FXを始めると、
「ロスカットって何?」
「証拠金維持率が下がるとどうなるの?」
「ロスカットされたら損失は全部なくなる?」
と疑問に思うことがありますよね。
FXには、相場が予想と反対方向に動いて損失が大きくなったとき、一定の条件でポジションを強制的に決済する「ロスカット」という仕組みがあります。
ただし、
ロスカットがあるから大きな損失を防げるとは限りません。
急激な相場変動などによって、ロスカットの基準を大きく下回った価格で決済される可能性もあります。
この記事ではFX初心者の方に向けて、
- ロスカットとは何か
- 証拠金維持率との関係
- ロスカットが発動するまでの流れ
- 損切りとの違い
- ロスカットを避けるための資金管理
- FX会社を選ぶときに確認したいポイント
を分かりやすく解説します。
FXのロスカットとは?
まず、ロスカットの意味から確認しましょう。
FXのロスカットとは、証拠金維持率がFX会社の定める一定水準を下回った場合などに、保有しているポジションを強制的に決済する仕組みです。
目的は、損失がさらに拡大することを抑えること。
例えばドル円を買っていた場合、ドル円が大きく下落すると含み損が増えていきます。
すると、
含み損が増える
↓
純資産が減る
↓
証拠金維持率が下がる
↓
ロスカット基準に近づく
↓
基準に到達するとロスカット
という流れになります。
ただし、ロスカットの基準はFX会社によって異なります。
例えばDMM FXでは、証拠金維持率が50%以下になるとロスカットが発動します。
一方、松井証券FXでは、個人口座の場合、ロスカット率を50%・60%・70%・80%・90%から選択できます。
つまり、
「FXのロスカットは○%」と一律に覚えないこと
が大切です。
なぜFXにはロスカットがあるの?
FXでは、レバレッジを利用して証拠金より大きな金額の取引ができます。
そのため、相場が予想と反対方向に大きく動くと、短時間で損失が膨らむ可能性があります。
そこで、証拠金維持率が一定水準まで低下したときにポジションを強制決済する仕組みが設けられています。
ただし、
ロスカット=損失額を必ず一定範囲に抑えてくれる制度
ではありません。
急激な相場変動や流動性の低下などが起こると、想定していたロスカット水準より不利な価格で決済され、預けていた証拠金を上回る損失が発生する可能性もあります。
ここはFX初心者が必ず覚えておきたいポイントです。
ロスカットが発動するまでの流れ
例えば、FX口座に10万円を入れてドル円を買ったとします。
その後、ドル円が予想と反対方向に動くと、
① 含み損が発生する
ドル円が下落すると、買いポジションには含み損が発生します。
↓
② 純資産が減少する
含み損が大きくなるほど、口座の純資産も減少します。
↓
③ 証拠金維持率が低下する
純資産が減少すると、証拠金維持率も低下します。
↓
④ ロスカット基準に近づく
FX会社が設定しているロスカット率に近づいていきます。
↓
⑤ ロスカットが発動する
基準に到達すると、保有ポジションが強制的に決済されます。
この流れを理解しておくと、「なぜロスカットされたのか」が分かりやすくなります。
証拠金維持率とロスカットの関係
ロスカットを理解するためには、証拠金維持率を知っておく必要があります。
証拠金維持率とは、簡単にいうと、
現在の口座資金が、保有しているポジションの必要証拠金に対してどれくらい余裕があるのかを見る数字
です。
証拠金・ロット・証拠金維持率については、FXシリーズ第5弾でも詳しく解説しています。
👉**FXの証拠金・ロット・証拠金維持率とは?取引の基本を解説**
例えば、DMM FXでは、
証拠金維持率=(純資産額-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100
という計算方法を採用しています。
証拠金維持率が高ければ、必要証拠金に対して資金に余裕がある状態です。
反対に、証拠金維持率が低くなるほど、ロスカットなどの基準に近づいていると考えられます。
ロスカットされるとどうなる?
