えている家庭は、学資保険の追加が必要かを別に検討できます。

考える順番は、次の通りです。

  1. 親に万一があった後の生活費と教育費を見積もる。
  2. 公的保障、貯蓄、現在の保険、配偶者の収入などを確認する。
  3. 不足する金額と期間を整理する。
  4. 学資保険、死亡保障、積立投資の組み合わせを比較する。

**「死亡保障+積立投資」が必ず安い、学資保険が必ず得、という結論は出せません。 **親の年齢や健康状態、保障額、支払期間によって保険料が変わるため、具体的な見積もりで比べましょう。

投資案で追加の死亡保険が必要なら、その保険料も家計の負担として数えると、より公平な比較になります。

7.積立を止められることと、お金を自由に引き出せることは違う

こどもNISAは、積立停止と払出しを分けて考える

収入が減った時、投資信託の積立設定を減額・停止することは検討できます。 ただし、すでに積み立てた資産の払出しには制限があります。

松井証券の公式ルールを要約すると、次のようになります。 [2]

払出しの区分取り扱いの要点
原則として12歳に達する前の区分全資産の払出しと口座閉鎖が必要。 災害・疾病等のやむを得ない事由に該当しない場合は遡及課税がある
12歳以降〜18歳前の区分子ども本人の学費・生活費等の用途で、本人の同意と所定の手続きがあれば、一部払出しが可能
払出し制限が解除される区分払出しの制限が解除される

年齢の判定は誕生日当日だけで決まるわけではありません。 12歳の区分は「3月31日時点で12歳である年の1月1日」、払出し制限の解除は「3月31日時点で18歳である年の1月1日」が基準です。 成人NISAへの移行は「1月1日時点で18歳である年の1月1日」で、解除日とは異なる場合があります。

入学金などを支払う前に、生年月日、払出し可能日、必要書類、売却代金を受け取るまでの日数を確認しましょう。 売却できることと、銀行口座に出金して使えることも別です。

このため、急な生活費に使うお金までこどもNISAに入れるのは避け、生活の予備資金は別に持っておくと資金計画が安定します。

学資保険は、受取額だけでなく受取日を確認する

学資保険の見積書で「18歳満期」と書かれていても、実際の受取日が入学金の支払期限に間に合うかは確認が必要です。

推薦・総合型選抜などで、大学入学より早く支払いが必要になることも考えられます。 契約上の受取日が後なら、その間を預貯金でつなぐ準備が必要です。

「300万円受け取れる」だけで安心せず、いつ、何回に分けて、請求後いつ入金されるのかまで見ておきましょう。

8.手数料と税金は「非課税」「控除」だけで判断しない

こどもNISAでも、投資信託のコストはかかる

松井証券では、こどもNISAの投資信託の購入時手数料は無料ですが、保有中の信託報酬等はかかります。 商品によっては解約時に信託財産留保額がかかる場合もあります。 [2]

投資信託を選ぶ時は、対象となる制度、投資先、信託報酬、その他の費用、為替ヘッジの有無、分配方針を確認しましょう。 費用が安いことに加え、自分が理解できる運用内容かも大切です。

NISAの非課税と、子どもへの贈与税は別の話

こどもNISAは運用益などに関する制度であり、親や祖父母から子どもへ移すお金が、すべて無条件で贈与税の対象外になるわけではありません。

一般的な暦年課税では、子どもが1年間に受けた贈与の合計に対し、基礎控除110万円があります。 親・祖父母などから受ける贈与を合算して考える点に注意しましょう。 [5]

また、扶養義務者から通常必要な教育費・生活費をその都度受け取り、直接使う場合の非課税と、将来のために投資・貯蓄する資金は、同じ扱いではありません。 [6]

子ども名義の資産であることを家族で共有し、資金の出どころや管理の記録を残しておくと確認しやすくなります。

学資保険の税金は、実際に払う人と受け取る人で変わる

学資保険の満期保険金等について、保険料の実際の負担者と受取人が同じ場合、一時金受取は原則として一時所得、年金受取は雑所得となります。 負担者と受取人が異なる場合は、贈与税の検討が必要です。 [7]

一時所得は、他に一時所得がない場合、受取額から払込保険料と特別控除50万円を差し引き、残った額の2分の1が課税対象になります。

後ほど使う例は、払込216万円に対して受取237.6万円で、差額は21.6万円です。 同じ人が保険料を負担して一時金を受け取り、他の一時所得がなければ、差額は50万円の範囲内なので、この受取による一時所得の課税対象額は生じません。

ただし、他の一時所得、受取方法、契約内容によって変わります。 「学資保険の利益には必ず税金がかかる」「学資保険ならすべて非課税」と、どちらも一括りにできません。

保険料が生命保険料控除の対象になる場合もありますが、所得控除は保険料がそのまま戻る仕組みではありません。 適用年の制度、所得税率、すでに加入している保険の控除利用状況で実際の軽減額が変わります。 控除証明書と当年の公式案内を確認しましょう。 [8]

9.「返戻率110%」と「年利5%」は、同じ種類の数字ではない

ここは、金額比較で特に間違えやすい部分です。

学資保険の返戻率110%は、払った保険料の合計に対して、受取総額が110%になるという意味です。

計算式は、次の通りです。

返戻率=受取総額÷払込保険料総額×100

216万円を払い込んで237.6万円を受け取れば、返戻率は110%です。 18年間、毎年10%ずつ増えるわけではありません。

一方、投資の年利5%は、1年間の運用収益率を表す数字です。 毎年一定の年利5%で運用できると仮定した計算では、すでに積み立てたお金と運用益も、その後の運用に回ります。

ただし、投資ではその利回りが約束されていません。 実際の年間リターンは、プラスの年もマイナスの年もあります。

さらに、110%を18年で割って「年利約0.56%」とする計算も、毎月払いの保険との比較には適切ではありません。 最初に支払う1万円と、18年目に支払う1万円では、受取までの期間が異なるからです。

参考として、この記事の「毎月末1万円を216回払い、18年後に237.6万円を一括で受け取る」というモデルを、各支払時点も考慮した年率に換算すると、約1.05%です。

これはモデルの内部収益率を計算したもので、実在する学資保険の年利表示ではありません。 払込期間や受取時期が変われば、同じ返戻率110%でも年率換算の結果は変わります。

10.毎月1万円を18年間積み立てると、いくらになる?

比較の条件をそろえるため、以下の仮定で計算します。

  • 毎月末に1万円を積み立て、216回続ける。
  • 払込元本は216万円。
  • 学資保険は、18年後に払込総額の110%を一括受取する架空の比較モデル。
  • 投資は、費用控除後の一定の実効年率3%・5%・7%を仮定する。
  • 投資の税金は非課税とし、保険料控除の効果や追加の死亡保険料は含めない。
比較する準備方法払込元本18年後の金額元本からの増加額
学資保険・返戻率110%のモデル216万円237.6万円21.6万円
積立投資・年率3%の仮定216万円約284.8万円約68.8万円
積立投資・年率5%の仮定216万円約345.3万円約129.3万円
積立投資・年率7%の仮定216万円約420.9万円約204.9万円

年率5%の仮定では、返戻率110%のモデルとの差は約107.7万円です。

この表から分かるのは、長期運用で一定の収益を得られた場合、積立投資の最終金額が大きくなる可能性があることです。

**学資保険の契約で定められる受取額と、投資で仮定した受取額は、確実性が違います。 **表の金額だけで優劣を決めず、保障と値下がりリスクも合わせて比較してください。

なお、これは18年間の資金準備を比べる数学上のモデルです。 こどもNISAが18年間ずっと同じ口座区分で続く、という意味ではありません。 対象年齢や成人NISAへの移行を含め、実際の制度利用を確認する必要があります。

実在の学資保険には、10歳までに保険料を払い終えるものや、18〜22歳に分けて受け取るものなどがあります。 現実の見積もりでは、総額に加え、支払う時期と受け取る時期をそろえて比較しましょう。

計算方法

実効年率をr、月率をmとすると、m=(1+r)^(1/12)−1とし、毎月末積立の将来額を「10,000×{(1+m)^216−1}÷m」で計算しています。 年率を単純に12で割る方法とは、結果が少し異なります。 金額は表示上丸めています。

11.大学進学の直前に値下がりしたらどうなる?