ロスカットが発動すると、保有しているポジションが強制的に決済されます。
例えば、
「ドル円がこれから上がると思って買った」
↓
「予想に反して下落」
↓
「含み損が拡大」
↓
「ロスカット発動」
となった場合、保有していたドル円の買いポジションは決済されます。
その後にドル円が上昇したとしても、すでに決済されているため、そのポジションから利益を得ることはできません。
つまり、ロスカットは損失を確定させて取引を終了する仕組みでもあります。
ロスカットされても損失がゼロになるわけではない
ここは特に注意しましょう。
「ロスカットがあるから、証拠金以上は絶対に損しない」
というわけではありません。
相場が急激に変動した場合などには、ロスカットの基準を大きく下回る価格で決済される可能性があります。
DMM FXも、急激な相場変動などによって、預けている証拠金を上回る損失が発生する可能性があると説明しています。
また、週末明けなどにレートが大きく離れて始まった場合も、ロスカットが想定していた水準より不利な価格で執行される可能性があります。
だからこそ、
「ロスカットされるまでポジションを持つ」
という考え方は避けたいところです。
「損切り」と「ロスカット」は何が違う?
初心者が混同しやすいのが、
損切りとロスカットの違い
です。
| 損切り | ロスカット | |
|---|---|---|
| 誰が決める? | 自分 | FX会社のルール |
| 決済のタイミング | 自分で決める | 基準到達時 |
| 決済方法 | 自分で注文 | 強制決済 |
| 主な目的 | 自分で損失を管理 | 損失拡大を抑える |
例えば、
「ドル円が158円になったら損切りする」
と自分で決めておけば、ロスカットまで待たずにポジションを決済できます。
もちろん、損切り注文も指定した価格での約定が保証されるわけではありません。
急激な値動きでは、指定価格より不利な価格で約定する可能性があります。
それでも、
ロスカットを最後の手段と考え、自分で損失を管理する
という考え方は大切です。
ロスカットを避けるために重要な3つの考え方
① 取引量を大きくしすぎない
FXでは、ロットを大きくするほど、同じ為替変動でも損益が大きくなります。
例えば1万通貨を取引してドル円が1円動けば、為替差損益は単純計算で1万円です。
2万通貨なら2万円、5万通貨なら5万円になります。
つまり、
「最大で何ロット取引できるか」ではなく、「どれくらいのロットなら無理なく取引できるか」
を考えることが大切です。
② 証拠金に余裕を持つ
必要証拠金ギリギリの資金で大きなポジションを持つと、少しの逆行でも証拠金維持率が大きく低下する可能性があります。
口座に余裕資金を残しておけば、同じポジションでも証拠金維持率に余裕を持たせやすくなります。
ただし、
証拠金を増やせば損失リスクそのものがなくなるわけではありません。
取引数量とのバランスが重要です。
③ 損切りラインを事前に決める
「ここまで逆行したら損切りする」
というラインをあらかじめ決めておくことも大切です。
ロスカットまで待つのではなく、自分で損失を管理するという考え方ですね。
ただし、相場急変時には損切り注文も指定価格どおりに約定しない可能性があることは覚えておきましょう。
ロスカットとレバレッジの関係
ロスカットを理解するときは、レバレッジもセットで覚えておきたいところです。
レバレッジを利用すると、少ない証拠金で大きな金額を取引できます。
一方で、取引数量が大きくなれば、為替レートが動いたときの損益も大きくなります。
そのため、
レバレッジ
↓
取引数量
↓
損益の変動
↓
証拠金維持率
↓
ロスカット
という関係があります。
レバレッジについて詳しく知りたい方は、FXシリーズの関連記事も確認してみてください。
👉**FXのレバレッジとは?仕組みとリスクを初心者向けに解説**
ロスカットとスプレッドにも注意
もう一つ覚えておきたいのが、スプレッドです。
FXでは、重要な経済指標の発表時や相場が急変したときなど、市場環境によってスプレッドが広がる場合があります。
スプレッドが広がると、売値と買値の差が大きくなります。
つまり、
相場急変
↓
スプレッド拡大
↓
想定以上に不利な価格になる可能性
↓
ロスカットにも影響
ということがあります。