年率5%の仮定で約345.3万円になったとしても、その金額を確定させず株式で運用し続ければ、その後の値下がりの影響を受けます。

例として、積立終了後・売却前に評価額が下落した場合を計算してみましょう。 将来の下落率を予測したものではなく、資金計画への影響を見る仮定です。

状況評価額の例
没落前約345.3万円
そこから30%下落約241.7万円
そこから40%下落約207.2万円

30%下落すると、約103.6万円減ります。 元本216万円は上回っていますが、300万円を使う予定なら約58.3万円不足します。 40%下落の例では、払込元本も下回ります。

つまり、教育費では「元本割れしていないから大丈夫」とは限りません。 必要な日に、必要な額を用意できるかが判断基準です。

対策としては、使う時期が近づいた資金を段階的に現金化し、支払予定額を確保する方法があります。

たとえば、進学まで5年程度になった時点で計画を見直し、入学前に使う予定額から優先して現金化を検討します。 2〜3年前には直近の支払予定を具体化し、受験・入学の支払前には、売却と払出しの手続きを済ませられるようにします。

「5年前なら安全」「何回に分ければ損しない」という保証はありません。 段階的な売却にも、その時の価格が影響します。 運用期間の長さだけに頼らず、目標額、他の貯蓄、払出し条件を見ながら計画しましょう。

12.過去18年間、毎月1万円で全世界株やS&P500に投資していたら?

一定の年率を仮定した計算だけでなく、過去の価格を使った参考例も見てみましょう。

ここでは、2008年10月から2026年9月までの216か月に、毎月末1万円を積み立てたと仮定します。

ただし、一般に「オルカン」と呼ばれる国内の投資信託を、18年前から買えたという意味ではありません。 全世界株式の参考として米国ETFのACWI、S&P500の参考として米国ETFのSPYを使い、円換算した再現計算です。 ACWIは先進国と新興国の株式を含むETFです。 [9][10]

過去の価格を使った参考対象積立元本2026年9月末の再現評価額
全世界株式の参考:ACWI216万円約1,046.9万円
S&P500の参考:SPY216万円約1,510.3万円

この金額は、公開価格データを使った筆者の計算結果です。 実際に投資した個人の運用報告や、金融機関が保証する試算ではありません。 [11]

再現計算の条件

  • 期間は2008年10月〜2026年9月。 各月末に1万円を投資する仮定。
  • Yahoo Financeの月次調整後終値と、米ドル/円の月次終値を使用。
  • 分配金等を反映した調整後価格で総収益を近似し、円換算。 為替ヘッジなし。
  • 端数口数で買えるものとし、個人にかかる税金、売買手数料、為替交換手数料は含めない。
  • ETF自体の経費の影響は市場価格等に含まれるが、国内投資信託とは費用や追随状況が異なる。
  • 米国株市場と為替市場の終値時刻の違いなどを簡略化した概算。

計算では各月の「調整後終値×ドル円」を円換算価格とし、毎月の1万円で取得する換算口数を合計して、最終月の円換算価格を掛けています。 過去の分配等を調整した価格なので、実際の売買口数を表すものではありません。

**この期間は、株価の上昇と為替の動きが円換算の結果に大きく影響した一つの事例です。 今後18年間に同じ金額になるとは言えません。 **始める月と終える月を変えると結果も変わります。

また、こどもNISAは2027年開始です。 この計算は過去の制度利用の実績ではありません。 参考に使った米国ETFも、松井証券のこどもNISAで購入する商品ではありません。

ここで参考にしたいのは、過去の大きな金額を目標として約束することよりも、長期の株式投資が成長を取り込む可能性と、その間に価格変動・為替変動を受けることです。

13.家庭別に考える、こどもNISAと学資保険の選び方

子どもが小さく、生活の予備資金と死亡保障がある家庭

使うまで長く、相場が下がっても家計から補える余力があるなら、こどもNISAでの積立投資を検討しやすくなります。

ただし、長期間あることだけを理由に、教育費をすべて株式投資へ回す必要はありません。 入学時に必ず必要な金額の確保と、進学前の売却計画を一緒に決めましょう。

値下がりが心配で、受取計画を決めておきたい家庭

相場が下がるたびに不安になり、積立をやめたり売却したりしそうなら、預貯金や学資保険を中心に検討する方法があります。

学資保険を選ぶ時は、返戻率だけでなく、無理なく払える保険料、受取日、払込免除の条件を確認してください。

使い方が自分に合っていることも大切です。 高い運用益を期待できても、続けられず必要な時に不足するなら、教育費の準備として機能しにくくなります。

親の死亡保障が不足している家庭

まず、親に万一があった時の生活費と教育費の不足額を整理しましょう。 そのうえで、学資保険と、必要な死亡保障を別に持ちながら積み立てる方法の見積もりを比較します。

学資保険だけで、残された家族の生活費まで十分に賄えるとは限りません。 教育費の保障と生活保障を、家計全体の中で確認する必要があります。

進学まで数年で、支払期限が近い家庭

近いうちに使うことが決まっている資金は、値下がりから回復するのを待てない可能性があります。 必要額の確保を優先し、投資は使う時期に余裕のある資金で検討しましょう。

学資保険も、加入できる年齢や払込期間が商品によって異なります。 「投資が怖いから今から学資保険」と即決せず、契約できる条件と受取時期を確認してください。

きょうだいがいる家庭

上の子と下の子では、資金を使うまでの期間が違います。 同じ積立方法・同じ投資比率にそろえるより、それぞれの入学年に合わせて計画しましょう。

教育費が同時に大きくなる年も確認し、家計全体で必要な現金を確保しておくと安心です。

14.併用するなら、配分は目標額から逆算する

「学資保険とこどもNISAを半分ずつ」にすれば、すべての家庭に合うわけではありません。 割合を決める前に、必要な額と家計から出せる額を確認しましょう。

ステップ1:生活の予備資金を別にする

収入の変動、急な修理、医療費などに備える資金は、すぐ使える形で教育資金と分けておきます。

ステップ2:親の万一への備えを確認する

現在の保障と貯蓄で不足する分を確認し、必要な保障を検討します。 保険料を含めても積立を続けられるかが大切です。

ステップ3:期限までに確保する金額を決める

たとえば、教育資金の目標を500万円、入学前までに確保したい額を200万円とするケースを考えます。 これは説明用の例で、標準的な必要額ではありません。

現在すでに100万円あるなら、入学前の200万円をどう確保するか、残りの300万円をいつ使うか、家計からいくら出せるかを分けて考えます。

ステップ4:長く運用できる資金を決める

預貯金や学資保険で準備する額を決めた後、値下がりした場合の不足を補える範囲で、こどもNISAの積立額を決めます。

たとえば月2万円を準備できる家庭で、月1万円を預貯金、月1万円を投資にするのは一つの検討例です。 学資保険を使う場合は、その月額に合う契約と受取額を実際に見積もる必要があります。

投資の利回りを高く置いて帳尻を合わせず、運用益が出なかった場合の不足にも対処できる計画にしましょう。

ステップ5:毎年確認し、支払時期が近づいたら現金化する

子どもの進路、貯蓄残高、家計、保障を年に一度確認します。 進学が近づいたら、いつ売却し、いつ払出し、いつ支払うかを具体的に決めていきましょう。

15.すでに学資保険に入っているなら、解約前に「これから」を比較する

「投資の方が増えそうだから、今の学資保険を解約しよう」と考える前に、現在の契約を確認してください。

加入当時の返戻率だけでは、今解約するかどうかは判断できません。 すでに支払った保険料は、今後の選択で変えられないためです。

確認したいのは、次の項目です。

確認項目見る理由
今解約した場合の解約返戻金新しく準備を始める時の資金になる
これから払う保険料総額継続する場合の追加負担になる
今後受け取る金額と受取日継続後の教育資金の計画になる
現在の払込免除・保障解約すると失う保障を確認する
減額・払済などの選択肢解約以外の方法を検討する

例として、今解約すると100万円、これから払う保険料が60万円、継続すると5年後に180万円を受け取る契約を考えます。 これも説明用の架空の例です。

この場合、解約して投資する案では、最初の100万円と、保険料の代わりに積み立てる60万円の各支払時点を考慮して比較します。 5年後に180万円になると仮定しても、その運用結果は保証されず、解約後には元の保障もなくなります。

保険料の負担を下げる方法には、契約によって減額や払済保険への変更などがある場合もあります。 利用条件と保障・受取額への影響を保険会社に確認しましょう。 [12]

**新しく選ぶ時の比較と、途中で乗り換える時の比較は、出発点が異なります。 **今の契約内容に基づいて判断することが大切です。

16.こどもNISAと学資保険のよくある質問

Q.こどもNISAだけで教育費を準備してもいい?

可能な家庭もありますが、必要な時に評価額が下がっている場合の対策が必要です。 全額を株式投資で準備するなら、他の貯蓄から補えるか、進学前に必要額を現金化できるかまで考えましょう。

Q.学資保険はもう必要ない?

受取計画を決めたい家庭や、払込免除の保障を必要とする家庭では、検討する価値があります。 こどもNISAができても、保障と積立を組み合わせる役割は異なります。

Q.返戻率が高い学資保険を選べばいい?

返戻率に加え、払込期間、受取時期、保障内容、家計の支払能力を確認してください。 早い時期に多く支払う契約と、長く月払いする契約では、家計への負担も資金が拘束される期間も違います。

Q.全世界株式とS&P500なら、どちらを選べばいい?