スプレッドについては、第6弾の記事で詳しく解説しています。
👉**FXのスプレッドとは?仕組み・取引コスト・広がる理由をわかりやすく解説**
FX会社を選ぶときはロスカット条件も確認しよう
FX会社を比較するときは、スプレッドだけではなく、
- ロスカット率
- 証拠金維持率の計算方法
- レバレッジ
- 取引単位
- スプレッド
- スワップポイント
- 取引ツール
- 手数料
なども確認しましょう。
特に今回の記事のテーマであるロスカットについては、
「何%でロスカットになるのか」
を確認しておくことが重要です。
例えば松井証券FXでは、個人口座でロスカット率を50%・60%・70%・80%・90%から選択できます。また、レバレッジも1倍・5倍・10倍・25倍のコースから選択できます。
また、松井証券FXは1通貨単位から取引できるため、少額から取引数量を抑えて始めたい人が条件を確認する際の選択肢になります。
FXを始めるなら取引条件を比較してみよう
FX会社を選ぶときは、
「どこが一番おすすめ?」
と考えるより、
「自分の取引スタイルにどのサービスが合っているか?」
という視点で比較するのがおすすめです。
例えば、
「少額から試してみたい」
「ロスカット率を自分で設定したい」
「スプレッドを重視したい」
「取引ツールを確認したい」
など、自分が重視する条件を先に決めておくと比較しやすくなります。
DMM FX
👉**FXの取引条件やロスカットルールを確認する|DMM FX**
DMM FXでは、証拠金維持率50%以下でロスカットが発動するルールが設定されています。また、必要証拠金やロスカットラインを確認できる証拠金シミュレーションも用意されています。
松井証券FX
松井証券FXでは、1通貨単位からの取引に対応しているほか、個人口座ではロスカット率やレバレッジコースを選択できます。
※サービス内容や取引条件は変更される場合があります。口座開設・取引の前に、各社の公式情報や契約締結前交付書面などで最新の条件とリスクを確認してください。
会社員がFXをするなら資金管理を優先しよう
会社員の場合、FXだけに使える資金が無限にあるわけではありません。
だからこそ、
「どれだけ利益を狙えるか」より「どこまでなら損失を受け入れられるか」
を先に考えることが大切です。
例えば、
生活費
↓
貯金・生活防衛資金
↓
将来のための資産形成
↓
余裕資金
↓
FX
というように、生活に必要なお金とFXの資金を分けて考えましょう。
「ロスカットされないように追加で入金する」
ことを繰り返すのではなく、そもそも無理のない取引数量に抑えることが重要です。
FX初心者がロスカットを防ぐためのチェックリスト
FXで取引する前に、次の項目を確認してみましょう。
- □ 取引するロットは大きすぎないか
- □ 必要証拠金を確認したか
- □ 証拠金維持率に余裕があるか
- □ 利用するFX会社のロスカット率を確認したか
- □ 損切りラインを事前に決めたか
- □ 経済指標など重要イベントを確認したか
- □ 相場急変時のスプレッド拡大を理解しているか
- □ 生活費とは別の余裕資金で取引しているか
一つずつ確認するだけでも、FXのリスク管理を考えやすくなります。
まとめ|ロスカットに頼らない資金管理が大切
FXのロスカットは、損失が一定水準まで拡大したときにポジションを強制決済する仕組みです。
ロスカットを理解するには、
証拠金
→ ロット
→ 含み損益
→ 証拠金維持率
→ ロスカット
という流れを理解することが大切です。
そして、FX初心者が意識したいのは、
「ロスカットされないこと」だけではありません。
むしろ、
ロスカットされる前に、自分でリスクを管理する
という考え方が重要です。
そのためには、
- 無理にロットを大きくしない
- 証拠金に余裕を持つ
- 損切りラインを事前に考える
- FX会社のロスカット条件を確認する
- 相場急変時のリスクを理解する
といった資金管理を意識しましょう。
FXは少ない資金から大きな金額を取引できる一方、損失も大きくなる可能性があります。
「最大でどこまで取引できるか」ではなく、
「自分が無理なく続けられる取引量はどれくらいか」
を考えることから始めてみてください。


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