全世界株式は複数の国・地域へ分散し、S&P500は主に米国の大型企業に投資する指数です。 どちらも株式市場の下落リスクがあります。

過去の比較表で大きく増えた方が、今後も必ず有利とは言えません。 投資先への理解、分散の考え方、コストを確認して選びましょう。 両方を持つ場合も、全世界株式には米国株が含まれるため、投資先の重複があります。

Q.親のNISAで教育費を準備する方法もある?

あります。 親名義で運用する方法と、子ども名義で資産を持つこどもNISAでは、資産の所有者と制度の扱いが異なります。

親自身の老後資金との配分や、子どもに資金を渡す時の扱いも考えて選びましょう。 「NISAで運用したお金だから、子どもへ渡す時も無条件で非課税」とは限りません。

Q.2026年に投資した分を、後からこどもNISAへ移せる?

松井証券の公式案内では、一般口座・特定口座の投資信託をNISA口座へ移管することはできません。 [2]

開始前に投資する場合は、後でそのまま非課税口座へ移せると考えず、保有する口座と課税関係を確認してください。

Q.途中で金融機関を変えられる?

松井証券のこどもNISAの公式案内では、金融機関変更はできず、閉鎖して別の金融機関で再開設する場合には遡及課税が生じることがあります。 [2]

成人NISAと同じ感覚で変更できると考えず、取扱商品、費用、手続き、サポートを確認してから口座を選びましょう。

Q.投資を始めるなら月5万円を目指すべき?

年間投資枠は使い切る目標ではありません。 生活の予備資金、必要な保障、他の支出を確認し、無理なく続けられる額を決めましょう。

17.最後に確認したい、わが家の教育資金チェックリスト

こどもNISAと学資保険を選ぶ前に、次の点を確認してみてください。

  • 教育費を使う年と、支払期限を整理した。
  • 家計から支払える額と、事前に積み立てる額を分けた。
  • 生活の予備資金を別に確保している。
  • 親に万一があった場合の保障を確認した。
  • 学資保険の受取額・受取日・途中解約条件を見た。
  • 投資の値下がり時に不足を補う方法を考えた。
  • こどもNISAの払出し条件を生年月日と照らして確認した。
  • 税金、資金の所有者、費用を確認した。
  • 進学前の現金化計画と、年に一度の見直し時期を決めた。

こどもNISAには、長い時間を使って教育資金を育てる可能性があります。 学資保険には、契約に沿った受取計画と、所定の条件での払込免除を組み合わせられる特徴があります。

大切なのは、将来の金額を一つだけ予想して選ぶことではなく、必要な日にお金を用意できる計画にすることです。

まずは入学前に確保したい額を決め、そのうえで長く運用できる資金を考えてみてください。 今ある預貯金や保険も含めると、家計に合った組み合わせが見えてきます。

こどもNISAでの準備を検討する方は、制度開始時期、対象商品、親権者と子どもの口座に必要な手続きを確認しましょう。 松井証券では、公式サイトでこどもNISAの概要と準備手順が案内されています。

👉松井証券の口座開設・サービス内容を確認する

※上記は広告リンクです。 こどもNISAの投資開始は2027年1月です。 申込受付状況や必要な手続きは、公式サイトで最新の案内をご確認ください。


出典・計算に使用した資料

制度・税務等の説明は次の公開情報を確認して作成しました。 商品ごとの契約・目論見書、適用年の税務上の扱いも確認してください。 本記事のシミュレーションと家庭例は筆者による計算・説明用の仮定で、将来の運用成果を保証するものではありません。

  1. 松井証券:こどもNISA 概要・魅力
  2. 松井証券:こどもNISA 取引ルール
  3. 生命保険文化センター:こども保険
  4. 生命保険文化センター:保険料払込免除に関するQ&A
  5. 国税庁:贈与税がかかる場合
  6. 国税庁:贈与税がかからない場合
  7. 国税庁:生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
  8. 国税庁:生命保険料控除
  9. iShares:iShares MSCI ACWI ETF
  10. ステートストリート:SPDR S&P 500 ETF Trust(SPY)
  11. Yahoo Finance月次データ:ACWI、スパイ、USD/JPY。 2026年10月3日取得の月次調整後終値等を使用。 取得期間は2008年9月〜2026年9月、計算対象は2008年10月〜2026年9月。 各市場の現地時間で月を判定し、同月の重複データは先の月次値を採用。
  12. 生命保険文化センター:保険料の負担を軽くする方法

コメント

タイトルとURLをコピーしました